March 02, 2019
三月の殺伐 '19

いい映画を観たからと云って、ソレだけでいい一日とは呼べない。
美味い御飯を食べたからと云って、ソレだけでグッスリとは眠れない。
サイコビリーを回しながらファーフゥーと踊り叫んでいても、ソレだけでオレは最高だなんて思わない。
核の部分が霞んでいると、精神も歪んでくる。気取るならブレるな、最低限のマナーだ。
二月は東京でライヴが四本あった。各地の人間らしい人間達と会い、よく笑い、よく呑んだ。いい一日だった。
いい写真を何枚も送ってくれるカメラマン。カメラマンズ。いいカメラで撮ったいい編集。オレには出来ないコトをやってくれる立役者達。
いい相棒にいい理解者、いいレコードにいい悪友。どれもこれも最高だ。最高なクセに、ソレだけではまだ満足出来ない。核があと291倍、際立ってないと真の満足に手は届かない。
「(I can't get no) satisfaction」を今こそ爆音で回してくれ、無論7インチで。
我侭だと人が云う。求め過ぎだと人が云う。生意気だと人が云う。
パズルを埋める作業は続いている。多分、永久に続くんだろう。選んだ道である限りは。
明日から何日間か広島へ行く。トランクにはまず本を詰めるだろう。サリンジャーとかジムトンプスンとか。あとは少しのパンティと、アーガイルの靴下さえあれば充分だ。
そしてお母ちゃんはまた云うだろう、「アンタ、髭剃れ」「息子と思われたないから離れて歩いてや」。
最高だ、踊り続けよう。
February 04, 2019
二月の混沌 '19
満足のいく仕事がほとんど何も出来ないままに一月は去ってしまった。太ってもないのに太った事を気にしている女の様な気分が続いている。
棒読みの「お疲れ様です」なんて骨の折れた傘と同義だ。すなわち、無意味だ。興味が無い。
こんな事を書き殴る意味があるのかさえ定かでないが、4月頃に読み返した時には笑える様に残しておこうと思う。オレは今、何日も書いては消してを繰り返しながら、着地も見えんままにまたタイプを進めているところ。
ピシャリ一言で書くと、近年稀にみるほどに具合が悪い。車で例えるならガソリン、ストーブなら灯油、絵描きなら絵の具切れの類い。そう、まるで冴えてない例えだ。
無論、時節になぞってホザくとするなら「鬼は外」ってヤツだろう。
特に何があったってワケでもない。というか、何も無さ過ぎるってのが気に入らない。幾万の内の一にならない為の道だけを探している。
冬の暗さ、寒さのせい、蟻みたいな行列のせい、マニュアル人間のせい、などと誰かのせいにするのは容易いが、そんな言い訳はオカマのやる事だ。
そういえば何年か前、突然こんな風に云われたコトがある、
「アンタの発言は私の親も読んでるんだから気を付けてね」。
その言葉に従い、ただ、嫌われないでいようと心構えした瞬間に叩き出される点数はそう、平均点だ。てんで興味が無い。
8年ほど前、お金がほしいが為だけに迷い込んでしまった「仕事場」で、当時まるで仲良くもなかった男が吹っかけてきた言葉がフラッシュバックする、
「あのー失礼かもしれないですけど研修って言葉、世界一似合わないですよね?」。
有名俳優は逮捕され、オレは逮捕もされず今もタイプを進めている。どうやら幸せだ。
ところで、今日の東京はカリフォルニアみたいな気温になるという。言い訳ながら、冬はもう終わりでいい。
January 25, 2019
ゴム手袋を捨てろ '19

神経が過敏だ。何をやっても満足出来ない。
気になるコトがある時にまずやるべき行為はただ一つ、気にならなくなるまでやるってコトだ。
一月に入ってほとんど、整理整頓ってヤツに精を出している。何故、こんなコトに神経を持っていかれているのか、もはや自らでも理解不能だ。今は時々やって来やがる、何もかもが無意味に思える季節らしい。
因みに年末の風呂場のファッキン黒ずみとの格闘は、辛うじて7対3での判定勝ちってな塩梅だった。もっと完璧な勝利がほしい。
さて、ゴム手袋などを両手にはめてオレは何をやっているんだろう。神経はそう、他の事柄に費やしたい。
冬ってのは大嫌いだ。眠る気にならず、眠ればてんで起きれる気がしない。
しかし唯一、このクダラナイ季節にでもメリットがあるとするなら、様々な音楽を聴きまくり、ゴム手袋をしながらでも踊り唄っている。本来、291万枚は売れるべきだったバンドマン達のレコードを回しながら。
そう、明日はステージに立つ。博多天神からは京田つよしがやって来る。東京では遂に初共演だ。すなわち、いつまでもこんな季節の中に埋もれるワケにはいかないって仕組みだ。
「漢の中の漢」って言葉は、オレの中では京田つよしと京都のギアマスがまずは思い浮かぶ。合言葉は「クール」に他ならない。
そして酔いどれ花村雷蔵、DJはTatta、オマケに右往左往の総本山このワタシにて繰り広げるロマン、
ゴム手袋などさっさと踏み潰して楽しもうぜ、ジャングルライフ。
https://www.akinoritaka.net/
January 18, 2019
一月の憂鬱 '19

時々、全ての事柄が無意味に思えてしまう季節ってのがある。
一月とは何故か憂鬱だ。
イカす本を読んでも、映画を観て教養を得たとしても、いくら素晴らしいと思う作品を作り上げたとしても、「果たしてソレが一体どうした」だなんて冷めてしまう季節ってのがある。
一月とは何故か憂鬱だ。
今、猿小屋をゼロから見直している。今、最も憎いモノは「埃」と「寒さ」だ。片付けても片付けても、何時だって完璧なんて程遠いみたい。
埋もれたまま消えてしまったバンドの音楽を聴く。そのリズムに合わせて踊りながら猿小屋を見直している。
たとえば、カメラマンズというバンドがいた。ジェリーリーファントムというバンドがいた。
「何故、こんなバンドが国民的バンドと呼ばれないままに消えてしまったのか」だなんて考え出したら闇はそこそこ深くなる。
「今、気狂いに突然刺されでもしたら全ては無意味になる」だなんて考え出したらその闇は更に深くなるばかりだ。
しかし、ソレと同時に、今行っている作業がてんで無意味ではないだろうってコトも知っている。そう、生きている限りは。
スケジュール調整、猿小屋整理、頭の中は常にパズルのピースが巧くハマるコトだけを願っている。
組織に属せない連中は今日も我が道を駆け抜けるばかりだ。
一月とは何故か憂鬱だ、早急にこの季節を突破したい。
January 09, 2019
魂が鈍ると形式が現れる '19

今はもはや、「年末年始」と書いて「過去の産物」と読める。ドサクサ紛れの高熱にうなされながら、「寝込むなんてオカマだ」というポリシーに則り日々をやり過ごしていた。
年明け早々、気合いを入れる為にまず観返した映画は「ブコウスキーオールドパンク」。
何気なく、何者かも知らず、一枚のフライヤーだけを頼りに原動機付自転車で駆け込んだ2005年渋谷の映画館、そして観終えた後の爽快感だけが今も胸の中にある。
2019を彩り豊かに囃し立てる為にまず重要なコトは、動き続けるってコトに他ならない。「平凡」ってのは強固性に合わない。
一人だけではどうにも出来ないコトがある。今は一人でも出来るコトを着実に一つずつ片付けている。必要なモノを残し、不要なモノを捨てまくるって作業だ。
ヤケに薄い手帖を買ってしまった。書くスペースがなくなる程の分厚いヤツを買うべきだった。
常に8歩先の事を考えている。例えば新宿に居る時、オレは福岡に居る時の事を考えている。そして福岡に居る時には、北海道の事を考えている。
そして北海道に居る時には・・・、死ぬまで繰り返しだ。
何もかも巧みにコトが運ぶだなんて思ってもないが、今はまた新たなターニングポイントの渦中に居る様な気分。
魂を鈍らせるな、形式なんて後ろから勝手についてくる。
December 30, 2018
君は僕を好きかい '18

先日のCCOチャリティショーをもって2018のライヴも完遂。飛び入り、乱入、何でもありの特別編。こんな日は血湧き肉躍らせたヤツが勝ちだ。その点で、オレは勝ちだ。
音楽が好きで、音楽を好きなヤツが好きで、音楽に救われているヤツが好きだ。ハニー、音楽もオレの事をもっと好きになってほしい。
去年のツケを根こそぎ払拭すべく2018を生きてきた。去年の年末だか年が明けた直後から「今年は2枚アルバムを作るぞ」などと周囲にホザいていた。
ソレはこちとらの最も好きなやり方で、「ホザく以上は出来んとダサい」という思考になってくる。生きる上でまず重要なコトは、せめて自らとの約束は裏切らないコトだ。
イカす一年だった。12ヶ月の内、気付けば1ヶ月は関西、1ヶ月は北海道に滞在していたらしい。
そして年内の内に猿小屋の契約更新にも成功した。ジェニーが出て行く前にヌカした言葉が耳にこびりついている、「もう此処で死んだらええやん」。
変わりまくっていくこの下北沢って街に少なくとももう暫くは居を構える。
2019のコトも着実且つ確実に決まりつつある。手帖には既に2019のミッションを書き殴ってある。「僕が僕である為に」、そう簡単に死ぬワケにはいかないって仕組みだ。
最後に26年連続「好きな言葉ランキング」堂々たる1位のこの言葉を一つ、よいお年を。
2018に脱帽。2019は年明けからレコードを回して踊るぜ。
December 21, 2018
ぶちまけろ '18
アルバム制作、その後に立て続いたライヴ行程を果敢にクリアし、ようやく少し落ち着いた様な気分。しかし落ち着いたら落ち着いたで何とももどかしい胸中にもなってくる。
どっちつかずのポッピンボーイこのワタシ、とっとと向こう一年分のスケジュールがほしい。
そんな中、ジェニーが猿小屋を去った。ヤツはオレを随分と助けてくれたが、オレはヤツに何か出来ただろうか。考える事は塵の如くあるが、別に仲違いしたってワケじゃない。「また此処でレコーディングしましょう」、そう告げて別れた。
先日、空っぽになった部屋でブーツを磨きながら「亀岡寛明のエゾサリヴァンショー」を聴いていた。すると突然、「今日はパレード」というオレの曲が聴こえてきた。
不思議な気持ちになりながら、よくラジオを聴いていた10代時分の事を思い出した。時代は変われど、いつだってラジオは魔法だ。
さて、猿小屋を断固維持すべく今は様々な角度から見直しを計っている。そして今、最も気になっている部分は風呂場の黒ずみだ。オレってひょっとしてオカマなのかも知れない。
しかし、気になり出したら気が済むまでやれってのが信条だ。
格闘する事、早三日。いくら泡立てようがタワシを用いて擦ろうが黒ずみは黒ずみのまま其処に鎮座している。その強い意志に思わず一人ごちる、「かっこいい」。
それでも負けを認めるワケにもいかず、オレは遂に文明の利器を駆使してやってしまった、「風呂の黒ずみ 落とし方」なんてタイプして検索ってヤツを。オレってオカマなのかも知れない。
「クエン酸がどうの重曹がこうのをミックスして風呂場の床にぶちまけ、ラップをして一時間ほど放置し、その後で洗い流せ」とか何だとか、オレには医学の話同様、まるで馴染みのない言葉の羅列がそこには記されてあった。
オレは何をやっているんだろう。そんな事より向こう一年分のスケジュールに取り掛かりたい。
オールオーケー、オレは今、ジミヘンドリックスの「BBCセッションズ」を聴きながら、奇跡的に持ち合わせてあった重曹と食器用洗剤を適当に風呂場の床にぶちまけ、ラップをして律儀に一時間放置しているところ。
December 19, 2018
38とラプソディの夜 '18
'18.12.13(thu)
【Light Up the Policies Special
Akinori Taka 38th Birthday Oneman Show!】
-CAST-
高哲典-Akinori Taka-
Jenny & Akinori Taka
-GUEST-
小林琢也(nanairo from 神戸)
-DJ-
Tatta
♦第一部
2, 街の灯 -city lights-
3, 何を想う
4, マーケットに春はない -can't buy spring-
5, 自由な犬
6, 恋とスモーキンシガレット
7, トップオブザワールド (with Jenny)
8, その闇
9, 愛すべき日々
10, ニューヨークサブウェイブルー
11, ロールオンザストリート
12, マリーと暮らす
♦第二部
1, ロマンのど真ん中
2, ラウンドミッドナイト
3, 珈琲の匂いのする方へ (with Tatta)
4, ヘアースタイルブギ (with Jenny & Tatta)
5, ルートスゥイートホームにて (with Jenny)
6, トレイントーキングブルース (with Jenny)
7, 風来坊ソング (with Jenny)
8, 喜怒哀楽な男 (with 小林琢也)
9, 今日はパレード (with 小林琢也)
10, 手紙
♦encore
1, 深夜高速バスブルース (with 小林琢也)
2, ヘイトアシュベリー (with 小林琢也 & Jenny & Tatta)
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北海道14デイズから見事生還した直後、38歳になった。なんとまだ生きて、そして笑えている。
今が一番いい。嘘偽りなく、そうホザき続けてやる。
ゲストには問答無用で小林琢也、ジェニー、DJ&コーラスにTatta、そして始めたら終わらないグッドスリッピン小僧このワタシ、四人で狙うロマン。コンプリート布陣。
オマケにオープニングSEは北海道の永遠のライバル、PISTOL BOOGIE VINCENTで「キャロライン」だった。チューニングをしながら、胸中は興奮の坩堝だった。
古い曲と新しい曲を混ぜ込んで約3時間全24曲、古い詩で泣き、新しい詩で笑った。唄いながら、頭の中には常にその当時の映像が見えていた。
ロックの日以来、半年振りのトーキョーワンマンショー。満員御礼に脱帽。
終演後は結局、AM8時過ぎまで与太話に明け暮れていた。窓からはヤケに強い光が差し込んでいた。
オールオーケー、懲りもせず宜しくやってもらえる様に、これからもジャリズリ感でゴーするけぇ。
オレは今、傷だらけになったブーツを2019へ向けて磨き直したところ。まだ歩けるってのがまず嬉しい。
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一人きりの夜に読書灯だけ灯して
ドロップアウトした男の物語に入り込み
興奮して眠れずに夜を明かしてる男は
とても健康な者だと信じて疑わない
ラウンドミッドナイト
November 25, 2018
ありがとうが宙を舞う '18

寒いのと、ドンクサイってのが何よりも嫌いだ。魂吸い取られる。
11月25日、現在時刻はAM06:59。呼びもせんのに知らん間に冬が来やがり、オレは今、世界一電気ストーブの近くに鎮座している男と化している。残念だ、夏が行方不明になるって事は。
11月前半、沖縄は30℃。ジャケットなどは綺麗にハンガーで吊るしてあげた後、半袖且つポッピンスマイルで街を練り歩いていた。
ザ・クールシュガーズ、バンドは最高だった。何よりメンバーが楽しんでいたし、ソレを見てオレは俄然、三人よりも喜んでいた。
一人では出来ん事、一人じゃないと出来ん事、色々ある。バンドはソレを分かりやすく示してくれる。来年は更に躍進ってのを企み続ける事こそ生き甲斐だ。
さて、明後日からは一人北海道へ飛ぶ。気温は既にマイナスって噂だ。
場所をおさえてくれた人達がいる。崩れかけたスケジュールを立て直してくれた人達がいる。一人ではとても出来ん事だ。嬉しくなる。
移動は車だ。まず怖いのは、いくらこちとらサイドがセーフティ運転を心掛けていたとて、対向車線の車が突っ込んできたら即座に終わってしまうって点だ。
オマケにオレには免許さえない。そんな不甲斐無いワタシに辛うじて出来る唯一の事といえば、助手席で煙草と珈琲でも嗜み、ホットな会話など繰り広げながらただただ無事を祈るってなくらいだろう。
その前にあのドデカイ大地へとオレを運んでくれるであろうパイロットへの敬意も捧げなくちゃいけない。はて、どうやら一人では出来ない事だらけだ。
ありがとうは現地で!ってのが信条です。生きて会おう。
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November 07, 2018
カムバックサマースペシャル '18

エルヴィスがオールブラックレザーに身を包んでロックンロールに回帰した1968年のテレビコンサートから今年で丸50年が経つという。
さて、オレは夏が終わっただなんて到底信じられる様なアタマもなく、来年の事さえ思考しながら11月の寒さの中にいる。
今年3月、レコーディング合宿が決まった直後から2018の終わらせ方ってヤツを思考していた。無論、その時まで生きているって事を前提に。
気付けば11月、全てを果敢にクリアして今がある。まだ生きているからこそ明日からは沖縄へ飛ぶ。無論、パイロットがしょうもないヘマをしない限りは。
名付けたバンド名は「ザ・クールシュガーズ」、奴等と沖縄を回る。弾き語りの音源もバンドサウンドに生まれ変わるってな寸法だ。
沖縄リミテッドで終わるにはあまりに惜しい、愛しのクールなメンバーがそこにはいてくれる。
「好きな行為は何ですか?」ってな愚問には即答で洒落込みたい、「ドラムセットに飛び乗る事」と「メンバー紹介」の二点張りに他ならない。なんたって、「一人じゃない」と実感出来る何よりの胸躍る行為だ。
ギターのよーへいが云っていた、「多分、まだ泳げますよ」。
キマりだ、オレは沖縄の海に浮かびながら竹野の燃える夏を思い出すだろう。
そして沖縄をクリアした直後には14日間14本の熱闘、今年二度目の北海道大作戦が待っている。
夏を終わらせたくないと思った時にまずやるべき事はただ一つ、夏はまだ終わらせられないと企み続けるって事に他ならない。
近頃はよく涙を流す。寂しいってワケでも女々しいってワケでもない。いちいち琴線に触れやがる映画や詩に触れた時、涙は単純明快な仕組みで溢れ出す。経験ってのは多ければ多いほどイカす。
2018の終わらせ方ってヤツはもはやとっくに見えている。無論、2019-2020へ向かう行動も射程範囲だ。まだ生きている限りは。
まずは沖縄、ドラムセットの上で会えたなら完璧にクールだと思う。脱帽。
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