December 28, 2017

the AT's Blues '17


セブンイレブンから出てきたヘッドフォンをした外国人の男が絵に描いた様な財布の落とし方をして、そのまま気付かず去って行った。

世界中でその光景を見ていたのはオレだけだ。地面に落ちたソレを掴み取りヤツの左腕を叩いた、「ヘイ!落としちゃったな」。

ヤツはヘッドフォンをしたまま云った、「テンキュ!」

こんな時、「よいお年を!」なんて返せばスタイリッシュなのか、はたまた「何を聴いているんだ?どうせラジオだろ?」などとクエッションを投げればクールなアンサーが返ってくるのか、なんて思考している内にまた朝がくる。

12.13、下北沢ラプソディに「サムライ」って名の花が届いた。住所は秋田、差し出し名は「the Chabands」、そう、生きるとは茶番の連発。

サムライって花を見るのは二回目だ。横須賀で見たソレと今、猿小屋にあるソレだ。

花の育て方など美味いビーフストロガノフの作り方同様、てんで弁えてないオレが律儀に水を替え、匂いでも嗅ぎながら呟く、「ヘイ!サムライ、まだ枯れちゃ駄目だぜ」。

それでも時が来たならドライフラワーとして健在させる、なんてニヒルなやり口もあるらしい。

ドライフラワーを造るハウトゥなど組織の犬になるハウトゥ同様、てんで弁えてないオレが花の生命についてまで思考している年の瀬。

先日、久方振りにポリスマン三人に囲まれた。迷い込んだ宇宙人の様に見えたのかも知れない。

通行人のおっさんがオレを凝視していた。

恐縮そうに尋問する三人組にオレは断固協力の姿勢を示し、ヘラヘラと笑いながらポケットの中身を全て差し出した。

「いやーご苦労さんです!どうぞ!」

さて、最後にポッケから出てきたブツは残念ながらミントガムだった。

こんな時、「お手数をお掛けしました」なんて云いながら去って行く三人組の背中に吐くべき言葉はやはり「よいお年を!」なのか、はたまた「何も出てこんかったな!一人二万円ずつ頼むで!」なのか、なんて思考している内にまた夜がくる。

ところで、何を隠そう諸々のしょうもない契約の都合から、9月の末辺りからつい最近までまとまった収入が途絶えていた。

ようやく手にしたまとまったマネーで2017のツケを一気に片付けるべく、まだ払う必要のないモノまで先回りして、根こそぎ紙切れをキャッシュディスペンサーに捻じ込んだ。

調子に乗り過ぎた。そして、残ったモノはほんの僅かなマネー。

そいつでミントガムを買いに行こう。そう、スーパーミントガムを。

 


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December 23, 2017

the AT's Holic '17


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昨今は何でもかんでも適当な仰々しい病名を付けて笑うのが流行だ。無論オレは今、「沖縄愛性早再訪障害」だろう。

アイツは「マニュアル遂行障害」、コイツには「酔狂裸体障害」、アンタって「拘り呪縛障害」、貴様なら「欲望全片付障害」、名付け出せば8億通り以上もある。51を超えたあたりで早々に数えるのはヤメろ、「無自覚当嵌障害」に陥るぜ。

恐ろしい漢字の羅列、立派な病と捉えるか手を叩いて笑うかは君次第だ。

自由であーれ!、おっと、コレはきっと「自由叶願依存障害」だろう。そう、読み方さえ不明だ。

遂にオレも襟を正し、ネクタイさえ締めたドクターになれそうだ。キリがない。もっと笑わせてほしい。 

沖縄のバンドメンバーとスタジオに入った。懐かしく、そして素晴らしい感触だった。本番では「サトウキビブラザーズ!」とかなんとか、軽々しい且つ甘そうな名を付けてメンバーを紹介した。 

バンドでステージに経ったのは北海道は釧路以来だ。左右、そして後ろでも各々が自らのパートに精を出している。スタジオに入ってからは早く見せたくてしょうがなかった。そう、「早よ見て障害」だ。

オレはギターも弾かずハンドマイクで椅子に飛び乗り、泡盛で酔いどれながら踊っている客席にマイクを向けながらバンドには視線と指で合図を送った、「もうしばらく演奏を伸ばしてくれ、もっと楽しみたいからな」。

なんて我侭なんだろう。一人では出来ない芸当だ。

さて、一日に291回くらい「サムイ」と吠えている間になんと年の瀬ってヤツが迫ってきた。今年はまだあのかの有名なキメゼリフ、「よいお年を!」をあまり吐けていない。1534回以上は吐きたいセリフなのに。

2017が幕を閉じる前に決めておきたい事柄が塵の如くある。振り返る前にまずやるべき事はただ一つ、2018を捉える事だ。

各方面に日程調整の連絡を入れれば、色とりどりな返事がある、

「ちょっと先過ぎてまだ動けません」然り、「5月辺りはもう予定が入ってます」然り、二つ返事の「オーケー!」まで様々だ。

早い話、何年もこんな作業を繰り返していればイヤでも気付く事がある。バンド然り管理然り、一人で全ては出来ないって事に。

「ありがとう」の更に上をいく新たな言葉を延々と探し続けている。

 


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December 15, 2017

the AT’s 37


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‘17.12.13(水)
【レッツゲットロマンスペシャル
高哲典 -Akinori Taka- 37th バースディワンマンショー】

東京 / 下北沢ラプソディ

◆二部構成
◆ゲスト:鈴木羊
◆DJ : Tatta


♦ 一部

1. ロマンのど真ん中
2. 思い出を繋ぎ合わせて今を生きる
3. ラウンドミッドナイト
4. アウトローバカヤロー
5. ニューヨークサブウェイブルー
6. 夢の暮らし
7. スリッピン&スライディン
8. スモーキンシガレットの様に
9. 青空、ひとりきり - with 鈴木羊 -
10. 金もうけのために生まれたんじゃないぜ - with 鈴木羊 -
11. マーケットに春はない(can't buy spring) 

♦ 二部

1. 街の灯り
2. 手紙
3. ヘイトアシュベリー
4. メンフィスのバラッド
5. ルートスゥイートホームにて - with Jenny -
6. 風来坊ソング - with Jenny -
7. トレイントーキングブルース - with Jenny -
8. 30days - with Jenny -
9. 友達 -with Jenny -
10. 愛すべき日々

♦アンコール

1. 深夜高速バスブルース


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オレは今、沖縄にあるヤケに変な造りの宿の中でコレを書いているところ。

首謀者がプレゼントしてくれた忌野清志郎の「ロックで独立する方法」という本を読んでいた。

12.13、37歳になった。オレって本当に37なのか?胸中感覚はまるで17のままだ。

沢山の優しさに触れながら詩を唄い、そして根こそぎ活力に変える為に喋りまくった。古い仲間が会いに来てくれて朝まで笑った、「アンタ、何も変わってないね」。

そしてオレは今、気付けば沖縄にいる。今日は昼間から現地のバンドとスタジオに入る。まるでチャックベリーだ。あ、チャックはリハーサルなんて必要としないんだったな。

夜は大好きな浦添grooveで一人で演る。で、明日はこのバンドとステージで笑いたい。

経験を経て、オレは今、ようやく37年目を開始したところ。殺したいと思った奴等にも感謝を忘れたくない様な気分。

 


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December 02, 2017

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遂にまた12月が来た。この流れのままにコマを進められれば、愛すべき大晦日さえ目前だ。

今、俺はようやく落ち着き、ジャズレコードをAからBへと裏返したところ。

2017、記録的に酷く哀しい年だった。裏切り、裏切られ、裏返り、裏返された様な気分。そして最後には残るべきモノが残った。

バット、そんなコトはもうどうでもいい。気狂いの様に笑い転げたコトも多々あったってんだから。

「ラジコンに興味をもってさ、走らせに海へ行くのが夢だ。頭に浮かんだコト全部、片付けて行け20代」などと、19歳時分は唄っていた。

サビの部分はこうだ、「昨日の涙、笑顔に変える、その為に今日を生きてる」。

タイトルは「やりたい放題」だった。

随分と青い且つ赤面もするが、「コイツ、特に変わらずここまで来てしまいやがったな」なんて今、苦笑いのままに思い返しているところ。

そして俺はなんと、大台の40代ってヤツに向かっているらしい。浮かんだコトを片付けるどころか、まだやれてないコトが多過ぎて、一生どころか二生費やしたとてどうやら追い付かない始末。

2017ショッキングニュースとしてまず上げるべきは加川良が死んでしまったってコトでしょう。

バット、どうでしょう?あの方は俺の中で今も完璧に生きている。埋もれてしまったミンガリングマイクの精神が今も完璧に生き続けているのとまったくもって同義で。

12月1日、ドサクサ紛れに生涯二着目のスーツを手に入れた。仕立て屋に行かずとも手に入るスーツ屋に駆け込み頼んだ、「コレの一番細いヤツある?」。

チャーリーパーカーが「俺が死んだらスリーピースのスーツを着せて棺に入れてくれ」と云ったとかいう逸話を聞いたコトがある。スーツはジャージ感覚で着てナンボだろう。

俺は今、嬉しくてソレを着たままにコレを書いているところ。

さて、最後に加川良の生き続けるべきトーキングブルースを一つ、

「よーし、それなら幸せについて答えてもらおうかい?」
「はい!マクドナルドでミスタードーナツに出会う事でしょう?」
「そうよ、フラワー、ピース、イッピー、ヒッピー、ハッパ、ラヴ」。

このウィット具合、脱帽はいくら繰り返して足りません。

旅は死んでも続く、探究心に限りなど皆無だってんだから。

 

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November 23, 2017

the AT's Sun '17


5時起床。外は既に暗く雨が降っていて、オマケに寒過ぎる。

これが朝の話なら優雅にトースターで食パンでもきつね色に焼きつつ、そいつをホット珈琲で流し込みながら本でも読んで、

或いは録り溜めたダウンタウンを見て、日が昇る頃にはモーニングジャズでも回しながらついでに洗濯機も回転させ、

ブーツでも磨いて今日は何処と何処へ行ってあれもせんとこれもしとかんとなどとスケジュールを一つずつ着実且つ軽快にこなし、

日が陰る頃にはご苦労さんと肩でも組んで小粋に一杯キメたいところだが何をどうやっても巧みに事は運ばない。5時じゃない、17時だからだ。

優雅もきつね色も珈琲も全部すっ飛ばして町へと繰り出し、店が閉まる前にとスーツ屋とか服屋を回る。世間の都合と俺の都合はもはや完璧にズレている。

寒さ、雨、噛み合わない時間軸、発狂に値する三大要素を存分に兼ね備えながら練り歩く新宿、

アーガイルの靴下は何足あっても困らない」、そんな愉快な事を辛うじて考えながら寝ぼけ眼のままに舞い戻る猿小屋ジャスト22時。

これが朝ならなんとまだ10時なのに、などといくら不貞腐れたところで外は暗く、オマケに寒過ぎる。

それからようやく洗濯機を回し、モーニングジャズなどまるで聴く気になれず、ロックンロールもてんで気分じゃない。キマりだ、ラジオだ。

現在時刻06:16、いまだ小粋に一杯キメるには早く、それは完全に日が昇ってからの話になるだろう。

そして商店街がチンドンと賑わう頃、俺は取り残された背景の様に眠るだろう。そして起きたら、きっと17時。

こんな時、俺は誰にご苦労さんと云い、誰におやすみなさいを告げればいいだろう。

思うに近年、時差が酷過ぎる。進んでいるのか遅れているのか、ワイルドなのかスケコマシなのか、クズなのかチャーミングなのかも定かじゃない。

太陽は今日も行方不明だ。アメリカに行きたい。


P.S


先程、「母なる証明」という韓国映画を観た。正義とは何なのかを突き付けられる様なシナリオだった。
自分の事は自分にしか分からない。

俺は今も震えている。それはシナリオのせいで、寒さは関係ない。

 


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November 21, 2017

the AT's Naked '17


アメリカからカムバックしてまだ二ヶ月しか経ってないらしい。もう二年前みたいなのに。

慌ただしくて、体内には毒が溜っていく。吐き出そう。

そして俺は今こう思っている、「また、アメリカに行きたいな」。

気付けば暗闇ばかりを歩き、そして一人ホザいては笑う、「サムスギルエルス!」。

俺ってひょっとして怪しい男なのか。

気付けばマリファナの名手、ドラッグの売人などとよく間違われる。

その事を内心では嬉しく思っていたりする。実際はそうじゃないという誇りがそう思わせる。

最高だ、クスリをやっていないこの俺がジャンキーだと思われているだなんて。

だから職務質問などを受けた暁には両手を広げて律儀に財布まで差し出してみせる、

「君等、何も出てこんかったら一人二万円ずつ頼むで」。

この冬がざっと見積もってもあと四ヶ月半は続くであろう事を考えると文字通り震える。

正義は何処に眠っているのか。

さて、2017.12.13は下北沢ラプソディにてワンマンショー。今まで出会った様々な人達に魅せる格好の舞台だと捉えている。

昔、下北沢のしの字も知らんかった俺が今は一丁前にこう思っている、

「この町も変わりやがったな」。

しかし、何も変わっていないモノも確かにある。例えば俺とか、ポリシーとか。

なにしろクダラナイ事が多過ぎる。意味不明の冤罪とか、言い訳にもなってない言い訳とか。

正義を呼び戻そう。レッツゲットソールドアウト。


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November 12, 2017

友達 / 2016



新しい友達に早いところ会いたいな
忘れさせてくれないか、クダラナイ事全部を

懐かしいあの娘にもう一度会いたいな
思い出させてくれないか、あの胸の高鳴りを

好きなモノ、好きなままでいたいだけ

仲の良かった友達は今何処で何してる?
くたばっていないかい、気は確かでいてほしい

今好きなあの娘に早いところ会いたいな
信じさせてくれないか、この胸の高鳴りを

好きなモノ、好きなままでいたいだけ

皆何処で何してる?皆何処でどうしてる?
皆何処で救われる?気は確かでいてほしい

皆何処で何してる?皆何処でどうしてる?
皆何処で救われる?気は確かでいてほしい

 

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October 22, 2017

雨が降ったって大丈夫 '17


近頃は音楽をほとんど聴いていない。くだらない雨の音ばかり聞いている。

2017年はここ36年間でも最大の雨量を更新中ですか?オマケに心の雨も降り止みません、ってか?

それに加えこの寒さをあと半年も続けるつもりですか?なんて考え出すと自ずと気も遠くなる。

今の事を考えながら、常に8歩先の事を考えている。例えば電車に乗った瞬間から、改札を出てから買う煙草の小銭は握り締めている。

平たくいえばオレってとんでもないセッカチボーイなんだろう。よって、改札前まで来てからようやく切符を探しだす様な灼熱のドンクサピープルの事など永久に理解は出来ない。

さて、旅の話も一向にまとまらない昨今、なんと今年も12月13日にワンマンショーが決定しました。会場は猿小屋とはもはや兄弟の様な関係にある下北沢ラプソディ、そしてゲストには鈴木羊兄貴。そう、「兄貴」と呼ぶに相応しいポッピン極まる畜生イカす男です。

もしもこの不届き者にプレゼントをくれるなら、まずこのくだらない雨を早急に止ませてくれよ。それか、ウィットに富んだバナナでも頂戴。

8歩先の事を考えつつ、詩を聴きに来て下さい。


'17.12.13(水)
【レッツゲットロマンスペシャル / 高哲典 -Akinori Taka- 37th バースディワンマンショー】
東京 / 下北沢ラプソディ

◆二部構成
◆ゲスト:鈴木羊

OPEN 19:00 START 19:30
¥1500_(+2order)


https://akinoritaka-new-hip-moderns.jimdo.com/livetime/



そして来週からは久方振りの岐阜&名古屋、そのまま関西に流れての旅が始まります。オレの右腕にしてヤツの左腕このワタシ、ジェニーのどっかから借りたズタボロ車に乗って向かいます。

2006年に作った「雨が降ったって大丈夫」って曲が頭の中で鳴り響いてきました、


雨が降ってきた夜に口ずさむ唄を作りたい
パトカーのサイレンのリズムで、小粋な感じで唄いたい

雨が降り止む気配は無い、傘の骨は突き出してるし
濡れて歩いてみるのもいい、「そっちの方が似合ってる」って

云われたとしたら思わず俺は笑顔で、
「ありがとう」だとか口にしてしまう様な気がするね

淋しくなってきたら誰かに電話したりしないで
ウイスキーの瓶でも抱え込んで思考回路を変えてやるんだ

雨がやり切れん思いを全て流すとか云ったりするけど
俺はそうは思わない、どうしてかって聞かれたりしたら

だって雨って神様の涙って思ってる方が幸せになれる気がするの

お気に入りの傘を見つけたよ
雨が降ったって大丈夫
お気に入りの長靴見つけたよ
雨が降ったって大丈夫


必要なのはこの雨を笑う覚悟でしょう。




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October 19, 2017

街の灯 / 2017



街の灯りで待ち合わせしよう
坂を上った希望の場所で
遅れそうなら一言おくれ
詩でも書いて待っているから

正気を保って立っているのさ
心が迷子にならない様に

スーパーのレシートの裏に書いた
今の心情が空白を埋め尽くしていく

街の灯りで待ち合わせしよう
明るい時も沈んだ時も
狂気に溢れた人を見ながら
それも詩にして待っているから

半分腐りかけてる俺の心を
半分生きてる筈の心が
繋ぎ止めている
早くおいで

街の灯りで待ち合わせしよう
坂を上った角の本屋で
遅れそうでも歩いておいで
詩でも書いて待っているから

街の灯りは今日も其処に
其処で一人、待ってるから
街の灯りはいつも其処に
歩いておいで、灯りは点いてる




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October 10, 2017

地球の夢 '17 vol.5


セコーカス
パターソン
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アメリカに出向く直前、信頼すべき映画監督代表格、ジムジャームッシュの最新作「PATERSON」が公開された。

期待を裏切るって事を知らん氏のクール&モダン極まるやり口にまたしても脱帽し、主役の奥さん役の女の子にはまんまと恋をした。

あんな心の綺麗な女の子に惚れない男こそ狂っている、ってなほどにチャーミングだった。それと詩を書いている少女の生意気さ。

パンフレットではジムジャームッシュが語っていた、「パターソンはニューヨークからそんなに遠くないからフラッと行ってみたんだ。それでいつかここで映画を撮りたいと思った」。

映画を観るまで名前すら知らんかった「パターソン」って街にも行けたら行きたいなと思った。

行きの飛行機、座席前にある映画が観れる画面システムを確認し、何か観ながら眠ろうと思った。

「どうせロクな映画入ってないやろ」などと一つずつチェックしていたら、何と突然「パターソン」が出てきた。字幕無しのアメリカ版。

ニューヨーク滞在四日目、「行けたら行きたいな」は「絶対に行きます」に変わった。

何の情報もないまま、どうにか乗り換えを経てパターソン駅に辿り着いた。乗り換えのセコーカス駅の床は猿小屋の床とまるで同じ柄だった。

最高だ。これを見れただけでも来た甲斐があるってもんだろう。

パターソン駅に着いた。日曜日で、街はとんでもないお祭り騒ぎだった。狂乱のパレードで女は踊りまくり、男はゆっくり走るトラックの上で演奏していた。

そしてナマハゲみたいな格好をした奴等が太い綱を地面に叩き付けて銃声にも似たドデカイ音を出す度、道を埋め尽くした観衆は雄叫びを上げていた。

何の風習かも文化かも知る訳もない驚異のアウェイガリヒョロ星人このワタシ、しかしこの場面は俺だって何かしら叫ぶ必要性があるだろう、

「イェイイェー!」。

ここまで来たら何としてもあの「滝のある場所」まで行く必要があった。

ずっと歩いていたらパレードも途切れ、人気もどんどん少なく、怪し気になってきた。

いつまで経ってもその場所へは辿り着けそうになかったし、まずその滝が何処にあるのかさえ知らんままに歩いていた。

もう諦めようとした矢先、ようやくちゃんと地図を見てみたら信じ難いほどの逆方向を歩いていた。無駄な事は何一つないと別の道を歩きながら引き返した。

パレードの賑わいがまた蘇り、安心し、更に歩いてようやく辿り着いてみたら、その滝はパターソン駅からたかだか10分程度のところにあった。

映画を観た直後の今、あのスクリーンの中にあった風景が目の前にある。それって心底ロマン溢れる風景だと思う。

それは「パーマネントバケーション」の風景を生で見た時も感じたし、「ストレンジャーザンパラダイス」の風景を見た時にも感じた。「ミステリートレイン」なんてダイレクトに感じ過ぎて痙攣を起こしそうだった。

違いがあるとすれば俺は一人だったって事くらいだ。

さて、俺は今、ジムジャームッシュにお会いしたいな、なんて思っているところ。

 


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