July 2009

July 31, 2009

センチメンタリズムのリズム感

先日命を落とした、かの有名な女性ロッカー&DJの追悼番組を観る。

先日命を落とした、かの有名なロックンロールバンドのギタリストを偲んで、そのバンドのボーカリストだった男がフジロックのステージにて、「今日のライヴを大親友だったギタリストに捧げます」と叫んだ映像を観る。

それはとてもセンチメンタリズム溢れる映像で、俺はいつ、一体どんな死に方をするのかと、そんな事柄を毎日の様に考えている。変な死に方はしたくもない。「あいつは絶対に良い死に方せんで」などと思われる様な恥ずかしい行い、行動だけは避けたい。そう思わざるをえん様な気が狂ってしまった筋違いヘビーシック野郎を俺は数え切れん程にこの目で見てきた。それは見たくもない光景だったが、俺は残念ながら数え切れん程に見てきた。俺はただ自分の心に忠実でいたいだけのあん畜生。

本日、頭の上がらん仕事場のボスが俺に言った、

「平たくいえばお前は問題児だ」

ボスは笑っていたが俺はその倍、高らかに笑っていた。俺はやるべき事を今まで以上にやる為に金髪へと変貌した。俺が問題児なら世の中はもはや問題児だらけだろう。

俺は俺の限られた自由の中で死ぬまで生きたい。そんな訳で本日も激しく揺れ動いている。

ハイカラウイスキー「CUTTY SARK」は早くも空瓶、BGMはジーン・ヴィンセントからチェット・ベイカー、俺はヴィニール盤の燃えカスと共に天国行き。

俺がいつか死んだら、君にも貴様にも貴方にもお前にも合掌くらいはしてほしい次第。






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胸躍る行動と言動 ’09 vol.3

’09.7.30(木)

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行きつけの古着屋前では煙草を吹かす。突然舞い降りてきた歌詞と曲は、曲の長さとまったく同じ時間で七割五分完成、俺は俺に歓声を上げる。かれこれ何年間もずっとずっとこんな作業を繰り返している。そして今後も永遠にそれは続くだろう。

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夜は夜とて渋谷DUOにてフラワーカンパニーズ・アコースティックライヴを観賞。何年か振りの観賞。あの頃と何ら変わらず、変わる必要見い出せず、残念ながら俺は何でもかんでも観たいモノを観る事に決めとる。

ヒップな三連休は瞬く間に過ぎ去るが哀しむ事は何もない、生きてて良かったと強く思える三日間の体感者このワタシ、喜びと苦しみと楽しみを引き連れて日々を行く。

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こちらは先日、足を引きずりながら手に入れた天下のジーン・ヴィンセント、すなわちイカし過ぎのあん畜生。

下北沢二ヶ月連続企画は全出演者確定、後日まとめてどでかく大発表と相成るだろう。



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July 30, 2009

下北沢が俺の創作場なら

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街へ繰り出したその途端、突拍子もない程にクールな曲が突然頭に舞い降りてくる。

忘れん様にメモを取り、忘れん様に口ずさみ歩く。そんな訳でとっと部屋に帰らなくちゃ帰らなくちゃ。

夜は渋谷繰り出しフラワーカンパニーズ・アコースティック、8月11日は再び恵比寿、本日発見の「TOKYO NIGHT SHOW」チケットを慌てふためいて確保、こちらの出演バンド&メンバーは驚愕の素晴らしさ。

俺の心はすなわち、何から何まで激しく入り乱れ踊り狂っている。


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胸躍る行動と言動 ’09 vol.2

’09.7.29(水)

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代々木上原まで歩く。ほろ苦い思い出漂う街、大手町を経由して竹橋駅下車、「ゴーギャン展」鑑賞。美術館では時に絵画を眺めにきたのか、禿げ散らかしたありとあらゆるおっさんの頭を観にきたのかが曖昧になる事が多々ある。絵の観方が下手な輩(立つ位置)があまりに多い事実には毎回毎回閉口するが、今日は怒るのは止めといた方が良い。

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代々木上原から下北沢まで歩く。まるで旅先で美術館に出向いた後、一旦格安ホテルに戻る様なそんな心意気、果てしなくイカす。

レコードを回し、フライヤー用の写真撮影、葉巻を吹かし旅のおどけ者、イラストレーターを駆使して何かしらの作業、ギターを抱えてヒップな歌詞を探るが無理に絞り出すのは止めにし、19時台から渋谷繰り出しレコード漁り。

レコードを時速110Kmで漁るその途中、雪駄履きの俺の足にレコードが滑り落ちて激痛、まるで足の左親指が骨折した様な感覚を味わう。「これは洒落にならんがな」と足を引きずりながらもレコード漁りは続行、「これ骨折だったらいよいよ伝説やがな」感覚との共存、バットしかし、知らん間に足は正常、レコードは三枚手に入れるに至る。

そして渋谷の目的は革職人・片山勇ドキュメンタリー映画「イサム・カタヤマ=アルチザナル・ライフ」観賞。

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ジャンルなど断じてどうでも良く、この映画が上映される事を知った時、俺はこの人物の名前さえ知らんかったがそんな事もどうだって良い、俺は直ちに観に行く事を決めた。ギラついた目をした男の中の男、あまりにも真っ直ぐな男、俺は心の底から愛している。

直感はいつだって正しくこのドキュメンタリーはあまりにも素晴らしく、後二回は映画館で、そしてDVDでもじっくりと観返したい心意気。レイトショーの館内は目を疑う程にガラガラで嬉しいやら腹立たしいやら世の中への哀れみやら何やら、俺はまるでホームシアターの如き体勢でこの映画に食い入る様に釘付けとなる。

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俺は胸躍らせながら真っ赤に真っ赤に燃えている。だいたい立ち向かう事すら出来ん様なふざけた輩に何を言われ何を思われたところで金輪際ノープロブレム、俺は質の高い仲間を集めて、質の高い行動を起こす。俺は出来るだろう、俺はきっとやるだろう、そうそう、根拠がない訳でもない。陰でモノ言う自信の欠片もないヘビーシック野郎に今こそモデルガンを、そして俺は名前も顔も全てを曝け出して上から一言、「お前等には決して出来んのとちゃう?」。

名前も顔も自信も全てを隠さず、俺は俺に忠実に生きる。そして俺は幸せな事に最高の仲間を何人も知っとる。明日も旅は続く、ジャンルなどどうだって良く、括りなどどうだって良い。観るべきモノを俺は観る。それは全て俺だけのモノとなる。










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July 29, 2009

東京シティが俺の旅先なら

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べろんべろんに酔っ払って寝たのも束の間、8時23分にはくっきりと目覚め、朝の9時台から曲作りに着手する三連休二日目、まったくもってイカす。

午前中には部屋を飛び出し未開拓タウン竹橋へと降り立ち、国立近代美術館にて哀愁の「ゴーギャン展」鑑賞。

そして現在、竹橋駅構内にて堂々と発見する生き残り喫茶と呼んで何ら差し支えない「ニュー・トーキョー」駆け込み、並々ならぬ自らの場違い感も何のその、慣れん手つきでナイフ&フォーク、サーロインステーキをアイスコーヒーで流し込む。

ところで俺は幸せな事に、ナイフ&フォークを使いこなせる様な男になりたいと思った事など生まれてこの方一度もない。恥ずかしさなどそんなところには微塵もないあん畜生。

隣には家族連れが座り「禁煙席はないんですか?」などとほざいている。そんな訳で俺は今、煙草が吸えない。
               
そうそう、気疲れはいつだって身近に溢れ、俺はそいつを連れ回しながら旅を続ける。


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胸躍る行動と言動 ’09

’09.7.28(火)

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通帳繰越の為に駆け込んだ銀行での待ち時間に読み漁った「ともだちくるかな」なる絵本がとてもクールでイカす。

主人公、やさぐれオオカミの類い稀なるファッションセンス、寂しい気分は嫌だから心を一切合切取っ払ってくれと頼んだら嬉しい気分まで味わえなくなっちまったぜと悔しがるウィット富み過ぎ大人顔負けの物語内容、場所と待ち時間を忘れ、何度も何度も読み返したい衝動に駆られる。

レンタル屋では俺の中で再び火が点いた松田優作を借りまくり、ヒップを極める為の三連休ともなれば「葉巻でも手に入れたろか」状態と相成るのは至って正常な行動で、二本手に入れ、スジトロラーメンは両手を合わせて平らげる。

頭には散文が次から次へと溢れ出し制御不能、制御する必要なく恵比寿に向かえば前途の通り写真展を二つ一気に鑑賞し気分は御機嫌、俺は今、確かに教養溢れる旅の途中。

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恵比寿駅前歩きまくり、唯一発見の生き残り喫茶店「喫茶・銀座」では珍しくアイスココアにありつき気分は旅人、まるで遥か遠くからやって来たかの様。

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リキッドルーム辿り着き、ここに来るのはいつ以来になるのかなどと思いを馳せ、「ウィルコ・ジョンソンVSザ・ピーズ」観賞、一日で何日分もの気分の獲得者このワタシ、もはや怖いモノなど何もない。

ところでやっこさん、ギターをマシンガンと信じて疑ってないんだからまったくもってイカす。俺は撃たれて踊る、そう、やっこさんのギターで。

二バンド共に五、六年振りの観賞、以前観た時、確かに俺の頭に刻まれたベーシスト、ノーマン・ワット・ロイ。ロックンロールだかジャズだか知らんがイカすモンはイカす。やっこさんが紹介する、

「ベース!ノーマン・ワット・ロイ!!」

俺は終始笑顔で今日を生きる。バットしかし、ライヴを観ながら俺は思う、この場に「PLEASANT TAP」が出演しても何ら違和感などないだろう。お世辞でもおべっかでも何か御馳走してもらいたいが為に思う訳でもない、素直に思う。そもそもそんな気を遣う間柄でもない。そうそう、忘れちゃいかん、俺が出演しても何ら違和感などないだろう。お母さんが言ったぜ、「その自信はどこからくる?」、いつかまたハナを圧し折られたとしても俺は知っとる、全てはきっかけだ。男と、そして女と仲良くなる瞬間、それも些細なきっかけから全ては始まる。

恵比寿から渋谷まで歩く道中、純粋な目をした外国人がすれ違う瞬間、俺に声をかける、

「ヒ、モッテマスカ?」

俺はといえばかの有名なグッド・フィーリングライター取り出し男に火を提供、おまけにグッド・フィーリングまでをも提供、さぞかし美味い煙草を吹かしながら外国人は明治通りを我が物顔で歩いた事だろう。

そんな訳で三連休とは突拍子もない程に素晴らしい。いくら歩き疲れても明日も休日、ぶっ飛んだナスビ野郎に出くわしたとしても「今日は気分が良いさかい」、こちらで片付ける事もどうにか可能可能。

残念ながら俺は気分屋、絵空事だとしても死ぬまでこんな生活を続けたい。いつ死ぬかなんて分かったモンじゃない。毎日色んな人物が死んでいく、そう、何もかもやり残したままに。まるで毎日の様に若過ぎる死に驚きの声を上げている。

明日はゴーギャン展、そしてエトセトラ、俺に必要なのは旅、ウィット極める旅だけだ。そう、俺は今、誇らしい程に強い。

座右の銘「取られたモンは取り返すだけ」、俺は死ぬまで確実に生きるだけ。

化けの皮は剥がせない、剥がされる訳がない。そんなモン、初めから俺にはない。「CUTTY SARK」で人生と乾杯を。



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July 28, 2009

恵比寿が俺の遊び場なら

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ボンボン達の吹き溜まり「恵比寿ガーデンプレイス」なるハイカラ庭園を我が物顔で歩くごろつき人間このワタシ、そこでは二つの写真展を鑑賞するに至る。

夜は夜とて「ウィルコ・ジョンソンVSザ・ピーズ」ライヴ観賞、嫌な思いをしながら、それでいて笑いながら稼いだお金をポッケに詰め込み、全ての十六倍返しを企む三連休、ヒップな初日の出来事。

さぁ、ご多分に漏れず粋な喫茶店を探す旅へと繰り出そう。


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July 27, 2009

ヘリクツ人生でゴー

「一難去ってまた一難」、争い事は毎日絶え間ない。それは例えば仕事場にて突然発令される「金髪は禁止やで」の類い。

俺は黒髪で充分だ。何の問題もない。いつか頭を丸め込む事だってあるだろう。バットしかし、それは今じゃない。指図をされてするモンでもない。今の気分はそう、金髪ゴー・ア・ヘッド。

俺は気分を入れ替える為に、やるべき事を今まで以上にやる為に金髪へと変貌した。そしてその企みに見事成功した今、まさかそれを抑え込むとは何とも御法度、ナンセンス極まりない出来事。

「郷に入れば郷に従え」、都合良く愛し、都合良く憎い言葉。

「もう少し色を暗めにしなさい」、ノー、断固ノー、そうそう、中途半端はご多分に漏れず嫌いたい。

真面目な面して仕事の「し」の字も知らん頭の回転遅いドンクサ野郎と、柄が悪いながらもそこそこに真っ当なチンピラと呼ばれて久しい男、どちらを選ぶかと問われたならば紛れもなく後者、100人中123人がそう答えて然るべき事柄。

おー、かの有名な偉人の言葉が堂々とフラッシュバック、

二十年間無事故の無免許運転手と、半年間で事故三回のペーパードライバー、どちらの車に乗りたいかと問われたならば紛れもなく前者、100人中1238人がそう答えて然るべき事柄。

ヘリクツ、ヘリクツ、この世は狂乱のヘリクツ天国、到底間違っとるとは思えそうにもないヘリクツ、俺は愛している。法律だとかルールだとか、どういう意味だ、しょうもない。

帰り道、ポケットに手を突っ込んで、さも初期パンクを聴いとるかの如き素振りでふらつき歩きながら俺の耳に聴こえてくる音楽は加川良「愛をうたってみせるほど」、こんな名曲を染み込ませて実は涙を堪えて歩く男このワタシ、そこそこに優しい心意気の持主。

ところでそんな事柄よりも明日からの三連休、文明の利器「有休」を駆使しての三連休、俺の胸は近年稀にみる程の高鳴り具合。当初、仙台行きを目論んだがそちらは一先ず延期、東京都内の旅へと繰り出す。

スコットランド産ウイスキー「CUTTY SARK」は四杯目、下北沢二ヶ月連続特別企画第二弾は遂に本決まり、喜びをいつだって探してるわ、胸躍る事柄などそこいら中に溢れ、溢れてないなら自ら作り出せばそれで良い。全てはシンプル、座右の銘「簡単な事わざわざ難しくするべからず」、俺は今、誇らしい程に強い。

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P.S 今度は俳優・山田辰夫氏が逝ってしまった。あのイカした独自の佇まい、好きだった。そう、死だってそこいら中に溢れているという事実、やさぐれ男に永久の愛を。





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心配要らない ’09

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ウイスキーとコーラは汚ない手で適当にかき混ぜればオーケー、

新曲はマシンガンの如き言葉の羅列、

やっぱり俺には唄う事が必要不可欠と思い知るには充分過ぎる言葉の羅列、

協力を惜しまない男達にはMDこしらえて、

レコーディングに並々ならぬ思いを馳せ、

スナック感覚で録音可能とされるなんちゃらレコーダーに三度思いを馳せ、

盟友「十条フォークジャンボリー」との合同レコーディングにさえ思いを馳せ、

二ヶ月連続下北沢特別企画第二弾、ライヴバーは既に調整中、

ところでウイスキーコークは何杯目、愛すべきウイスキー「ティーチャーズ」はとっくに空瓶、

どうでも良いけど素晴らしい日々、ラウンドミッドナイトにこそ俺は生き生きとしている。

すなわち八倍返しの為に今日を生きる男このワタシ、

つまる話、アンタが思ってる様な男じゃないかも知れないぜ、

俺は予想以上にタフネス気取りが可能可能。

BGMはご多分に漏れずスペシャルズ、俺はその日、必ずや独自のダンスを踊る事になるだろう。




at 01:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)│ │散文 

July 26, 2009

ボヘミアン・ボヘミアン

’09.9.10(木)
高哲典特別企画
【ボヘミアン・ロマン】
アット 下北沢ロフト

詳細は8月1日(土)発表。俺はとにかく、どでかく演ろうと思っている。

昨日はほとんど部屋に閉じ篭り、かの有名な「イラストレーター」なる文明の利器を駆使してフライヤー製作に着手。

そこではボヘミアンの如きアーティスト達から届けられた粋な写真を元に、やれ「これ縦書きにするにはどうやんねん」然り、やれ「ここだけ太字にしたらクールちゃうんけ!」然り、やれ「この色もうちょっと濃く出来んのか?」然り、四六時中呟き続ける。

夜は夜とて半年振り位に再会の江崎掌氏とさよなら食堂、男達に会いにスナックファッションにて渋谷ガビガビへと初めて足を踏み込む。

そこは俺の部屋にあるレコード、DVD、フライヤー、愛すべきウイスキーなどが数多く飾られ、すなわち「これ俺の部屋とだいぶ被ってもうとるんちゃうんけ」感覚と相成り、洗面所にて一人大いに苦笑うに至る。

男達と話し合い、「ほなそろそろ帰るわ」から更に小一時間話し合い、握手をこれでもかと繰り返し、ライヴを演り散らかしたい衝動、レコーディングしたい衝動、メンフィスまでスナックファッションで繰り出したい衝動、すなわちありとあらゆる衝動に駆られながら夜を過ごす。

BGMはスペシャルズ、明日を乗り切れば俺は十日間で五本のライヴ観賞&美術館の旅に出る。時には相棒と、時には一人の気ままな旅に出る。そう、俺の平和は俺が決める。そうそう、勘違いなどいくらでもされながら、それでいて迷惑はかけずにだ。そしてやるべき事はいつだって入り乱れている。

ところで俺は俺とてブチ切れた新曲に着手、ノートブックへと頭から溢れ出す詩を書き殴る。そうそう、ウイスキーコークを煽りながら。

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July 24, 2009

【マシンガン・エチケット】

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1996年11月、イカした名前と風貌の、粋で悪そうなバンドのLPを手に入れた。タイトルは「Is this High Time?」で、曲さえ知らんバンドのLPになけなしの三千円を注ぎ込むにはなかなかの勇気が必要だった。俺はその時15歳だったが、レジに駆け込むその時の気持ちは今も鮮明に憶えている。

初めて聴いた時、15歳のペーペーな俺は曲と歌詞の格好良さがイマイチ理解出来てはなかった。


バットしかし、新譜が出る度に聴き続け、いつの間にかのめり込み、いつの間にかど真ん中のロックンロールとなった。「Is this High Time?」を聴き直して絶叫し、踊り狂い、仕事の休憩時間にはこのバンドの辞書みたいに分厚い本を読み漁り、ルースターズに辿り着き、ドクター・フィールグッドに辿り着き、そしてモッズ・ムーブメントにも辿り着いた。俺はルーツを探るのが好きだった。

1999年、横浜アリーナスタンディングライヴの映像を観た時、俺は確かに興奮し、唯一無二の存在として全てを蹴散らし好き放題演っている様に見えるやさぐれ感満点のこのバンドをもはや敬愛していた。

2000年3月、岡山のライヴハウスにて初めてこのバンドを生で観た。その場はとんでもない事になっており、俺は気付けば13回もダイヴを繰り返していた。傍には女がおり、「飛んで行くのがよく見えたよ」と、「本当に好きなんだね」と笑っていた。

東京に出てきてからは数え切れん程にライヴを観た。ある時はダイヴをして黒人に引っ張り上げられ、ある時は関係者入口からお澄まし顔で忍び込んでライヴを観賞した。

2003年9月、解散が発表された事を人づてに聞いた時、俺はこの目で確かめるまで信じる訳もなく、直ちにマンガ喫茶に駆け込んだ。そこで事実を確認した。傍には女がおり、「おいおい」と、「あー」とボヤキながら家路についた。

そんなバンドの偉大なるギタリストが突然死んだ。信じられん事実がここにも一つ。

ある時、女が言った、

「当時ルースターズを生で観た人達の事を私達が羨ましがる様に、このバンドを生で観た事があるといえばきっと子ども達は羨ましがるだろうね」

ただ観た事を自慢するより自分がやった事を自慢出来る人間でありたいが、確かにこの言葉には一理ある。

永遠に再結成は消えた、耳をつんざく鬼の形相携えたギタリストは突然逝ってしまった。きっとこの死で、色んな人達が俺の事を思い出したりしたんじゃないかと勝手に考えたりしている。俺も色んな事を思い出し、そして呆然としている。

俺が今死んだら一体どうなるか。ニュースになどなる訳もなく、作品が残る訳でもなく、葬られて終わりだ。誰かは泣いてくれ、誰かには笑われ、二つに一つで終わりだ。

あっけない終わりはもう充分、俺は真っ赤に燃えている。

まだ見た事のない風景を全部焼きつけて俺は死ぬ
感じた事のない感情を使い果たして俺は死ぬ


気持ち良い事をやりまくり、気持ち良いロックを聴きながら眠ろう。


at 22:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)│ │短編 

July 23, 2009

ブギウギ男でゴー

男たるもの、いつ飛びかかるか分からん程の危険さがほしい。

男たるもの、全てをなぎ倒す程の強さがほしい。

男たるもの、それでいて常に道を尋ねられる様な雰囲気も同時に持ち合わせたい。

男たるもの、誠意ある人物にはその八倍、誠意ある態度で接したい。

上辺だけの仲間、中途半端な優しさ、無責任な発言、金輪際ノープロブレム事項。

悪そうな男達、心優しい男達。

「男たるもの」ってハウトゥー本あるか?

あるなら一冊くれよ、バットしかし、一ページも捲らずゴミ箱行き。

化けの皮は剥がせない、剥がされる訳がない。そんなモン、初めから俺にはない。

背伸びをしてまで気取り続ける事に一体何の意味があるのか。

確信を確実に確保しろ。

電車の中、ルート・スゥイートホーム、俺の耳には素晴らしい音楽が溢れてくる。

CCRからジョージー・フェイム、ゾンビーズから細野晴臣、リトル・フィートからめんたんぴん、小島麻由美からジーン・ヴィンセント、ジミ・ヘンドリックスからマンフレッド・マン、トム・ウェイツからサニーディ・サービス、

そこで俺はとてもウキウキとしている。

偽者が図に乗る光景、それはもはや殺意に最も近い光景。

化けの皮を剥がされる事だけを心配して日々を過ごすペラペラフリーペーパー野郎を心底軽蔑している様に、犬にさも高そうな服を着せて我が物顔で歩くパープリンガールズには閉口している。

そうそう、何もかも勝手にやれば良いんだろう。

好き嫌いはいつだってはっきりさせた方が良い。

俺は時に人間を気持ち悪い程に愛し、そして時に大いに憎んでいる。

ある人にとってはただのクズ、ある人にとっては男。

俺は行くぜ、質の高い出会いに乾杯を。


at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)│ │散文 

July 22, 2009

大逆転劇で獲得する本物のロマン

男達と笑い合っている。

女達と笑い合っている。

申し分ない、申し分ない。

充分な幸せを、質の高い幸せを。

陰で何を言われようと言われまいと、

陰で何をやられようとやられまいと、

どうでも良いぜそんな事柄。

俺は自由で、俺が自由だ。

拳を突き上げて華麗なる八倍返しの旅、

ワンランク上のギャンブルに興じてみるのも良い。

スナック感覚を愛している、

質の高いスナック感覚を。

金髪も捨てたモンじゃない。

そうそう、こんな季節もあって良い。


誰に何を言われようと言われまいと良い、今はこれで良い。

俺は新品で、俺が新品だ。

バットしかし、遅刻は禁物、

「あの金髪野郎、また遅刻か!」

これは恥ずかしい、モスト恥ずかしい。

ハードルを勝手に二段程上げて、俺はやるべき事を必要以上にやらんといかんのだ。

追い込まれ追い込まれた後の土壇場大逆転劇、愛している。

狂おしく愛している。

これすなわち、夏の甲子園にて頻繁に見られる光景。

おー、武者震いは止まらない。


P.S 

幸せな気分で帰宅後、アベフトシ氏の訃報に驚愕。

俺は確かにご多分に漏れず、いつか再結成を望んでいた男の一人だろう。

夢は絶たれ、何が起こるか分かったモンじゃない感は倍増。

日々は続く、ライフゴーズオン、はたまたオンザロード。

ロックを聴いて眠ろう。





at 23:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)│ │日々 

ハートブレイクタウン高円寺に捧げた八倍返しの夜

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’09.7.21(火)
ライヴ アット 高円寺楽や
w/さよなら食堂/ハヤトン/佐々木貴元


1.自作自演屋(スローアップ)
2.ルート・スゥイートホームにて
3.ウイスキーとトランクを道連れに(仮)
4.きっとまた、いつかまた
5.夢の暮らし
6.愛すべき日々


素晴らしい夜の獲得者このワタシ、興奮して眠れずに夜を明かしてる男はとても健康なモンだと信じて疑わない。

五ヶ月振りの高円寺楽や、リハーサルを終えれば盟友「さよなら食堂」と全品105円の回転寿司を15皿平らげ気分は御機嫌、俺の出番は最後の最後で武者震い具合を徐々に確実に高みまで持ち上げる。

五月の池袋にてたまたま俺のライヴを観た女の子が突然現れて気分は最高潮、この感じ、すなわち「あいつ今日高円寺でライヴか。観に行っちゃおっかなー」感覚、勝手に調べて勝手に遠くからわざわざ足を運んでくれる女の子、気持ち悪い位に愛して何ら差し支えなどないだろう。とにかく心底嬉しい気分を味わった。

こんな関係がもっともっと広がれば良い、そして俺はその可能性を存分に秘めていると信じて疑わない。

そこでヘタなライヴをする事など俺のポリシーに最も反する行為、ご多分に漏れず高らかに唄う。

見ず知らずの男達から歓声が上がったり、予期せぬ手拍子だったり、とにかくこんな夜を確かに獲得出来る限り、俺はどこまでも突き抜ける事が可能可能。

息もきれぎれの終演直後、出演者の一人からお父さんが先日亡くなった事を聞いた。

唄は響き、唄は繋がり、気付けば俺達は泣きながら、そして笑いながら抱き合っていた。

素晴らしい夜の獲得者このワタシ、八倍返しで日々は続く。


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’09.9.10(木)
高哲典企画
「タイトル未定」
アット 下北沢ロフト


二ヶ月連続下北沢企画第一弾、狂乱の十六倍返しで俺は企む。そう、企み続けろ。

「ざまあみろ」と気に入らん輩に吐き続ける為に、誰に何と言われても俺はやるべき事をやるだろう。

まずは以前、こちらにどうしようもないコメントを書き込んできた目も当てられん輩共に一言、「ざまあみろ」。

俺は逃げも隠れもしてない、逃げて隠れて生活するのはどんな気分だい?

ボブ・ディランの言葉を借りるなら「ハウ・ダズ・フィール?」。

少なくとも幸せとは呼べんだろう。それで幸せなら勘違いにして筋違いの小さい幸せ集めて人には迷惑かけずに過ごせよ、このノータリン椎茸野郎。

文句があるならかかってこい、陰でモノ言う「悪趣味選手権」代表選手。


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July 20, 2009

イラストレイト・マスターズ

昨晩、子どもを寝かしつけた後にパジャマ姿で俺の部屋を訪れたのはかの有名な竜也今村兄貴、そんな時、俺は風呂上がりで顔にはニベアがたっぷりと塗りたくられご多分に漏れずタンクトップ姿、まぁまぁ入りなはれと近所付き合い最高峰、ハイカラ・ウイスキーコーク嗜みながら暑いだのいやー暑いだのやれ暑いだの三拍子でヌカしながら文明の利器「イラストレーター」講習、そこではほろ酔い気分で「ほぉーおーへぇー」の連呼、時代は確かにとんでもない事になっとる事を実感するに至る。

こんなの俺みたいなモンに使いこなせる訳ないがなと多少は使いこなせたら便利やがなと座右の銘「簡単な事わざわざ難しくするべからず」の共存、バットしかし知っとくに越した事もなく、忘れん内に昨晩の講習を探り探りに思い出し適当なモノを作成、この「適当」な作業を繰り返す内にそれは自然と身に付いてくるであろうという事実、こう見えて物事の飲み込みは断じて遅い方ではないんやで、愛すべき諺は「門前の小僧、習わぬ経を読む」、唱え続けて十年強、背中を押していただいたその後は自らのセンスと持ち前のやってまえ精神ひっさげてヒップなフライヤー製作へと乗り出そう。デジタル社会とは何とも皮肉なモンだ。


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こちらは写真も文字もあくまで練習用だが、俺にはどうやら「折角なら何色も使ってやるぜ」癖がある。

これはきっと貧乏性からくるモノだろう。

あの娘が言ったぜ、

「また若返ったね」

俺は何歳だ、年を増す毎に若返りたい様な若返りたくない様な。どうでも良いけど日々は続く。



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July 19, 2009

ハッピー・ソングを紡ぐ時

暑い、蒸し暑い。昼は良い、裸で汗を垂れ流せば良い。問題は真夜中、すなわちラウンドミッドナイト、近頃は毎晩、エアコンなるハイカラ機器を最低十分間は起動させたい衝動に駆られる。十分あれば全ては事足りる。そんなに広々とした部屋じゃない。むしろ狭い、あまりにも狭い。そう、レコードのせいだ、後悔などない。十分間で充分涼しくなる。そして俺は元来、エアコンの風が好きじゃない。エアコンがある部屋に住んどる事自体、俺には奇跡だ。バットしかし、十分あれば事足りるものの、外にある通称「室外機」なるものがあまりにもやかましく俺の気を滅入らせる。今度はその音が気になって仕方なく、俺だけなら音がやかましい事など何の問題もないが、真夜中三時にあの音は近所迷惑が極まりない。気疲れは年中無休だ。

そんな訳で今夜もベタベタナイト、この感じ、夏が来た。得意の我が物顔を携えてだ。

ところでスペシャルズがやって来る。サマーソニックにやって来る事は当分前から知られていたが、俺は必ずどこかで単発公演を演らかすだろうと踏んでいた。

先日、サマーソニックのフライヤーを適当に捲った際、それは判明した。ボブ・ディラン、トム・ウェイツなどと同様、「来日したら必ず行くべし」リストに掲げて久しいスペシャルズがやって来る。

好きな事にのみお金を費やす感覚、愛している。

それは俺にとっては、時計を何個も持つ事でも似た様な靴を何足も手に入れる事でもお姉ちゃんを何人も口説く事でもない。

そんな、お金があれば誰にでも出来る事柄、ポイ捨てでオーケー。心の財産に更なる潤いを。

ある人にとって俺はどうしようもないクズ、ある人にとってはグッド・フィーリング。

俺は十日間で五本ものヒップなライヴを観賞する事になるだろう。

あの頃よりも、あの頃よりも、俺は今を本気で生きている。

少なくとも俺の周りの男達はどいつもこいつも本気だ、余所見などしたら直ぐに俺の周りから離れて行くだろう。

例えば「あの娘あんな服買ってたから私も買わなくちゃ」、こんな競い合いになど微塵も興味がない。

俺達はもっと別のレベルで闘い合いたい。それはお互いをもっと高みにもって行けるだろう。稼いだモン勝ちの理論になど一生用がない。

レコード屋ではバッファロー・スプリング・フィールド往年の名曲「So What It’s Worth」の誰かのカバー・バージョンが聴こえてくる。

久方振りに聴いて胸は躍り、BGMはバッファロー・スプリング・フィールド。

そして俺の頭の中には今、詩という詩が山程溢れている。

きっと近々、知らん間に曲として上がってくるだろう。

室外機の唄だとかお姉ちゃんの唄だとかレコードにまつわる物語だとか金髪だとか、それは何でも良く、物語などそこいら中に溢れている。俺は見逃さない。



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勝手にしやがれ ’09

気分転換の最も身近な方法手段、金髪・ゴー・ア・ヘッド。

猿、ライオン、軟派なイメージ、チャラチャラした若人、チンピラ、

色々あるか知らんがそんなモンは何でも良い、金髪・ゴー・ア・ヘッド。

やるかやらんか二つに一つ、ご多分に漏れず中途半端は嫌いたい。

どうせならもっと黄色に近い色にしてやりたかったがそうは簡単に問屋が卸さない。

バットしかし、何度かこんな気分転換の方法手段を企んだ事はあったが、ここまで染まったのは初めてだ。

ヘアーキャップを被って、ただただ煙草を吹かしてじっと待ち、たまに染まり具合を確認しとる時、俺は裸で、「おっ、おー!」を繰り返していた。

その瞬間、確かに邪念という邪念は取り払われていた。

俺は何かの力を借りながら邪念という邪念を取り払う事に成功したのだ。

どうでも良い、望んでも望まんでも黒髪はまた生えてくるだろう。

そして中身は変わらず、体はヒョロヒョロモヤシボーイ。

すなわち、こんな季節があっても良いという事だ。

ところで、「何で東京に来たの?」という問いに「ただ何となく」と平然と答える事の出来る輩が後を絶たん事実には閉口している。

ただ何となく東京に来て、自分の言葉を恥ずかしげもなく失い、ありもせん「標準」に胸を張って合わせられる輩に一体どんな未来があるというのか。

おっと、赤の他人の心配などどうでも良い、俺は俺の事だけを考えよう。

「あの訳の分からん奴、なかなかやるがな」

これこそ理想、金髪・ゴー・ア・ヘッド。

「世界ドンクサ選手権」、こちらは毎度毎度の一回戦予選落ちで充分。

猿、ライオン、軟派なイメージ、チャラチャラした若人、チンピラ、

ハードルを勝手に二段程上げて、俺はやるべき事を今まで以上、必要以上にやってやるぜ。

さぁ、「何で金髪にしたの?」、この問いには胸を張って答えよう、

「ただ何となく」。

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630円GRAND FUNK、聴こう。パルプ・フィクションを観ながらいやらしい事を考えたって今夜はオーケー。


P.S 

降って沸いた様な話、

’09.9.10(木)
ライヴ アット 下北沢ロフト


一年振りの愛すべき下北沢ロフトで何かを企む。そう、企み続けろ。




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July 18, 2009

金髪で会いましょう ’09

仕事を休んだ。

何ヶ月振りかに俺は仕事を休んでしまった。

この埋め合わせは必ずどこかで。

そして仕事を休んで俺は一体何をした?

答えは金髪、思いつき、いてまえ精神、スナック感覚極めた金髪モンキービジネス。

本日、こんな行動に出るとは昨日の時点では微塵も想像出来ずにいた男このワタシ、

偉大なるスナック感覚は時に抑制さえ効かん程のモノを言う。

イメージとは異なる仕上がり、バットしかしそんな事柄ノープロブレム、

成功か失敗か、バットしかしそんな事柄金輪際ノープロブレム、

説明書に忠実に従おうともしてみたが、やっぱりそんな事柄ノープロブレム、

掻き毟る勢いで金髪・ゴー・ア・ヘッド。

そんな時、BGMは今村竜也とウエタケユキオ、静かに、それでいて激しく燃えている男達に愛を。

後悔などない、何にしてもやって後悔するか、やらずに後悔するか、答えは明確。

以前から頭の中にあったモノを一つ、俺はスナック感覚の力を借りて行動に移した。

それはとても自由な発想で
それはとても自由で溢れてて


そう、それはとても気持ちが良く、スカッとする行動だと言える。

後悔などない、振り返らない、そう、東京にて前しか見ない。

君も貴様もお前も貴方も彼も彼女もあちら様もこちら様も、

次に会う時、俺は金髪、猿と呼んでくれて一向に構わない。

こんな季節があっても良い、俺は生きている。

燃える2009年7月18日(土)、俺は忘れない。

好きで生きていたい、俺の平和は俺が決める。







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ピエロ・フォー・ユー&ミー

ピエロ、

どいつもこいつもピエロ、

そしてピエロ人間このワタシ。

肝心なのはそれに気付いた上で踊っているのか、それに気付かんままに踊らされているのか。

この違いはあまりにも大きいだろう。

問題ない、俺の頭の中には裏の裏の裏辺りまでの思考は常につきまとっている。

経験を積み重ねて思考は更にややこしくなってくる。

踊らされている様で自らの足で踊り、自らの足で踊っている様で時に踊らされてしまう事もあるかも知らん。

勘違いなどいつだってされてきた。

ある事ない事囃し立てられ噂だけは広がり解決策はゼロ、固定観念植え付けられ、そちらを信じて話も出来ずに勝手な幕を下ろし、ジ・エンド。

最も憎いやり口、一体俺の何が理解出来ていたのか。寂しくはない、悔しい、悔しいだけだ。

言葉は何の為にある?俺はただただ唄うだけ。

旅に飽きたら仕事仕事 お金を貯めて新しい場所へ

仕事場では一人難しい顔をして 友達も出来ずにやり過ごすけれど
本当の俺を誰も知らない それでもええよ 無理はしないよ

新しい場所は何処が良いかな ハーモニカ吹いて流れていく


ところでアイルランド産ラヴストーリー「ダブリンの街角で」、こちらが実に素晴らしい。

いや、ラヴストーリー、そんな平べったい類いではない。男と音楽の関係性を説く教養溢れる物語。

真っ正面から影響を受けて、いっそダブリンまで飛んでやろうか。

この映画を五ヶ月前のファッキン極めた俺に捧げたい。

誰かが俺を冷やかしたぜ、

「そんな風貌しといて気を遣い過ぎだぜ」

オーケー、オールオーケー、親切な人達に気疲れ、デリカシーの欠片もない輩に気疲れ、

神経質が服着て歩く男このワタシ、気疲れを連れ回しながら行くぜ。

先日、「今村竜也とウエタケユキオ」ワンマンライヴを観賞。最前列にて観賞。

計算されたかの如き力の抜き具合、力を抜いているかの様でまるで抜いてない感覚、弦を切る危うさなどとは無縁のステージ、

すなわち全く違う者同士でいながら似た者同士でさえある関係性、イカす。

そんな訳でBGMは今村竜也とウエタケユキオ、

外で、そして夜行バスの中で風景を眺めながらじっくりと聴きたい音楽。










at 12:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)│ │散文 

July 16, 2009

ヒール部分だけ黒と白のボーダー仕立てのモダン極めたハイヒールを履いた女

ヒール部分だけ黒と白のボーダー仕立てのモダン極めたハイヒールを履いた女、

履きこなした女、

決して履かされている訳ではなく、

あくまで履きこなした女、

センス溢れる女、

突っ撥ねた歩き方、

突っ張った態度、

他を寄せ付けない雰囲気、

強く惹かれている。

過ちなど何度でも繰り返せば良い。

俺は確信的な自信を得る為に、やるべき事をやるだろう。

偉そうな事をヌカすその前に、やるべき事をやるだろう。

ほら、罵り合っても笑い合う事だって出来るぜ。

その笑いは上辺ではなくなかなかに奥が深いモンだろう。

偽者なんて笑い方一つで見分けがつくぜ。

ヒール部分だけ黒と白のボーダー仕立てのモダン極めたハイヒールを履いた女、

履きこなした女、

輝いた目をした女、

分かる、判るぜ、解りたいぜ。

格好と態度だけ一丁前で中身ゼロ、

お金はあっても中身ゼロ、

ウィリアム・バロウズの言葉を拝借するなら「オール筋肉脳味噌ゼロの類い」、

すなわちウィット知り尽くした名言。


要はないのさ

要は中身さ

要はないのさ


17歳の頃の曲がフラッシュバック。

さぁ、今こそアイルランド産ラヴストーリー映画を観ようじゃないか。

さぁ、寝台列車で遠くの町まで旅に出ようじゃないか。

さぁ、一目で分かる「差」を拡げてやろうじゃないか。

暑い、熱い、厚いぜ。

おっとっと、メンチカツにはオタフクお好みソースをつけて頂きます。

度肝って抜く為にあるんだろ?

さぁ、度肝を抜く旅に出ようじゃないか。

腕時計は一時間進めてある、そう、ちょっと得した気分を味わう為だ。

頭を捻って何とか日々は続く、

ライフ・ゴーズ・オン、はたまたオン・ザ・ロード。








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July 15, 2009

ライク・ア・ローリング・ストーンでゴー

腐りきった馬鹿共が 俺の前をウロウロとしてんだ
面倒だ 馬鹿は相手にしないのさ


こんなサビの曲を丁度10年位前に唄った事を思い出す。今だって時に口をついて出てくるが、サビ以外はほとんど忘れた。あれから10年近くも経ったんか、思う。俺は10年前、吠えながら叫んでいた。そして今も変わってないだろう。俺も頭は悪いか知らん。バットしかし、馬鹿は馬鹿でも馬鹿の質は明らかに違うだろう。

例えばこちとらが電車を降りる前に乗り込んでくる老若男女、すなわち「あの人も乗り込んでるから私も乗り込んじゃおう」精神の持主、詰まる話、後を絶たぬ永久の八番煎じ椎茸ボーイズ&ワイフ達。改札口の目の前まで辿り着いてようやく初めて切符を探し出すナスビガール、銀行にて長蛇の列があるに関わらず、財布に丁寧にお金をしまってからその場を立ち去る「世界ドンクサ選手権」殿堂入り選手達。

どんな風に育てられたらあの様に仕上がるのか、どんな仲間が周りにはいるのか、もう良い、「相手にしないのさ」と唄ってみたところで結局ハラワタは煮え繰り返り続ける、よし、疲れと呆れを通り越して背負い投げして差し上げよう。そんな事したら俺は逮捕されるのか?「私、気が狂った人に突然背負い投げされました!!」、訴えられるのか?法律ってどういう意味だ、しょうもない。俺はいつの間にか、舌打ちと溜息が天下一品になった。かれこれ八万回以上はこのリズムを刻み続けとるんじゃないか。

先日、たまたまローカルニュースを見た、それは文字だけのニュースだった。そこには堂々とこうあったぜ、

「少女が○○駅前で40歳前後の男に声をかけられました。男の風貌は帽子に黒いTシャツです」

これだけ書いてあった。もう一回書こう、これだけだ。

ちょっと待ったらんかいジャスタモメンプリーズ!!

俺はブラウン管を何度も見返した後、大笑いするに至る。おっさん何したんや?40歳前後のおっさん、何て声掛けたんや?ブラウン管に叫ぶ、笑いながら叫ぶ。頼む、100円出す、教えてくれないか、教えてくれないか。

これがボケならセンスは抜群、バットしかし、あちら様はどうやら本気だ。立派なニュースに仕立て上げる。

どうした、一体何が起こっとる?追放しろ追放しろ、どいつもこいつも追放してしまえ。

おっと、こんな事を書くつもりなど微塵もなかった。俺はご多分に漏れずヒートアップしてしまった様だ。


その辺りの詳細は、胸を張ってお奨めする「ドツイテマワリタイ人達」シリーズを参考にしよう。

http://eroom5sessions.blog.drecom.jp/category_15/

ところで先日、

’09.7.14(火)
ライヴ アット 池袋トライ
w/松島英生/十条フォークジャンボリー/Loach/竹内英輔/川田福志/スズキタクヤ


1.自作自演屋(スローアップ)
2.ルート・スゥイートホームにて
3.アウトロー・バカヤロー
4.自由
5.マリーと暮らす
6.きっとまた、いつかまた(仮)


一ヶ月振り、おいおいどうした、足が震えたりなんかしたりする。三弦吹き飛び、再び三弦弾け飛び、バットしかし、あの感じ、断じて嫌いではない。

音楽家二人がそれぞれ、俺が持ち合わせてなかった三弦をプレゼントしてくれて救われた。おっと、そういやお金払ってないけど許してくれないか、許してくれないか、ありがとう、ありがとう、何度でも言おう。

弦を張り替える間に繋ぐ話なんか多分腐る程にあるし、あの5月3日の「事件」以降、「関係ないがな」精神は確かに増しただろう。無論、「まだまだやで」と思う事など多々あれど、逃げる様な言い訳だとか真似だけはしたくもない。ライヴはスカッとするモノだった。

さぁ、梅雨の季節は知らん間に過ぎ去り夏は到来。ボーリング、ビリヤード、甲子園、ロックンロール、旅、エトセトラ、エトセトラ。早7月も中旬とは到底理解し難いがそれは紛れもない事実だ。ハローお母ちゃん、とにかく誕生日おめでとう。

話が通じる女の子が傍におれば気分は穏やか、やさぐれた正常な男が傍におればそれもまた良し、どうせ似た者同士が寄り添う仕組みだろう。夏は新たな旅の季節、まだまだやれるだろう。

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ヒップとウィット満点の愛すべき「BRUTUS」最新号、この写真を見ただけで気分は御機嫌、そしてウイスキーボトル。今の俺は楽しく嗜む事が可能可能。

さっさとレコーディングしようぜ。日々は続く。







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July 13, 2009

エネルギーと情熱と愛の論文

誰かが言ったぜ、

「そのエネルギーと情熱をもっと他に向けろ」

そして俺は残念ながらエネルギーの使い分け方、調整方法など微塵も知らんあん畜生。

「疲れるよ?」、生きとるさかい。

見て見ぬ振り出来ず、素通り出来ず、楽出来ず、出会い頭の衝突事故。

「エネルギーと情熱の使い分け方」ってハウトゥー本あるか?

あるなら一冊くれよ、バットしかし、一ページも捲らずゴミ箱行き。

俺はいつだって本気だ、そう、「探偵物語」を観返すその瞬間もだ。

エネルギーと情熱にのみ突き動かされる人達を愛している。

さぁ、今こそ大竹伸朗「全景」を読み耽ろう。

ある人にはただのゴミ、ある人にはかけがえのない宝物。

いつも何かに怒ってるマリーに 何処か安らげる場所でも提供してやろうとしたけれど
「ほっといてよ、私から怒りを取ったら私じゃなくなるわ、それも事実よ」

怒りを奪い取られるのが怖くて無理に怒りたがるノータリンでもない、怒りは頭を通す前に常に満ち溢れている。

誰に影響された訳でもない、そんなモンはすぐに化けの皮が剥がされるだろう。

おっと一つ、エネルギーと情熱、イメージの理想、それはいつだって高校球児。

良いか悪いか知らんがこんな風に仕上がった。

いや、仕上がってはない、まだまだ足りてない。

人間としては正しく、仕事としては足りてない部分だってあるだろう。

俺が全て正しいなんて微塵も思ってない。

「偉そうにしやがって」、自分で思う事もある。

思い出したくもないトラウマ映画なんて腐る程にある。

誰だってそうだろう、誰だってそうだ。

丸々とした人は好かれるのか。平穏な日々を過ごし上辺だけの平和を手に入れる事が出来るのか。

ならば俺はボロボロで、とことん嫌われてやろう。見ず知らずの輩に嫌われて一体どんなデメリットがある?

バットしかし、迷惑はかけるな、そんなバランスだけはキープしながら俺の平和は俺が決める。

ある人には揉め事好きのキチガイ、ある人には表現者。

未来はあまりにも明るい、なのに寂しい淋しい。

さぁ、スピッツ往年の名曲「トンガリ’95」を今こそ永遠のリピートしよう。


ところでそんな戯言より明日は久方振りのライヴだ、


’09.7.14(火)
ライヴ アット 池袋トライ
w/松島英生/十条フォークジャンボリー/Loach/竹内英輔/川田福志/スズキタクヤ



俺はご多分に漏れず、俺の中にあるエネルギーと情熱を注ぎ込むだろう。

おー、嬉しい瞬間、おー、このメンツ、武者震い。

大晦日のカウントダウンライヴで言ったよな、

「来年は俺の年にしてやるぜ」

エネルギーと情熱、そして愛は捨てるなよ。









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狂乱のナンヤソレ天国

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この世はナンヤソレ天国、狂乱のナンヤソレ天国。

モラルの「モ」の字も弁えず、いや、その意味さえ知らんままに年を取り過ぎた老いぼれで溢れている。

そしてその老いぼれが子どもを残し、その精神をまんまと受け継いでいく。街を歩くカップルを見渡すだけでもそれは一目で分かる。似た者同士が寄り添っている。風貌然り喋り方然り。教養溢れる関係を俺はお前と築きたい。

俺は人間が怖い。ゴキブリよりも怖い。今までも散々、人間とは呼びたくない人間を眺めてきた。

当たり前の事の筈なのに、モラル溢れる人物に出くわすと嬉しくて涙が溢れそうになる。当たり前の事の筈なのにだ。その時点で全ては狂っている。

モラルの「モ」の字も弁えず、いや、その意味さえ知らんままに年を取り過ぎた老いぼれに出くわすと、また別の意味で涙が溢れそうになる。そして頭を通す前に手が出そうになる。

ところがどっこいすっとこどっこい、辞めれば良いのに辞めもせず、そうして稼いだお金でレコードを手に入れ、東京暮らしを続け、旅に出ようと企む俺に、害のない人にまで一見喧嘩を売る様な態度でうろつき続ける俺にモラルなどあるだろうか。

どちらにしてもケジメと感謝する事だけは忘れたくない。俺は怒りたがりな年頃でも、ただただ怒りたい訳でもない。そう、何でもない。怒らずに済むならそれに越した事はない。ただ「ナンヤソレ」があまりにも溢れ、俺を狂わせる。誰かが言ったぜ、

「意味のない事で怒るのはもう止めた」

現時点、とても出来た柄じゃない。俺は真っ赤に真っ赤に燃えている。

楽にすれば良いのか、俺は意地を張り過ぎているのか、全てを飲み込めばそれで済むのか。全てに従えばきっと簡単に事は運ぶだろう。バットしかし、その「簡単」程、難しい事はない。

全部出来た柄じゃない。そんな訳で日々は続く。

やる事成す事気に入らないから何にもしない
何にもしないの落ち着かないから動きは止めん

どいつもこいつも気に食わないから動きは止めん
動きを止めたら嫌われそうだぜ 動きは止めん

どうにかなるだろう どうにかしようぜって 
そんな気持ちがあるのなら
どうにかなるだろう どうにかしようぜって 
そんな気持ちがあるだけで


明後日はライヴだ。逆転した世の中に微塵の一石でも投じてやる思いで唄いたい。




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July 11, 2009

真っ赤に塗りやがれ

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もう怒りは、もう怒りは我慢しない事に決めた、決めたぜ。今までは、そうは言っても抑えてきた部分も多々あっただろう。バットしかし、もう良い、どうでも良い、年上も年下も仲が良いも仲が悪いも断固ノープロブレム、俺は真っ赤に真っ赤に燃えている。全てを蹴散らしてやろう。

人の迷惑省みずアヴェレージこそがハッピー平穏育ち偽者正常気取り、「世界ドンクサ選手権」次期メダル候補の吹き溜まり、俺はもう怒りを抑える事など金輪際止めた。

人に言われて初めて何かをしようとするひょっとこガール、何度言われても理解出来ず簡単な事で同じ過ちを繰り返す永遠の二番煎じならぬ永久の八番煎じ椎茸ボーイ。甘やかすのはそれくらいにしとけ、図に乗るだけだ。そう、偽者が図に乗る光景、それはもはや殺意に最も近い光景。腐った奴を正しい奴が引き裂いてやるのはいい事なんだろ、神様だってそうするはずさ、神様だってそうするはずさ。もう怒りは、もう怒りは我慢しない事に決めた、決めたぜ。煮え切らん温度差に俺は激しく揺れ動いている。

行く道、帰る道、俺の耳にはジャマイカン・ミュージック、すなわち魂のレベル・ミュージックが聴こえる。俺が初めて行こうと思った国はアメリカでもイギリスでも香港でもない、ジャマイカだった気がする。陽気と反抗がブレンドされた、そんな音楽に救われている。何年も前にレコードから一曲一曲をセレクトして録音したMDを聴いて胸を躍らせている。

ところで本日、意を決してレコード屋へと駆け込む。目当てはそう、それだ、ルースターズ奇跡の7インチレコードをご多分に漏れず俺だけのモノにさせて頂く為だ。バットしかし、昨日は確かにあった場所にそれは無く、何処を探しても無いモンは無い。

おー、俺はどうやらまたしてもやらかしてしまったのだ。座右の銘「発見した際は直ちに手に入れるべし」であるにも関わらずだ。

そんな訳でレコード屋では時に同じ過ちを繰り返す男このワタシ、とにかく「探偵物語」、はたまた「濱マイク」を観返す事とする。

旧式を愛している。それ、車然り、喫茶店然り、マッチ然り、カセットテープ然り、エトセトラ。


P.S バスの横転事故により夢とロマンをたっぷりと抱え込んだまま命を落としてしまった高校球児に両手を合わせて永遠のスポットライトを。




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July 10, 2009

俺と煙草とレコードと古着と街と町と俺の散文

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四年近くもこの街に住めば、自ずと休日の行動パターンなんて決まってくる。古着屋冷やかしレコード漁り、古着屋冷やかしレコード掘り出し、ボトルコーヒー手に入れ唐揚げ定食アイ・ラヴ・ユー。

一体後どれくらい、俺はこの街に住み続けるのか。まだまだ長く、残り後僅か、それは俺の気分とお金と命次第だろう。バットしかし、たとえ何処に住もうが俺はきっと、今までもそうしてきた様に同じ行動パターンを繰り返すだろう。

ルースターズ、奇跡の7インチレコードを二枚も発見し眩暈がしそうになる。値段は3150円で、「という事はこれを1500円かそこらで売った奴がおるのか」と考えると、やっぱり俺にその行動は到底理解出来そうにもない。生き方同様、ある人にとっては俺はどうしようもないクズで、人によって宝物とは異なるモノだ。その7インチを手に入れるのは抑えたが、俺は今も体がムズムズとしている。

ところで以前、俺の部屋に飾られたレコードは全て「煙草吹かしジャケット」だった。俺はそんな事には全く無意識で、ただただ格好良いジャケットを飾っていた。当分経って誰かに言われて初めて気付いた、

「全部煙草だね」

「おっ?おー!!ほんまやないか!」


あれには随分と驚いた。俺は無意識の内に煙草を愛していた。

そんな訳で俺がCDを作る際、ジャケットは「煙草吹かしジャケット」になるであろう事は随分と前から決まっている。

たまに俺の名前を見て聞かれる事がある、

「日本人ですか??」

オーベイビー、俺は多分、日本人だろう。きっとそうに違いない。バットしかし、そんな事柄などまるで重要じゃない。俺がたとえ日本人じゃなかったとしても、俺自身はさほど驚く事もないだろう。

そしたらあれか、俺が日本人じゃなかったらお前は俺に対する態度を変えるのか?国籍で人間を判断する様な、そんな友達、初めから要らない。

俺も偉くなった。俺も立派になった。

ファッキン、ファッキン、ファッキンジャパニーズ!

普通な事が普通じゃなくなって 普通じゃない事が普通になりつつある
普通の定義が何か知らんけど おいらはおいらのままでいれば良い

単純明快な男でごめんね


マルボロシャツを愛している。それ、ボーリングシャツ然り。

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at 20:34|PermalinkComments(2)TrackBack(0)│ │散文 

サブタレニアン・ホーム・シック・ブルース

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お金にモノ言わせる事で自分を保とうとする頭空っぽヘビーシック野郎を心から軽蔑している様に、立場だけを利用してのさばり続けるどうしようもないロボット野郎には閉口している。

ぶつかりながらも最後には握手を交わす感覚、俺は愛している。19歳のチンピラが正しく、52歳のおっさんが間違っている事柄などこの世には腐る程にあるだろう。年齢差などまるで重要じゃない。重要なのは育ちと周りの環境、そして俺は残念ながら恥ずかしい生き方をしているとも思ってない。俺はいつだって本気だ、そう、野菜たっぷりタンメンを平らげるその瞬間もだ。

本日、別室通され一時間半のミーティング、俺は吐き出すべき事を吐き出す。引きずりおろしてやるぜ、吐き出す。声は自然と大きくもなるが、俺は気が狂っている訳でも何でもない、ただただ正常な人間だ。

ところでどこのどいつがどうでも良い輩の戯言を一時間半も聞き続けられるのか。確かに確かに、俺は今後もやるべき事をやるだろう。

単純明快、時に大馬鹿野郎人間このワタシ、俺をもっと褒めろ、バットしかし、上辺だけで褒めるのは止めろ、ボロが出るぞ、全て真剣勝負だ、期待されたなら全てを八倍返し、無論、良い意味で期待を裏切る事になるだろう、単純明快、時に大馬鹿野郎人間このワタシ。

仕事を終えれば、ヒートアップしたが故に二時間近く待たせてしまった恐縮極まりない表情携えて、執念のブルース野郎・オグリ昌也氏とビリヤードに興じる。

全てを忘れて一つの玉に全神経を注ぎ込む感覚、それは紛れもなくロマンに溢れているといえる。それ、ボーリングのピン然り。そんなゲームが好きだ、そして俺はいつだって本気だ、そう、怒りを笑いに変えるその瞬間もだ。エイトボールやらナインボールやら、専門用語などいつだって度外視し、ルールを探り探り思い出しながら、俺達はまるで別人の様にヘラヘラと笑いながら玉突きに興じる。


部屋に戻れば東京に戻ってきて初めて、一ヶ月振りにお母さんに電話を入れる。

仕事の話などするでもないのにお母さんが呟く、

「アンタみたいなモンが何故仕事をクビにならんのか」

「その自信は一体どこからくる?」

「調子に乗ったらまたいつか痛い目見る事になるのに」


おー、ヒップとウィット、ダブルで極めた御意見。

バットしかし、風貌は変わってしまったか知らんが中身はさほど変わってもない。

昔の写真を並べてみる 面影はなくなってしまったわ
昔の写真と今の写真を並べてトランプのゲームでもしたならさぞかし面白いかも知れないわ


ご多分に漏れず俺が唄う。やるべき事をただただやり続けろ。そう、文句を言われる筋合いがない程にだ。

「今後の予定は?」

問われて答える、

「甲子園やがな」

ハナで笑って「信じられません」、お母さんは呟いている。俺達は罵り合いながら確かに認め合っている。

「世界ドンクサ選手権」に出場する時、それは俺が消えてなくなる時で充分だろう。

「まぁ、美術館にでもいってくるわ」

「そんな人間的なところもあるんやもんな」


俺は人間だ、ロボットの様な人間じゃない、ただの人間だ。怒る時には怒り、謝る時には謝り続けるだろう。

電話の切り際、お母さんが言ったぜ、

「せいぜい失業しません様に」

はっきり書こう、俺はこんな女の子と付き合いたい。罵り合いながら認め合い、そして愛し合いたい。

さて、一つだけ女の子に聞いておきたい事がある、

「御飯粒は今も残さず食べているかい?」

それなら俺は幸せだ。日々は続く。




at 02:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)│ │日々 

July 08, 2009

平常心ってどういう意味

今この瞬間、俺は仕事を辞めようと思っている。もう良いだろう、もう良いんじゃないか、思っている。いくら好きな仕事ではないにしても、俺はやるべき事をそこそこにやってきた。当たり前の事だ。無論、俺は完璧だと自らを褒め称えたい訳ではない。バットしかし、文句を言わせてもらえる権利くらいは充分に持ち合わせているだろう。

レベルの低過ぎる脳味噌空っぽ味噌汁野郎、のさばる管理職、ヘイヘイ答えるだけが取り柄のセンスゼロ、飼い慣らされた宇宙人、楽に越した事無し、そう思い、お金が貰えればそれだけでオーケーの人の迷惑省みずマニュアル化ピープル、俺はそんな宇宙人に丸め込まれる筋合いなどもはや何一つない。


口うるさい気狂いピエロ、俺になど出番無し、ヘイヘイ答える宇宙人を好み、仕事の「し」の字も知らずのさばり続ける管理職、もう良いだろう、もう良いんじゃないか、俺みたいなモンにも適した場所は他にもあるだろう。そう、絶対にあるだろう。

誰にも認められずに投げつけたライターは
奴にとって大切な代物に違いない

欠片を拾い取る時 涙を見つけたんだ
誠実な輝きを 俺は受け取ったんだ

道行く人知らん顔 奴にとって好都合
取り残された気分を しかと味わいながら

小さな声で とても小さな声で
「いつまでこんな事をやってれば良いのか」って叫んでるから

負けないでって思った 

負けるなよって思った


ご多分に漏れず俺が唄う。

あの時も抑え切れず、渋谷駅で暴れて柱に何度も飛び蹴りを繰り返した。俺は気が狂っているのか、確かに思ってしまう事もあった。あれから数えてもどれくらいの月日が流れたのか。

傍には女が居て、一言も会話を交わさず部屋まで戻り、そしてベッドになだれ込んだ。「おい、やっと終わったぞ!おい!」、キチガイの様に叫んで抱き合って喜んだ思い出。


壁を蹴って穴を開けたのも傘でロッカーを殴ったのも周りに目もくれず怒鳴りながら乗り込んだのも全部俺の出来事かも知らん。それが足りてないなら俺は存分に頭が足りてないだろう。バットしかし、仕事も出来ずのさばるだけのさばり、偽者具合を必死で隠しながら上からモノを言おうとする貴様等の「足りてない部分」もちょっとくらいは考えてみろ、この「世界ドンクサ選手権」四大会連続金メダリスト野郎。

もう良いだろう、もう良いんじゃないか、いつまでこんな事をやっていれば良いのか。平常心とはどういう意味なのか。

誰かが言ったぜ、

「そんなんじゃ生きていけないよ」

それならば生きれる、活きれる場所から探そう。こんな報い一つない我慢にはもう意味などないだろう。

無論、俺は完璧だと自らを褒め称えたい訳ではない。ヘイヘイ野郎と一緒にしてくれるなと、ただただそれだけを願う普通の男だ。敵は多い、断然味方以上に。

そして俺は、「俺が間違ってました」と素直に言える程お人好しでも何でもない。そう思うなら考える前にそんな言葉は吐き出されるだろう。

自分だけが正気だと思っていた
それは狂気の始まりに過ぎなかった
頭蓋骨のスクリーンにはいつも
トラウマの映画が映ってた


ヒートウェイヴが叫ぶ。

何なら俺をクビにしろ、「口うるさい気狂いピエロに用などありません」とクビを宣告しろ。レベルの低い会社でレベルの低い人間だけ集めて平和にやっとけこのパープリン星人、そんな場に残る事は俺にとって恥以外のナニモノでもない。俺は必ずどこかで巧くやり直せるだろう。

伝える事を伝えても、それが「無音状態」のままなら俺は直ちに手を振りその場を離れる事に決めた。その際は一言、のさばり続ける管理職に捨てゼリフでも吐いてやるぜ、「恥を知れ、この給料泥棒!」。

俺は気が狂っているのか。

ノー!断固ノー!

とてもそれ程に間違っとる様には思えん。いやらしい下心も何もない。答えはシンプル、出来る奴が上に立ち、出来ん輩は下に下がれ、それだけだ。ハナで笑うなら笑え、その八倍、俺もそうしてやるさかい。

さぁ、ルースターズの「イライラするぜ」って曲を回しながらイライラを吹き飛ばせ。ターンテーブルが渦を巻く光景に目玉回しながらイライラを吹き飛ばせ。






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July 07, 2009

デリカシーってどういう意味

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哀しい事も悔しい事も楽しい事も嬉しい事も、誰にも告げずただただ日々をやり過ごせばいつか思い通りに認められる日がやってくるのか。そんなくるかどうかも分からん日の事を待ち続け、我慢し続けて一体何の意味がある?

俺は怒鳴っている、俺を褒めろ、俺に気付け、治まりつかず怒鳴っている。ランキングだけでなくその背景を知っとけ、もっと認めろ、俺は吠えている。もうちょっと待てばそんな言葉も聞けるのか知らん、バットしかし、いつ出てくるかも分からんそんな言葉を待ちぼうけする暇などなく、「分かってる分かってる」、なだめられても吠え続けている。ただの一位になど興味もなく意味もなく用もない。これがいかに突き抜けた一位かという事をどうか知っとけと自画自賛を繰り返し、この煮え切らん温度差に疲労困憊を繰り返している。

ヘイヘイ、そんな事より二つで百円のメンチカツにはオタフクお好みソースをつけて召し上がろう。

名前だけの管理職、名前だけの腑抜けバンドマン、貴様等にはもはや名前すら必要ない。胸倉を掴んで、はたまた突然回し蹴り、そろそろ本気で暴れてしまう日がくるかも知らん。その準備など随分と前から出来ている、すなわちスタンバイはオールオーケー。逆の立場なら俺は言うだろう、「俺は仕事出来ないからアンタと立場代わるよ」。名前と地位だけを利用してのさばり続けるパープリン野郎に今こそモデルガンを八発撃ち込み、地獄へと一直線に突き落としてやりたい心意気。

おっとっと、メンチカツにはオタフクお好みソースをつけて頂きます。

そして俺はどうやら血の気の多い「正常な男」とつるんでいる。この男も何かとよく怒る。ところが俺達同士がぶつかり合う事がないのはそう、単純明快、間違ってないから、何一つ間違った事で怒ってないからだ。怒りをどうにか笑いに変えて俺達は救われている。

先日、新宿の生き残り喫茶店「珈琲西武」にてアイスコーヒーを注文した際、ウエイターがお盆を尋常ではない程にガタガタと震わせながらコーヒーを届けにきた。一緒に居た男が言った、

「ちょっとアンタ、怖過ぎるんじゃないですか??」


男は笑っていたが、俺はその倍、高らかに笑っていた。

ノー、断固ノー!!考えてみろ、何故俺が一生懸命コーヒーを運んできてくれただけのウエイターに突然怒鳴り散らす必要がある?そして俺は怖くも何ともないヒョロヒョロモヤシボーイ。俺がその瞬間にするべき事はただ一つ、お辞儀とお礼のみだ。

例えば仕事場で、こちらの勝手極まりない都合で朝の9時台から電話を入れておいて、「朝早くに申し訳御座いません」、こんな一言さえ付け加える事が出来ん輩と俺は一体どうやって仲良くやっていけば良い?答えなどない、仲良くやる気など毛頭ない。さようなら、「世界ドンクサ選手権」代表選手。

怒る時は怒る、口が悪く怒鳴り散らかす事もあり、場合によっては暴れる事だってあるだろう。バットしかし、怒る時とわきまえる時のバランスくらい最低限知っとけ、この「世界ドンクサ選手権」代表選手金メダリスト共。


「高いモンが良いモンの理論」に堂々と則った、哀れが服着て歩く輩共が陰でコソコソやっとる事だって俺は知っとる。下らん、しょうもない、神聖な5月3日の日に手に入れたハイカラ栓抜きで全員まとめて引っ掻いてやろうか。俺は本気だ、そう、何に対してもだ。メンチカツにオタフクお好みソースをつけて頂くその瞬間もだ、覚えとけ。俺には下心の「し」の字もない。メンチカツへと変貌を遂げてしまったその動物の胸中くらいせめて察してやれ、この筋違いフリーダム野郎。

ライヴチケットは衝動買い、ニューオリンズ行き格安航空券を発見して意気揚々、ルースターズなんて目じゃないぜ、あの頃と何ら変わらず、変われず、変わる必要さほど見い出せず、俺はとり憑かれ続けている。

髪の毛が伸びたらリーゼントだ。金髪も良いだろう。考えるのも面倒だ、金髪リーゼントでどうだ。どちらにしても柳屋ポマードは残ったまま、しょうもない事柄は全部蹴散らしてやるぜ。

嗚呼、クールな男とクールな喫茶店で適当な約束でもしたい、

「生き残り喫茶店で夕方18時で宜しく!」


「世界ハイカラ選手権」、俺は俺のまま目指すぜ。



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July 06, 2009

アイ・ウォント・ファッキン・ユー

先日、狂乱プレザントタップをバックにスタジオにて録音されたMDを聴く。何十回と聴く。イヤホンで聴く。スピーカーで聴く。再びイヤホンで聴く。「寝る前にもう一発聴いとこか!」、逆らわず聴きまくり踊りまくりオールナイト。

そこでおいら「800万枚売れて然るべきちゃうんけ」体勢、おまけに「ルースターズ飛び越えるぜ」姿勢、俺はただの夢見がちな男、そこらの必要もない知識だけ無駄に豊富なバンドマン気取り嘲笑い飛び蹴りハイキック、その後すかさずドラゴンスクリュー、座右の銘「簡単な事わざわざ難しくするべからず」、唱え続けて早10年強、メンバー入れ替えとりあえず全8曲収録予定、心から宜しくお願いします、今より良い出来になるのは既に明らか、完成すれば誰も呼びもせんのにあの街この町、果てはメンフィスまで一っ飛び、我が物顔で歩き回り、俺は俺だけを信じて、音楽の魔法を信じて、俺は今、俺しか知らんロックンロールを知って悦に浸り、俺が一番持っておきたいレコードを今まさしく自らが作っている気分。

そんな訳で謙遜なんて残念ながら俺にはとても出来た柄じゃない。俺はやるべき事をやっとる。好きでもない仕事だってそこそこにやっとる。拒否反応が出るなら抑えず吠えろ、俺はただのイエスマンでもお人好しでもない。バットしかし、イエスしか言う必要がなければ俺はただのイエスマンにだって成り得る事実。争いは避けて通れず、そして避ける気も全てを抑えて飲み込む気も皆無、意味のない平和を好む筋違い平和ボケ野郎には哀れみのダイブを、外野席から、そして陰でごちゃごちゃヌカす事しか出来ん可哀想な輩は金輪際黙っとけ、とんでもない罰が当たるぞ。理想と現実があまりにもかけ離れた動いてもない口だけ能天気夢見がちファッキン野郎には俺が罰を当ててやるぜ。自分の事は自分で守れ、誰も自分の事など守ってもくれんだろう、分かっとる分かっとる。守ろうとする輩が存在するとしたならそんなモンただのお人好し、ただのお人好しに用などなく、さようなら勘違い幸せ気取り野郎、自分の事はまず自分で守れ、唱え続けて早15年選手。

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写真は哀愁の香港屋台にて、「アシュトレイ・プリーズ!」などとおっさんに頼んでみたところ、「ホーイ!ヒョイヒョーイ!」と地面を指差され、すなわち「その辺に捨てとけ」と言われたが為に、驚きながら生まれて初めて堂々とポイ捨てをした際の場面。

ポイ捨てと自由は結びつかない、俺は唄う。バットしかし、おっさんは地面を指差しながら確かに言ったぜ、「ホーイ!ヒョイヒョーイ!」。


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長編・「愛すべき日々」 十四~十六

※一~十三は下段
http://eroom5sessions.blog.drecom.jp/category_31/


十四、

斉藤荘に到着した。ほとんどの荷物は東京駅のロッカーに預けてきたが、ハードケースは持って来た。斉藤荘は一軒家で、一階に大家が住み、二階を七部屋、「A~G号室」に分けて間貸ししていた。

大家のお婆ちゃんに挨拶をした。一階の大家の部屋で「広島から来ましてね」などと話をした後、去り際に俺はこのお婆ちゃんに笑いながら言った、

「東京のお母さんと呼んでも良いですか?」

俺は調子が良かったし、上手くやりたかった。そして自然とそう言いたい気分だった。

「良いよ、そう思ってもらって」

お婆ちゃんは笑った。

十五、

俺の部屋はE号室だった。この響きに俺は強く感動していた。部屋に入ると布団が置いてあった。枕もあったし冷蔵庫もあった。全て以前の住人が残していったモノだった。

俺は生活用品と呼べるモノをポット以外何も持って来てなかった。ポットがあればとりあえずカップラーメンは食べれるだろうと考えていた。冷蔵庫も布団も炊飯器もテレビもなかった。音楽を聴く機材だけはあった。冷蔵庫と布団が置いてあった事は大きな収穫だった。俺はどこの馬の骨とも分からん以前の住人が残していった布団と枕をこの部屋を出て行くその時まで使い続けた。無論、冷蔵庫も使い続けた。冷凍庫はなかったが、冷凍庫に入れるモノもなかった。おまけにカーテンも付いたままだった。カーテンが必要な事など、その瞬間まで気付いてもなかった。俺には運があった。

引越し屋が広島から運ばれた荷物を持って来た。運び出される楽器やらアンプやらを見ていたお婆ちゃんが言った、

「分かってると思うけど音を出すのは禁止だよ」

早々に釘を刺してきた。

「なんでやねん」、思ったが俺は、

「それはそうでしょう」

答えた。住みにくい環境を作りたくはなかった。とにかくこのE号室で、まずは音楽を聴ける環境を整える必要があった。

十六、

東京駅までロッカーに預けたままの荷物を取りに行った。俺は大荷物を抱えて、田舎者そのままの姿で山手線に座っていた。流れる景色を見やりながら俺の胸は躍り続けていたし、人の目など一切関係がなかった。

斉藤荘のすぐ裏には世田谷線の線路があった。電車の音が夜遅くまで響いていた。こんな光景は広島では考えられず、環境全てが真新しかった。

次の日、俺が東京でまず最初に手に入れるべきモノは明らかで、それは広島の女の子に預けてきた為、手元になかったレコード・プレーヤーだった。俺はお金を握り締めて渋谷の楽器屋へと出向き、ポータブルタイプではないどっしりと構えたレコード・プレーヤーを手に入れた。

そして俺が東京でまずやるべき事はバンドを結成する事で、その為に「メンバー募集」の紙を貼りまくる事だった。友人も親友も顔見知りも全くのゼロで、全てを一から築き上げる必要があった。いつまでも東京に来ただけで酔いしれ続けている場合でも馬鹿でもなく、俺は何かと焦っていた。仕事を探す必要もあった。俺にはどうやら仕事癖がついていた。東京での生活が本格的に始まろうとしていた。




at 01:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)│ │長編 

July 05, 2009

ハッピーエンド・ラヴ

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’09.7.4(土)

レコーディングが始まった。いや、レコーディングの為の準備が始まった。4時間スタジオに閉じ篭り、一つのモノを作り上げる為のロマン溢れる作業が確かに行われ、そして確かに一歩足を踏み出した。

その時、俺の格好は雪駄で頭にはタオルを巻き、前々から良く言われる様に「テキ屋」そのままの様な風貌だったが俺はこんな楽な格好を好んでいたし、何しろレコーディングに格好など微塵も関係がなかった。

メンバーには歌詞を5曲分用意したが、4時間など瞬きの内に過ぎ去り、2曲の構成を頭に入れる作業で終始。

「ルート・スゥイートホームにて」
「アウトロー・バカヤロー」


曲を良くする為にメンバーそれぞれが意見を交わし合い、音を出す時にメンバーの顔を見やれば誰もが真剣な表情をし、それは俺を心強くさせるには充分な雰囲気。

スタジオを出れば、土曜日のなんちゃってカップルで溢れかえる下北沢の片隅にて4人でビールを嗜み、俺はやりたい事を明確にやれる喜びに満ちていた。

部屋に戻り録音したMDを永遠のリピートの如く聴き返せば笑ってしまう程にイカした仕上がりで、「こんなレコードあるなら是非とも僕に売ってもらえませんでしょうか」状態、無論、まだまだ完成には程遠く終わりは見えずお金も時間もまだまだ費やすか知らんが、俺はやりたい事に逆らわず、着実且つ確実に一つ一つを片付けるだろう。

ところで「TheピーズVSウィルコ・ジョンソン」なるヒップな組み合わせのチケットを確保。そして俺はといえば「やっぱり一回試しに金髪にしたらん事にはどうにも落ち着かんがな」体勢。やりたい事に逆らわず、着実且つ確実に一つ一つを片付けるだろう。

レコーディングの為の準備はまだまだ続き、旅は続き、夢は続き、あれもこれも続き、いつか全てはハッピーエンド。






July 04, 2009

俺が俺を追いかける時

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書く事は腐る程に有り過ぎてとても追いつかず。格安の雪駄を手に入れ気分は御機嫌、俺はこいつをつっかけてきっと甲子園までふらっと出向くだろうがしかし、ぶつかり合う相手はいつだって身近に存在し、俺が思うにはアンタの立場からはアンタが正しく、俺の立場からは俺が全て正しい。答えも解決もないままにぶつかり合いは続く。

何にでも「ハイハイ」と頷く輩には閉口する。その場では「ハイハイ」と全てに従いながら、陰でのみゴチャゴチャとヌカす輩にはその80倍閉口する。指導者の身にもなってみろ、それはきっと一番寂しい事だ。そんな思いはしてほしくもない、それなら最初から罵り合った方が80倍話が早い。

本日、俺は仕事場で懲りもせず声を荒げ、周りにはキチガイの様に思われたかも知らん。思われて避けられているのかも知らん。嫌われ者なのかも知らん。何にも知らんがしかしどうでも良いぜそんな事柄、懲りる必要などどこにもなく、陰でのみゴチャゴチャとヌカす輩ではない自分には胸を撫で下ろし、食い違うならとことん罵り合ったろやないかい体勢と相成り、震える程の苛立ちを携えて目の前の相手と殴り合う。

俺は調子に乗っとる訳でもただ逆らってみたい年頃な訳でも何でもなく至ってシラフであるがまだまだやり合う必要性を感じる。そしていつか握手を交わす時、涙を流しながら笑い合えれば全てはハッピーエンド、陰でのみゴチャゴチャとヌカす椎茸野郎には決して味わえんであろう気分を俺はしかと味わいたいがそれはまず握手が出来たらの話でそこまでこぎつけるのは至難の技ともいえるがその過程を楽しむ権利さえも俺は今まさに得ていると考えるとするとなかなかに頼もしいともいえるのは気のせいでも君のせいでも何でもなく俺の勝手な思考回路だ。                         

長編だって書き上げたいがあの頃の事を思い出せばキリがなくとても追いつかず。びっくりする程に数々の出来事を覚えており書いても書いても追いつかず。長編はとりあえず18~20歳終わりまでの物語で一区切りつける予定で、俺は書きながらあの頃と何ら変わってない事に苦笑いとオールオーケー顔を共存させたりしている。

やりたい事が多過ぎてとても追いつかず。とにかく今日から土日の二連休にありつき、明日はレコーディング第一弾、メンバーには狂乱プレザントタップ。俺はやりたい事に逆らわず、着実且つ確実に一つ一つを片付けるだろう。


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July 01, 2009

【誇り高きお調子者の文章】

10年近く前の事を書き綴ったり思い出したりしながら、俺は日に日に気持ちが楽になっていくのを強く感じていた。それはさながらチャールズ・ブコウスキーの様にも感じられ、あの偉人が書かずにはおれんかったその理由を今まで以上に明確に体感した気分だった。似せる必要など一切ないが、それは多分、まるで同じ気分だった。俺は自らの過去に触れ、様々な感覚を取り戻し、そして足取りは軽やかそのものになった。

屋上で煙草を吹かしたり、ギターを抱えたまま眠ったり、エルヴィスを聴いたり、わきまえと教養溢れる古本屋で突然バディ・ホリーが聴こえてきたり、焼豚ラーメンを食べたり、夜には何も食べんかったり、昼間からビールを呑んだり、下駄が欲しかったり、サングラスが欲しかったり、突然左目が腫れてきたり、保険証を要したり、金髪にしてやろうと企んだり、気付けば7月だったり、ルネ・マグリットの画集を探したり、俺みたいなモンにもちゃっかりと定額なんちゃら金は支給されたり、行きつけの昭和の香り漂う喫茶店で髪の毛を切った事を褒められたり、常連顔を気取ったり、色々とある。

ある男とは渋谷駅構内ですれ違い、ある男とは下北沢一番街で偶然すれ違ったりする。俺の背中越しに声が聞こえた、

「元気か?」

俺は頼りなく、それでいて力強く左腕を上げ、半分だけ振り返りながら問いに答えた、

「ヘイ!」

ある男は雨宿りの名目で俺の部屋へとやって来て、ロング缶ビールを呑みながらふざけて笑い合った。ロング缶ビールは男の奢りで俺はその時、長編を画面を睨みながら書いていた。

ある女とは渋谷駅構内で待ち合わせた。俺が持ち歩くスーパー袋、本やら何やらを詰め込んだスーパー袋を指差して女が聞いた、

「何か買ったの?」

俺は答えた、

「これの事か?これはバッグやがな!」

女は笑ったが、俺はその倍、高らかに笑っていた。スーパーではウイスキーやらロング缶ビールやら高級おつまみやらを買い込んだ。買い物袋を持って人と人との間をくぐり抜けて早足で歩く俺の背中越しに声が聞こえた、

「人と人の間駆け抜けるの上手過ぎだね」

俺はドンクサイ輩が心底嫌いだった。そしてそのドンクサイ輩のさらに後ろに堂々と群がり続ける輩がその80倍嫌いだった。

「まぁ、プロみたいなモンやで」

俺は答えた。資格試験があるなら是非とも受けに行きたい心意気だった。頭の悪い輩の見分けは、例えば傘の持ち方一つで分かる。俺は何を見ても腹が立つ分、同じにはならん様に気を遣い続け、そして毎日気疲れしていた。俺も頭は良くないが、そんななすび野郎と一緒にされる事だけは真っ平御免だった。

部屋に辿り着き玄関を開けた瞬間に女が言った、

「イメージ通りの部屋ですね」

「怖いイメージ」「アイスクリームを食べないイメージ」「タスポなんて持ってないイメージ」「絶対に走りそうにないイメージ」、色々あるが、俺はいつだって自分の思考にだけは忠実に生きてきた。イメージなんて誰かが勝手に抱くモノで俺はイメージなど考えた事もないが、女は部屋の中を見渡しながら何度も同じ事を呟いた。俺はそれを素直に喜んだ。

俺はある意味、人が良過ぎた。情に脆く、情に厚過ぎる一面があった。それは大事な事だが、ある女には「アンタは優し過ぎる」と嘆かれてもいた。

気懸かりは一点のみだった。俺はその「一点」に執着し過ぎ、切り離せずにいた。それを経て跳ね返ってきたモノは俺の責任もありとんでもなく過酷な結果になってしまったが、俺は精神病でも何でもなくただただ日々を生きていた。それは確かに深い暗闇だった。後悔を公開し、人間関係を航海していた。そしてその「一点」を振り切った時、俺は気付けば心の底から笑っていた。俺はやるべき事をやり過ぎる程にやった。やり過ぎてしまった。そう、全ては茶番劇だった。茶番劇に始まり茶番劇にて幕は閉じた。

俺の体を叩きながら女が言った、

「何故アンタ程の人がそこまで??」

女は笑っていたが、俺はその倍、高らかに笑っていた。こんな女と旅に出たら面白いかも知れんなと思った。切り出したのは女の方だった、

「一緒に旅に出ませんか?」

俺は答えた、

「罵り合いながら最後の最後は握手だ、終わり良ければ全て良しだ」

持ち前のスナック感覚を駆使して俺はまた旅に出るだろう。

「美術館にも行きませんか?」

「そんな神聖な場で俺は一言も話したりはせんけどな」


女は笑っていたが、俺はその倍、高らかに笑っていた。

ある男とはルート・スゥイートホームですれ違い、煙草を吹かしながら語り合い、話の流れで「新宿へ行こうか」となった。男の目当ては一箱の高級煙草だった。俺はボトルコーヒーやらおつまみやらを入れた買い物袋を持っていた。高級煙草を手に入れる小さな旅に出るその前に、買い物袋を部屋へと置きに戻った時、玄関を開けた瞬間に男が言った、

「イメージ通りの部屋ですね」

俺は照れていた。俺のイメージがどういうモノなのか定かではないが、ほとんどの人間が俺の部屋へやって来る度に同じ事を口にした。生き方そのままで全てが潔い、自分に正直で嘘が一つもないと男は笑っていた。

男は俺の文章を読んでいた。文章に隙がなく、魂で溢れ、それで生活するべきだ、俺は気持ち悪い程に褒められていた。それは「コイツ何か裏でもあるんちゃうんけ」と思う程だった。俺は確かに全てに魂を宿らせていた。俺はまだまだ駆け出しの人間という事を充分にわきまえた上で、今の時点でそれがぶれる事なく誰かに伝わっとると感じる言葉を耳にした時、俺は何よりも嬉しかった。その場にヒップな女でもおればさらに誇らしい気分にもなれたが、俺達は二人きりだった。そして俺はその二人きりの雰囲気を愛してもいた。

「詩人になれば良いのに。あっ、もう詩人か」

男は笑った。俺は、いや、詩人は照れ続けていた。

新宿駅構内にて、ごった返す人と人との間をくぐり抜ける俺の背中で男の声が聞こえた、

「そっちじゃない、こっちですよ!」

そんな事は分かっていたが、俺はまず、人と人との間をくぐり抜ける事に全神経を注いでいた。全ての事柄は繋がっていて、全ての行動は俺の反射的な行動だった。

高級煙草を手に入れて、「喫茶西武」、すなわち新宿にも存在する昭和の香り漂う喫茶店で煙草を吹かしながらアイスコーヒーを飲んだ。男は高級煙草を二箱手に入れ、その内の一箱を二人で吹かした。男は禁煙中だったがとてもウマそうに煙草を吹かしていた。コーヒーを飲みながら俺達は酔っていた。男は写真を撮り、俺の事を含めて文章を書いた。

http://ameblo.jp/aogrove/entry-10291534522.html

この男だって充分なやり手のくせに、俺は思った。全く違う方向に目を向けながら、俺達はお互いを褒め称え合う事が出来た。

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余った高級煙草を俺が受け取り、俺達は新宿の街で握手をして別れた。俺はレコード屋へと出向き、男は下北沢へと舞い戻った。それはとても自由だった。

俺は紛れもなく物書き体質だった。誰が何と言っても蹴散らしてやれば良い。中途半端な偽者野郎にはドロップキックした直後になんちゃらスクリューでも喰らわしてやれば良い。書く事が何よりも好きだ。時間は瞬く間に過ぎていく。

俺は酔っていた。そして今も酔っている。俺はとり憑かれていた。そして今もとり憑かれている。

そんな訳で俺には友達がいた。気を許せる友達と呼べる友達が何人も存在した。東京に出て来て何年間か、俺には友達と呼べる友達など皆無に近かった。これは全て一つずつ、それでいて確実に組み上げてきたモノだ。俺の事を良く言う奴だけが友達ではない、「友達」という意味を俺はわきまえてもいた。

結局、俺は何も見失う事なく、何も変わってなかった。俺は俺のままだった。合うか合わんか二つに一つ、それで良かった。またミスを犯す事もあるだろう、バットしかし、俺は確かにまた一つ賢くなった。俺は全てに焦りすぎていた。俺は見切り発車を繰り返してもいた。スナック感覚は時に度が過ぎた。

とにかく深い暗闇を俺は抜けた。ようやくだ。俺は自分の弱さを知り、強さも知った。そして誰かの力も借りて俺は本格的に蘇った。もう間違いない、俺は立ち上がった。俺の事が心底嫌いな輩にも、さりげなく言葉をかけてくれた人間にも、何にもせんかった人間にも感謝を忘れる事はない。

さぁ、今までそうしてきた様に、そろそろ全てを笑いに変える時がきた。俺はいつだって笑って救われたいのだ。

よく言われる事がある、「本当に良い名前ですね」。俺は名前負けなどしたくもない。期待しろ期待しろ、俺の今後に期待しろ。嫉妬しろ嫉妬しろ、俺にはまだまだ自信があった。

夏の甲子園は予選開幕、俺は今年も甲子園まで駆けつけるだろう。奴等は言葉の代わりにボールを投げ、そして打ち返してもくる。格好良過ぎて嫉妬するぜ。










at 23:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)│ │短編 

長編・「愛すべき日々」 九~十三

※一~八は下段

九、

寝台列車は走り続けた。いつまでも泣き続ける程に野暮でもなかった。大荷物を眺めながら、いよいよこの時が来たと胸を躍らせていた。頭に描いた事を実行に移した事実、これだけで俺は誇らしい気分になっていた。

朝、列車は東京に到着した。俺は大荷物のほとんどを駅構内のロッカーに預けて、とりあえず三軒茶屋に借りた愛すべき部屋、「斉藤荘」に向かおうと思った。荷物はまた後で取りに来れば良いと思った。距離感などまるでなかった。俺は20歳になっていた。


十、

2000年11月、19歳の時、俺は初めて東京という街に足をつけた。予め部屋を決めておく為だった。誰かがプレゼントしてくれた東京住宅情報誌を俺は読み漁っていた。いくつかの街の名前は既に俺の頭にあった。それは全て、ライヴハウスが数多く存在する街の名前だった。それは音楽雑誌を読みながら自然と頭の中にインプットされていた。

明け方、夜行バスは新宿に到着した。安い物件が数多く紹介されていた渋谷の不動産屋に行く事を決めていた。時間はまだ早く、俺はその不動産屋が開く時間まで渋谷の街を歩き続けた。初めて東京という街に足をつけるその時まで、俺は東京を外国の様に感じていた。広島の友達は「東京なんか住む所じゃないぜ」などと、住んだ事も町を出た事もない奴が語っていた。

渋谷の街を歩きながらすぐにその間違いに気付いた。すなわち「所詮日本やないか」といった気分になった。そして「広島も東京も田舎も都会も関係ないがな」と思ったと同時に、俺は東京生まれじゃなくて良かったとも感じていた。

そして気付けば俺は「渋谷タワーレコード」に辿り着いていた。探し歩いた訳でもなく、突然目の前に「渋谷タワーレコード」は現れた。東京に出て来る前に、俺はこの大型店に電話を入れて履歴書を送った事があった。開店前のガラス扉にへばりつき、俺は確かに感動を憶えた。不動産屋へと向かう歩道橋の上からは「HMV」の大きな看板が見えた。「住む部屋をとっとと決めて、余った時間でレコード漁りに繰り出そう」と俺は考えていた。

十一、

「四万円以内で出来れば風呂付、下北沢がベスト」

不動産屋の姉ちゃんに条件を告げたが、「東京は家賃高いですよ」とあっさりと断わられた。その代わりにと出された物件は「共同玄関共同トイレ風呂無四畳半」の三軒茶屋近く、若林という街の「斉藤荘」という三万二千円のアパートだった。線路図を見せられ、

「ここが渋谷でここが三軒茶屋、ここが下北沢で・・・」

説明された。

「へぇ、ほぉ、あぁ、そう」

俺は頷き続けた。

考えてみれば風呂付などあまりに贅沢で、俺は一番下の部分から始めるべきだと思った。下の部分から始めればそれ以上悪くなる事もなく、もし上り詰めたとしてもその時の気持ちを忘れる事もない。そして何より「共同玄関共同トイレ風呂無四畳半」という響きに対して俺は強いロマンを感じていた。おまけに三万二千円とは広島の家の家賃と全く同じ金額だった。


十二、

田園都市線に乗り込み不動産屋の男と三軒茶屋へ向かった。見るもの全てが新しかった。「斉藤荘」に辿り着き、その造り、その雰囲気、その部屋を見て、俺は他を見て回る必要を感じずその場で即決を下した。部屋探しには時間をかける予定だったが、俺にはここがぴったりだと直感し、そして「とっととレコード漁りに繰り出したい」という気持ちも強くなっていた。

十三、

部屋が決まればこっちのモンで、俺は安心に満ちた表情でレコード漁りに繰り出した。色々な街を徘徊し、何度も「所詮日本やないか」と感じていた。

レコードとCDを23、4枚手に入れ、両手いっぱいの荷物を抱えて歩いた。その時、何を食べたのか、どこで寝たのかはまるで憶えてないが、俺の胸は躍り続け、そして何かにとり憑かれていた。事を終え、俺は予定よりも一日早い夜行バスに乗り込み広島へと帰った。

お母さんはそのレコードを見て呆れ返り、女の子は「良かったね」といった面持ちで笑っていた。「聴かせたろか?」、俺は音楽が好きで、やりたい事が明確にあった。誰かはそれを「羨ましい」と言い続けていた。俺は19歳で、全てを捻じ伏せてやろうと企んでいた。それと同時に、一ヵ月後にはあの「斉藤荘」に住む事になるんかと、絵空事の様に感じていた。





at 15:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)│ │長編 
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