July 2018

July 30, 2018

DON'T THINK TWICE,IT'S ALLRIGHT '18


 猿小屋


昔々、今に比べてまったく酒に弱かった頃、新宿のライヴハウスのトイレに閉じ篭ってしまった事がある。なかなか戻って来ないオレの事を、当時よく一緒にいたジャーニーガールが律儀に男子トイレまで迎えにきてくれた、

「ねぇ、大丈夫なの?」。

オレは何喰わぬ顔立ちで個室を飛び出て早々彼女に云った、

「結婚してくれ。トイレでプロポーズってのは前例がないやろ?前例がない男ってのをずっと目指しとるワケやけど君はその点、一体どう思う?」。

紆余曲折あり、その話はトイレの水同様に流れた。それでいい。オレの思うクールは、誰かにとってはクズだ。しかし、その時に吐いた言葉だけは今もオレの脳内に残っている。

昔、上の写真を撮ってくれた今村"バンディーニ"竜也が吐いた数々の言葉は今も堂々とオレの脳内にインプットされていやがる、

「高哲典で居続けるってのも大変なんやな」、「君のライヴは見事に輩ばかりやな」「そんなガリヒョロじゃ、イチャモンつけるだけつけて直ぐにヤラれちゃうよ?」

すなわち、何気ない一言でさえ、言葉ってヤツにだけは終始敏感でいたい。呑んで記憶を失うだなんてモグリの最高峰だ。そんな勿体無い男にだけは強固なりたくもない。

何故、こんな事を突拍子もなく書き綴っているのかって事に特別な理由などない。あるとするなら、フジロックでのボブディランを観逃してしまったって事くらいだろう。「くよくよするなよ」(don't think twice)。

8月5日から始まるレコーディング合宿に向けてたっぷりと時間は取ってある。あくまで自然と言葉が降り注いでくる瞬間を今は待っている。贅沢な時間だ。

昨夜、どうにも火が点かず、敬愛して止まないタランティーノ大監督の「ジャンゴ」を久方振りに観返した。痛快さと言葉遊びに脱帽して興奮冷めやらず、「イングロリアス・バスターズ」さえ立て続けに観返してしまった。

上映時間5時間オーバー、学び直して教養を得た反面、オレはオレの事をやるしかないと思い直したAM07:57の出来事。

8月5日までに決めておきたい事柄が塵に如くある。2018を完璧に締め括り、2019の初詣でに胸を張って向かえる様に。




drecom_eroom5session at 03:05|PermalinkComments(0)│ │散文 

July 24, 2018

あつさのせい '18


 unnamed


太陽が本気だ。もはやヒール。かっこいい。オレはオレが思っているその291倍、夏が好きらしい。アイス珈琲をどうぞオレにぶちまけてくれないか。笑って「one more cup of coffee!」なんて答える様に努めるから。

頭の中がパンク状態なので、ここらで脳内整理も兼ねてランダムに吐き出しておこうと思う。

九州に向かう直前、四日市で会った事のあるミラーガールから突然絵葉書が届いた。それはカナダの国旗が書いてある絵葉書で、一言で云うと「私、今カナダなの!」ってな知らせだった。

最高だ。年間通して「フェイスブックとかってやってますか?」なんてよく問われるが、そんな事よりも「住所教えてくれない?」と聞かれる方が性に合う。「コイツ、ひょっとして絵葉書でも送ってくれるつもりですか?」なんて胸躍るから。

九州。御多分に漏れず毎日快晴。北九州のアレンギンズバーグ、下原元気と11年振りの再会。イカれ具合は健在どころか増すばかりで嬉しくなる。11年間の空白はジャスト2秒で埋まった。

ヤツが云った、「旅に連れ出してくれてありがとう」。オレが答えた、「一緒に旅してくれてありがとう」。最高だ。好きなモノが好きで嫌いなモノが嫌いだ。

熊本で髪の毛を切った。旅先で髪の毛を切るのが好きだ。街をほっつき歩き、美容室の類いを探し彷徨う。「検索」など絶対にしない。

「襟足と耳の後ろを9mmバリカンで。モミアゲは残して」。伝えた筈の直後、おーベイヴ!バリカンはモミアゲ部分から豪快に入れられた。その瞬間の鏡に映っているオレの顔はきっと素っ頓狂の最先端だっただろう。最高だ。笑えるなら何でもいい。

さて、近頃はまたポマードが手放せない。風に漂う「TWOFACE POMADE」の香りが真夏をより強く感じさせてくれる。気品ある香りだ。そいつを付けたままよく眠ってしまう。目指すのは永遠のベッタリボーイだ。

九州直後、西日本豪雨のチャリティイベントに出演した。大分辺りに居る時に突然連絡が来て、断固二つ返事で快諾した。

チャリティなんて柄でもないが、いざやってみると嬉しくて火が点いた。普段と違う感じにしようと出番前から呑みまくり、気付けば今村竜也のステージに乱入しては苦手な筈のコーラスさえキメていた。

ところで、オレ自身のステージはお世辞にも褒められたモノじゃなかった。あんなステージをだらだらと続けるくらいならオレは潔くとっとと引退の道を選ぶだろう。

しかしあの日のテーマはハッピーだった。文字通りハッピーな夜だった。抱き締めてほしかったし、抱き締めたかったってな夜だ。

フジロックにボブディランがやって来る。昨夜から考えている事は日帰り弾丸で観に行こうぜって事だ。こんな時、スナック感覚で賛同してくれるヤツが居ればいい。

昨夜は勢い余ってグリーンステージとホワイトステージの距離がどれくらい離れているのかって事、そしてバスの時間まで「検索」してしまった。オレもまだまだだ。

明日は生まれてこの方初めて、ブルーノート東京へ行く。高級な珈琲でも注文してマークリーボーの音楽に身を委ねるって魂胆だ。郷に入れば郷に従え、ポマードとアロハシャツで行けばいい。

さて、8月5日から暫くの間、レコーディング合宿と称して兵庫県の山奥に籠る。籠る前に甲子園には御挨拶に出向く予定だ。

本気の太陽に挑む為に、トランクには海水パンツとゴーグルも詰めとこう。
オレはオレが思っているその291倍、夏が好きらしい。




drecom_eroom5session at 15:40|PermalinkComments(0)│ │散文 
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