April 23, 2006

「明大前にて」

俺は手に入れたばかりのオールディーズレコードへ
コーヒーを横に置きやっと針落とした所
その横で彼女は興味なさそうな素振りで 
「せっかくの休みよ もっともっと遊びましょ」

その内に彼女はヘッドフォンでテレビ観賞
今聞いたばかりの情報を俺に残さずに喋る
テレビの情報に騙されん俺の立派な耳は
「悪いが今の話全て右から左」

俺はライナーノーツを片っ端から読み漁って
今得たばかりの情報を得意気に喋り捲る
その横で彼女は興味なさそうな素振りで
「悪いが今の話全て右から左」

噛み合わねえなぁ 明大前にて

集中力の欠けた俺の頭と体は
自然の成り行きとして屋根裏部屋へと移る
この部屋は自慢だが何しろ危険がいっぱい
例えば夏の日は軽く40度超える

俺の自慢のレコードがサイケデリック化してしまわん様に
仕事中でも何でもそれだけが気掛かり
そんな事を洩らせばきっと彼女はこう言うだろう
「私って何なの?あんたって最低よ」

噛み合わねえなぁ 明大前にて 

やがてそれぞれの部屋に引っ越していった二人は
物足りなさを感じ電話越しに喋り捲る
そこでこないだ彼女がこんな事を洩らした
「染み付いてしまったの あのレコードが聴きたい」

例のサイケデリック化してしまったその内の一枚を
久し振りに回したら気持ち悪くて気持ち良い
まさに俺とお前の関係の様だろう
「上手い事言うだろう もう一回やろうぜ」

やり直そうぜ 明大前にて 

at 01:43│Comments(0)TrackBack(0)│ │ 

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