January 28, 2007

詩・「自由」

「自由」

其処はとても自由な場所だった 
其処はとても自由で溢れてた
真夜中に子どもが親に連れられて
ママまだ上手くは乗れないよ 自転車の練習をしたり
ラジカセの音楽に合わせて女の子達が踊り狂ってた

其処はとても自由で溢れてた
誰も咎める奴なんて居なかった
外灯の下で一人バスケットボールに熱中したり
カップルが階段に座って流れる車眺めながら
ただただ楽しそうに手を繋いでいる
その横で男が一人缶ビールを啜る

其処に行くと東京の空は低いって
言われる理由がやっとこさ分かった
おいらベンチに寝転んで空を見上げて
あの星座はなんだろうなどと
詳しくもない星について考えながら
天国はあるんだと心底思った

誰かがやってる線香花火綺麗だったけれど
ゴミは持ち帰れよ 神聖な場所さ

ポイ捨てと自由は結びつかない
ポイ捨てと自由は交わる事がない

お月さんに挨拶がしたかったけれど
生憎雲が出てきて半分位隠れた
また来るねって勝手に約束をして
絵の中の人の様に黄昏て歩いた

あくる日余りにも東京っぽい光景
井の頭線の車内においら押し込められ
後ろポケットに突っ込んだ文庫本は取り出す余裕も無く
見ず知らずの男女と肩を寄せ合っている

居酒屋で真実を注文してみたい
自動販売機の下に宝物はないかい
思い出を1ダース届けてもらいたい
神聖なオフィスで演奏してみたい

其れはとても自由な発想で
其れはとても自由で溢れてて
真夜中に子どもが親に連れられて
お茶目によろけながら自転車の練習をしている

at 16:54│Comments(0)TrackBack(0)│ │ 

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