May 06, 2007

散文・「忘れないで」

「忘れないで」

ワタシは何も信じてない

人から道を尋ねられた時

その人が急に飛び掛ってくるかも知れないと疑い

電車に乗れば

こいつがナイフで刺してこないとは限らないと疑う

ワタシはある種何も信じてない

「こうこうこうだから絶対こうだよ」とぬかす輩に

「その情報はどこで仕入れたの?」と尋ねてみる

返事はたいがい決まっていて

「だってテレビで見たぜ」

「友達が言ってたよ」などと返ってくる

ワタシは自らの目で見てもないものに

何の確証もないその事柄に

誰かが言っていたという理由だけで

100%の信頼をおいてしまう程無神経ではない

今こちらに向かってきているあの車が

ワタシを目掛けてこないとは限らない

ドライバーに保障はなし

バイクのタイヤに保障はなし

食料品に保障はなし

ワタシはジェットコースターには乗らない

「点検に余念はない」と言われたところで

点検している現場を見た事はなし

見てもきっと分からない

だからワタシは

ジェットコースターには乗れない

怖いのは

ジェットコースターに乗る事ではなく

死ぬる可能性

ワタシは臆病

何にでも疑いをかける事を忘れない

疑いを持つ事を忘れない

忘れないで








at 15:49│Comments(0)TrackBack(0)│ │散文 

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