March 19, 2008

バーと昭和と戯け野郎と

昨日はタトゥーと自転車をこよなく愛する男がバーに遊びに来てくれた。まかないで作った自慢のペペロンチーノをお通しとして出し、そのあまりの旨さに心底驚いとる様子がこちらからも窺えた(という事にする)。あの場が溜まり場となり、とりあえず来れば誰かが呑んどる、といった具合になれば俺はもう何もいう事はない。しかし夜が深まるにつれ客足は途絶え、俺はアメリカン・フォーク・ブルース・フェスティバルの映像を見て過ごした。

今日はといえば夕方まで眠る事は避け、雨の中向かうは外苑前ワタリウム美術館、「流しの写真屋・渡辺克己写真展」。俺はこの人の事を何一つ知らんかったが、その粋なタイトルとチラッと見た写真に惹かれ足を運ぶ。60年代からの歌舞伎町の人物を撮ったモノばかりだが、そのバックの風景に細かく目をやると激しく昭和が香る。現在2008年、しかし40年後にはやはりこの2008年も古臭い風景と貫禄を醸し出すのだろうか。昭和の迫力は凄い。

dscn1293.jpg


帰りに珉亭で定食を平らげる。俺の席の真後ろに座った若い男二人組の一人が戯けた音楽論を繰り広げる。「バンドやるならこうこうこうで」「それならああした方が良い、こうした方が良い」「弾き語りならコード見ながらやってると、仕組みが分かってくるから」「いや、だからー、そうじゃなくてー」うんぬんかんぬん。おい、やかましいわタコ、音楽に決まりみたいなモンがあって堪るか。偉そうに語るお前は何者や、お前が勝手に枠におさまっとるだけやないか、何もかも知り尽くしたかの様な口振りで語るな、一番分かってないのはお前やぞ、黙って聞いとる相手も相手や。帰り際、抑え切れず、「やかましいんじゃド阿呆、二度と音楽の事語るな、この戯け野郎」と胸ぐらの一つや二つ掴んでやろうかと思ったが、俺に話をされた訳でもなく、冷静に考えると全く関係のない事に気付き、もちろん止めた。あんな偽者を俺は久し振りに見た。何しろ顔と口振りでそいつがどういうヤツかは大体分かる。俺が偉そうにいえる立場でもないが、あんな偽者とは気が狂っても友達になる事はない(まぁ、友達になってくれと頼まれた訳でも何でもないけど)。

P.S ショーケンの自叙伝、早く読みたい。

at 22:24│Comments(0)TrackBack(0)│ │日々 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索