June 26, 2008

拝啓幽霊様

そして俺は小一時間前に帰宅。本日、人生相談窓口と化した様なバー、何を言われても俺が唯一答えられる事と言えば、好きな事に対して「好きなら続けろ、辞めたいなら辞めろ」と言う事一点のみだった。そんな事は人がどうこういうモンじゃない、自分で決める事だ。

ところで俺は「明日は休みなんだろ?」と何度も何度も自分に問い掛けてみるが、返ってくる返事は毎回、「明日は朝10時から研修です」なのである。

すなわち後6時間後に研修はスタートしとるという寸法、5時間後には電車に乗り、雨の渋谷を歩き、研修所に辿り着く寸法。そう、ツケはあっさりと払わされる。しかし6時間後、俺がどこにおるか、それはまだ誰にも分かったモンじゃない(行く気はある)。

ところでバーを閉める時、最終チェックの際、トイレに人がおらんかどうかをいつも確認するのだが、何とたまげた事に鍵がかかっとる。俺は怖気づき、たっぷりと10分間、声を掛けるかどうかを考える。なんせ気持ちが悪い。俺は自分の命について考える。人の死体についてまでを考える。そして、扉の下の隙間に屈み込みながら震えを誤魔化し野太い声を充分にイメージしつつ遂に声を掛ける。

「もっ、もう帰るよ、かっ、鍵閉めるよ、なぁ!」(か細い声になってもうた)。

返事はなく人の気配もない。お化けが出るらしいという噂を聞いた事がある。それが出たのか。この瞬間、「明日は研修どころではない」と悟る。

鍵を外側から指で強引に回す。開いた。そぉっとそぉっと扉を開ける。この緊張感は尋常ではない。

中に人はおらんかった。では何故あんな事が起こったのか。起こりうるのか。鍵の色ははっきりと使用中である事を表す「赤」だったのだ。

幽霊様のイタズラ、そう思わざるを得んのである。

しかしその幽霊様も、俺が6時間後どこにおるかまでは分からんのではないかい。

幽霊様は冗談がキツイな、ハハッ!(冷汗)。







at 04:05│Comments(0)TrackBack(0)│ │拝啓 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字