October 04, 2008

レコードを愛する男と男の友情物語

先日、行きつけになりつつある一番街レコード屋「オトノマド」で発見した衝動を抑えられん類いのアナログ盤、

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「あんたこの期に及んで一体どういうつもりなの??」

その言葉は実に御法度である、ボリス・ヴィアンまさかのアナログ盤。すなわち前に書いた「墓に唾をかけろ」作者の意味不明のレコード。

1365円、これを買い逃してこの先ずっと後悔するよりも、お金が無くてもとりあえず手に入れる必要があると即決した男このワタシ、ボリス・ヴィアンが曲を作ったのか、ポエムに曲をのせたのか、全く定かではないが、とにかくジャケットだけで1000円の元は取った計算。ラテン、ボサノヴァ、よー分からんが、急に狂った様な女が唄い出したりする。すなわち11.9(日)のDJ、これをより一層楽しみなモノにする。



バーで働き出した当初、曲名も何も分からん程にボロボロになったジャケットを片手に、店長が一枚のレコードを回した。そこにはアイズレー・ブラザーズのバックで主役を堂々と喰った様なギターを掻き鳴らすジミ・ヘンドリックス。

店長が言った、

「このレコード見つけたら教えてほしい、数万円するかも知れんけど」。

この言葉は俺にとってグッとくる。俺はこういった類いでしか役に立てんともいえるかも知らん。

それから数ヶ月、探すでもなく何となく探し続けた。

そして時は2008年、場所は名古屋・大須観音、レコード屋ではないモッズショップ(店長と話をしたところとは別)で発見した奇跡のレコード、


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こういったモノは探す意識が全く消えとる時に限って、パッと発見したりする。例えるなら、パチンコ屋に勝つ気もなくさりげなく入った時に限り大勝ちする様な感覚。「今日は勝つぞ」と意気込んだら必ず負ける様な感覚(まぁ、俺はパチンコをやらんが)。

ディスプレイされたこのレコードが目に入った瞬間、俺は歓喜の声を上げる。そして、次に重要な値札に目をやってみる。その数字、驚愕の


1500円。

「おぉ!!!」、

コレクターではないが故、数万円もするであろうオリジナル盤には興味がない。

即座に電話を入れる、

「兄貴、遂にあのレコードを捕らえましたぜ!!」。


歓喜する店長、それを聞いてこちらまでが感動する。俺も多少は役に立つ男なのではないか。音楽を愛する、レコードを愛する男と男の友情物語。

昨日、このレコードを試しに聴いてみる。

「これ、俺のモノにしたいがな」、

こう思ったのは必然で、何の悪気もない。

そこで俺はこのレコードを、今度は自分の為にもう一枚探す旅に出る事にする。


近頃、部屋でレコードを回す機会がまた増えた。これは世紀最大の発明だと信じて疑わん。先日、部屋にフラッと遊びに来たタトゥーを愛する男が言った、

「この部屋でレコードが聴けんかったらもう意味が分からんね」。

俺の部屋は狭い。レコードがなくなれば倍は広くなるかも知らん。バットしかし、そんなロマンの欠片もない部屋、金輪際、俺には必要ない。




at 14:42│Comments(1)TrackBack(0)│ │ 

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この記事へのコメント

1. Posted by アベユウジ   October 05, 2008 17:39
相変わらずイカした文章だね。
ブログに記されているレコードではないが、俺もジミヘンがデビュー前に人のバックで弾いてるのを持っているよ。
CDだけど。
17歳の時に買った事が奇跡だと信じて止まん男、ワタクシアベユウジはその時点でミュージシャンを目指す事が確定していたと言える。(哲典風)

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