December 08, 2008

拝啓・安部裕二殿

’08.12.6(土)

粋な男の周りには粋な男が集まるという。粋な男の周りには自然と粋な女が集まるという。これ、法則、鉄則、必然。

ほら、周りを見れば一目瞭然、面白い事を一つも言わん奴等の吹き溜まり、デリカシーない者同士のカップル、道をふさいでも堂々と出来る団体グループ。

そんな輩はそんな輩で、俺達の事を馬鹿にするかも知らん。「格好つけやがって」と思うかも知らん。バットしかし、それで良い。交わる必要が一切見い出せん。それはそれで寂しい事かも知らん。バットしかし、それで良いと捉えるこの俺はヒップな気分の持主かも知らん。

安部裕二氏の人生一度の挙式に参加する。神聖な教会。俺は結局、お父さんの遺品スーツに身を包み、17歳の誕生日に手に入れたモッズブランドのネクタイを締めた。このスーツ、ネクタイは特別な日にだけ身に付けるのだ。17歳の誕生日、あれから11年も経ったのか。そしてポケットには去年の誕生日に手に入れたハンカチを忘れずに。

安部裕二氏の花嫁は愛称が「マリア」だった。教会で曲が流された。

「アヴェ・マリア」。

おいおい、計算か。ただの偶然か。ニクイにも程があるぞと思った。

教会の外に二人が出てきて写真撮影やら花を投げたりしとる時、消防車が信号待ちで止まった。その時、運転手の男がクラクションを鳴らした。そう、通りすがりのあん畜生が捧げる祝福のクラクション。

羨ましい程にニクイ光景。

誰かが「映画みたいだね」と言ったのが聞こえた。この主人公はどこまで幸せ者なんだ。粋な男にはこういった事も自然と引き起こせる力があるのだ。



二次会は「原宿 the SAD cafe」。

dscn22980001.jpg


雰囲気からしてぴったりな空間。俺は基本的に一人でその場に居座った。それで充分だった。


音楽パーティ、出しモノの途中、俺もどうしても一曲唄いたくなってきた。

「蜂蜜を持って来てくれ 
ふっかけるのさそこの二人に
邪魔はしないどくれよ

文句があるなら幸せを分けてくれ
お楽しみはこれから

クリーニング屋でもらえる針金のハンガーに
真っ赤なジャムを塗りつけて

そこから首を通して始まる夜のパーティ
そこから首を通して踊ろうぜ 今夜のパーティ」


すなわちブランニュー・ナンバー。結局、唄うタイミングと時間はなかったがそれで良い、

’09.2.8(日)
高哲典企画
「ブレイクスルー・アコースティック 2マンシリーズ vol.2」
アット 高円寺MOON STOMP
【高哲典VS安部裕二】
 


この日にぶちまければそれで良い。この男と知り合ってなんだかんだで3年弱、ひょっとしたらそんなに深い間柄とはいえんのかも知れん。バットしかし、必要な時には何度も交わり、一緒に演ってきた。深い話をするまでもなく、お互い分かり合っとる感がある。俺はこの挙式とパーティには断じて参加する必要があると勝手に思った。なんというか、俺にとっては珍しい存在感の持主なのだ。パーティの最中、何度も「俺はこの男とツーマンを演るのか」と考えた。勝ち負けではないが、「とにかく負けんぞ」と思ったな。

裕二君と二人で写真を撮った。「世界に睨みをきかせてやろうぜ」「この写真は歴史的瞬間だぜ」と男は言った。

dscn22920001.jpg


俺には俺の世代があるのだ。とやかくいわれる筋合いはない。歴史的写真にしてやろうと本気で思った。

ケッ、笑いたい奴は笑え。そして二度と読むな。俺がお前を何千倍にもして馬鹿にしてやるぞ。

俺にはあんなパーティは到底出来そうにない。大事な仲間が集まってくれただけで涙は止まらんだろう。裕二君も泣いとったな、「ぶっとんだ恋」って曲を花嫁に捧げながら。あれはとてもキレイな涙だと思う。

「原宿 the SAD cafe」でジャンクション・カメラを千円で手に入れた。記念にしようと思った。「家賃よりもまずこのカメラを!」をスローガンに掲げた。このカメラを眺める度にこの日の事を思い出す、そして俺の記念にもなる。こういった気持ちを大事にしたい。


dscn23010001.jpg


三次会、裕二君と別れても四次会と続いた。「12.6」という日を安部裕二氏に捧げたいと確かに思った。安部裕二夫妻の名の下にあれだけの粋な人達が集まるのだ。それには必ず「生き方」が表れとると思う。

土曜日真夜中の渋谷を徘徊した。「おー、東京かー」と思ったな。

奮い立たせる様なウィットに富んだ一日をありがとう。今まで以上にぶちかまさんとなと思ったよ。

そして裕二君のお兄さんの存在感には驚いた。話はしてないが、あのオーラは普通じゃない。自信に満ち溢れた表情、行動、あれも「生き方」が生んだ賜物だと思う。

日が昇ってから眠りにつき、起きたら何と22時前。幸せな夢を沢山見た気がする。そして俺は明日、一睡もせずに仕事に向かおう。「ジョン・レノンの命日は一睡もせず」、これも断じて悪くない。

P.S 未開拓タウン都立大学駅前で、またしてもお婆ちゃんに道を尋ねられた男このワタシ、よりによってスーツ姿の、決して人相が良いとは言い難いこの俺に人はどうして道を尋ねようと思うのか。どうして俺はこんなにも頻繁に道を尋ねられるのか。七不思議にも程があるが俺は素直に嬉しい。お婆ちゃん、あんた抜群のセンスの持主だね。長生きしてほしい。









at 00:58│Comments(0)TrackBack(0)│ │拝啓 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索