February 03, 2009

あの頃の登校拒否の様に

小学三年生の時、俺は立派な登校拒否児だった。小学生になる前、保育所の時には、「小学生には夏休みがあるのに何故保育所には夏休みがないのか?」と真剣に問い続けた。所謂、生意気な子どもだ。とにかく学校なるシステムにファックユー、愛想笑い、付き合い、全てが面倒臭かった。そして俺は何を隠そう、いじめられっ子の類いだった。いや、俺はいじめられっ子を演じた事だってある。

はっきりと思い出す事は、周りが俺の事を「ホモ」なんじゃないかと騒ぎ出した。なんでも、手をかざせば俺がその手に抱きついてくると言う。

男が手をかざし、俺はそれに抱きついた。何本もの手に抱きついた。周りはここぞとばかりに笑いに包まれた。バットしかし、俺の意識の裏には明確に「はいはい」というヤッツケの感があった。俺はとっくに飽きとるのに、手はかざし続けられた。俺は演じ続けた。その方が面白いのだろうと踏んだからだ。あぁ、こいつらからはこんなにも簡単な事で大爆笑が取れるのかと見下した。

周りは俺の事を勝手に「ホモ野郎」として見下したかも知らんが、俺は俺で周りを「低能集団」として見下す事に成功したのだ。

その時の思考は今も明確に覚えとる。

何ヶ月に亘る登校拒否の時、クラス全員の生徒と担任の先生が家まで俺を呼びに来た。

嗚呼、俺の実家は小学校と文字通り目と鼻の先、徒歩7秒のところに存在する。俺はパジャマ姿のまま教室まで連れて行かれた。

訳の分からん同情を抱いた奴が俺に言った、

「今日はお前と一緒に帰ってやるよ」

おい忘れたのか、俺の家は学校から徒歩7秒なんだぜブラザー。


ところで俺は今日も仕事を休んだ。そして愛想は尽き果てた。

ただただ二月、ただただ節分というだけの一日。

贅沢という贅沢にさよならを。





at 13:38│Comments(0)TrackBack(0)│ │短編 

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