March 18, 2009

シミッタレたワタシの24時間物語

あっという間に朝は来る。洗濯機を回し、その間にロードバイク跨り三軒茶屋、水道料金を給水停止間一髪で払い込み、平日のど真ん中を色鮮やかに塗り替えようと、行きつけ「喫茶・エルマーノ」で初のモーニングを啜る。

部屋に戻れば洗濯物を吊るし上げ、一週間振りの洗濯に関わらず一人分の為、洗濯量が案外少ない事に戸惑いは溢れ、その逆に食器量の多さに刹那さが突き刺さる。

久方振りにギターを抱えれば五弦が弾け飛び、俺は天狗様が堂々と鎮座する神社で両手を合わせた後、ヒートウェイヴを片耳に聴きながら上野へと出向く。

それにはやはり電車に乗り込む必要があり、俺はあの日と同じホームに立ち、線路をぼんやりと眺めた後、両手を強く重ねて目を閉じ、せめてもの黙祷を捧げる。この行為をハナで笑う輩がおるとすれば、俺はそんな輩とは一生付き合う事はないと誓う。今や、線路を見る事自体に侘しさを感じる。線路を見る度、偽善者か知らんが、散っていった命に黙祷を捧げたい。

電車に乗り込んだ途端、イヤホンからはヒートウェイヴのMDの中に一曲だけ詰め込んだ、ルースターズ「ONE MORE KISS」が溢れ出し、その瞬間だけは両耳にイヤホンをつけ神経を傾ける。

渋谷で美術館チケットを探し、面影を探し、レコファンでヒートウェイヴのCDを漁るがご多分に漏れず見つからず、それ以外のCDを二枚引っこ抜く。

上野へ向かうには山手線の外回りなのか内回りなのか、その前に外回りがどっちで内回りとは一体何の事なのか、それさえ分からず丁度来た電車にとりあえず乗り込んでみる。車内のブラウン管に映し出された線路図を見て、明らかに逆方向に乗り込んだんとちゃうんけと相成るがそんな事はもうどうでも良い。車内で居眠りし上野に到着すれば「ルーヴル美術館展」鑑賞。

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1600年代のヨーロッパ絵画を鑑賞し、絵は写真よりも正確で、おぉ、こんな時代も確かにあったんかと偉そうにも腕を組んで感心するに至る。

今日は確かに美術館の気分だったが、俺は残念ながら気を紛らわす事に精一杯で、以前なら間違いなくついて来た筈の本物の相棒の不在にまたも寂しさが込み上げてくる。

周りの頭の弱そうなカップル、女達のまるでウィットに富んでない会話に何気なく耳を傾ければ、嗚呼、俺と付き合ってくれる女の子などもう金輪際現れんのではないか、偉そうにいえば「分かる奴」などもうこの世におらんのじゃないかと、本物の相棒の不在に、より一層の寂しさが込み上げてくる。

上野の街をぶらつき、雰囲気一発の定食屋でWBCを観戦しながら味噌汁を啜り、「此処ええよな」などと一人呟き、車内で居眠りし下北沢まで舞い戻る。

古着屋を何店か冷やかし、下北沢タウンに突如現れた「HANJIRO」を冷やかし、万事予定通り、アイリッシュ・ウイスキー「JAMESON」を手に入れる。

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これはそう、3.8(日)高円寺ムーンストンプで二杯程煽ったウイスキー、シミッタレの思い出ウイスキーだ。

あっという間に夜は来る。そんな訳で当分寝てない。

美術館が好きだ。神聖な空気が確かに存在する。

シミッタレの思い出ウイスキーでも流し込んで、静かに眠る事とする。

P.S 古着屋で発見した映画フライヤー、「THIS IS ENGLAND」。一秒で観に行く事を決める。こんなモンはフライヤーのセンスだけで決めさせていただいてまるで問題はない。反逆のスキンヘッズに愛を。


at 20:30│Comments(0)TrackBack(0)│ │芸術鑑賞 

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