August 15, 2009

酔いどれ気分の常習犯

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右肩上がりの左団扇、右往左往しながらも結局は前しか見ない男このワタシ、休日とはまるで夢の様。

詩人の言葉がフラッシュバック、「冴え渡るリアル原色だらけ」、

ヒップな表現力には脱帽を。

世の中はかの有名な「お盆」のど真ん中、バットしかし、俺は俺のど真ん中、無意識の内に神戸行き格安深夜高速バスチケット&モダンホテル一室はいつの間にか確保、そうそう、巣鴨に行くかの如きスナックファッションで甲子園行き。

真昼間のルートスゥイートホーム、雪駄をペタペタと鳴らしながら歩けば通り沿いの窓を開けたマンションの一室からアナウンサーの白熱した実況中継が聞こえてくる、


「おっと、セカンドゴロー!!」

俺はといえば窓越しの姿を想像してニヤケながら呟く、

「君、良いねー」


これすなわち、夏の風景代表格。そして俺はずっと一人で喋り続けている、

「なぁ、そう思うやろ?」

「おぉ!それほんまか!」


本日の第四試合、九回裏にサヨナラホームランが飛び出した時、俺は確かに目に涙を浮かべて気がフレた様に手を叩いていた。そこには打った選手が喜ぶ姿、応援席が歓喜で震える姿、ただの観客が感動した面持ちで拍手を送る姿、アナウンサーの興奮した実況などが交じり合っていた。そう、夏の燃える甲子園とはもはや「野球」という枠などとっくに飛び越えている。俺が好きなのは野球ではない、こんなロマン溢れる光景だ。アカの他人の目玉にまで涙を浮かべさせる様なこんなロマンを愛している。

夕方には晴れ渡る空を見上げながら「探偵物語」と「傷だらけの天使」を観賞。そう、俺が好きなモノは何もかもロマンに繋がる仕組みだ。

散歩がてらにラーメン屋へと出向けばカウンターだけの店内に客は俺一人、カウンター越しには店員三人がこちらの頼んだ中華そばにツバキが飛び散らんばかりの勢いで与太話を繰り広げている。その話が面白いのならともかく、三百歩譲ってもまったくもって面白くない会話展開であるのには閉口し、ただただやかましく、客の気持ちを察することすら出来んこのノータリンメンマ店員共に特製こってりスープをたっぷりと流し込んでやりたい衝動に駆られたが、この面白さは奴等三人にはどう説明しても伝わらんであろうが故、止めた。いくら怒鳴り散らしてもこのノータリンメンマ店員共には「何にそんな怒ってはるの?」などと素っ頓狂極めた表情で聞き返されそうな恐れ、「怖い人が来た」などと怒らせた原因は棚に上げて言われてしまいそうな恐れ、それにより俺の怒りは増幅する一方になる恐れがあるが故、止めた。

交わる事のない人達、これは何時何処で現れるか分かったモンじゃない。その与太話により、俺は「水もう一杯もらえまっか?」のタイミングさえも失っとるのだ。それにさえ気付けん人間はそれにさえ気付けん人間と仲良くやるんだろう。恐ろしき人間関係、俺はそんな輩には交わらない。ドンクサとうもろこし星人には心を開かない。開き方が分からない。

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帰り際に手に入れる525円チェット・ベイカー。これに525円を使わずに一体何に525円を使えば良いのか、俺にはもはや分からない。針を落として0.7秒、すなわち1秒を待たずしてイカした雰囲気伝わるレコード。

座右の銘「自らの価値観を守る為にはデリカシー忘れるべからず」、平等ってどういう意味だ、しょうもない。俺は行くぜ。


at 20:47│Comments(0)TrackBack(0)│ │散文 

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