March 24, 2010
破滅型の男の物語に憧れる ’10
「ゆりかもめ」なるハイカラ線路に揺られながら「この行為は後程語り草になるぞ」などと考えていた。
9年分の思いを一ツアーで取り戻してやるって寸法だ。
何ちゃらコミュニティを駆使し、大枚叩いてチケットを確保した。
スナック感覚代表格、後先の事など考えたくもない。
バットしかし、会場に着き周辺を徘徊する内、眩暈がしてきた。
白ワインの猛威、「これがかの有名な二日酔いというヤツか」、最初は思った。
ボブディランは颯爽と登場し高らかに唄い上げる。
平常装い今この瞬間に全神経を傾けようとしたのも束の間、
こちとら冷汗、脂汗、眩暈、とんでもない睡魔、
何やらかんやらに突然襲われ駆け足でトイレ一直線、しこたま吐いてしまう体たらく。
そんな事が何度か繰り返され、立つ事さえままならず、時に座り込みながら二度目のボブディラン観賞。
トイレにへたれこんで聴いた「ハイウェイ61」、
幻覚症状の最中で聴いた「ライク・ア・ローリング・ストーン」、
俺は永遠に忘れない。
雨の降る中、クラクラのペラペラ状態にて凭れながらどうにか部屋に辿り着けば告げられる37.7℃。
すなわち、二日酔いでも何でもなく、俺はどうやら専売特許「我が物顔」さえ奪われる程に体を壊していた。
煙草もウイスキーも珈琲さえも視界に入れたくなかった。
その時、俺が最も欲したモノはまさか、「バナナ・オレ」唯一つだ。
勢い任せも度が過ぎたという事か、調子に乗り過ぎたツケか。
仕事を休み、時に甘いモノに頼りながら日々を航海。
「アンタ、筋金入りね」
ヒップな女に愛情たっぷりに呆れられるのが俺の夢、まだまだ行ける。