April 08, 2010
モダン中毒のすすめ ’10
履歴書に「中毒」という欄があるなら、俺は「珈琲」、「ウインナー」、そして「レコード」と書き殴りたい。
ボトルコーヒーを二本小脇に挟んで持ち歩いていた俺にモダン且つキュートな女が呟いた、
「珈琲で生きてるの??」
イエス、断固イエス、アイセッド「ガソリン!」、
君の言葉は何かと胸に焼き付く、そのさり気ない呟きはヒップな発言の宝庫だ。
仕事をササッと抜け出し駆け込み寺、はたまたホスピタルの呼び声高きレコード屋へと一目散、
12000枚程のレコードを次から次へと抜き差しして漁りまくる過程であっという間に心は洗浄、
計8枚を抜き出し10814円、稼いだお金は全てハイカラレコードにすり替わるって寸法だ。
「ホットドッグを世界一旨そうに平らげる選手権」驚異の18年連続金メダリストこのワタシ、
合間にはイカサマ渋谷タウンの街角で、駐車場に止まっていたオールドワーゲンを眺めながらホットドッグに噛り付き、
新宿のレコード屋へ乗り込む事も美術館へ駆け込む事もないままに瞬く間に時は過ぎて行く。
レコード袋を小脇に抱え込んで部屋の扉を開ける寸前、
俺は大事な支払いの為に取っておくべきお金をレコード漁りに費やしてしまった事を遅ればせながら思い出しいささか閉口したが、
座右の銘は「どうにかなる」だ、器の小さい人間さようなら。
因みに「大事な支払い」とはあれだ、そう、レコード代だ、まったくもって笑いが止まらない。
スピーカーからはサックス吹きがそのまま飛び出してきそうな音量で50’s ロックンロールを、
フランス人がそのまま飛び出してきそうなフランス音楽を、
そして雨の降る日は細野晴臣で踊り続ける。
ジャケット&歌詞カードは遂に根こそぎ印刷業者へオーダー、そして返事がくる、
「データチェックが完了しました!どうぞ御安心下さい!」
解放、解放、また一つ解放だ。
久方振りの映画観賞は1960年日活映画「錆びた鎖」、
嗚呼、俺はこの時代に生まれるべきだったと考えたくもなるモダン具合、時に昭和歌謡に勝るモノなどこの世にはない。
次は何だ、その次は?
旅に出たい、旅に出たい。