November 03, 2009

拝啓・56ブルーズ

’09.11.2(月)

気付けば約三年もの間、公私共にほとんど毎日の様につるんでいるとさえいえるハイカラ男、ゴロー。

そんな男がギターを掻き鳴らすバンド、ザ・ブルースドッグスの企画ライヴに出向く。

そこではさも関係者かの如き心意気と湧き出る仲間意識に胸躍り、矢継ぎ早にビールを煽り続ける。

一体何杯呑んだのか、そんな事柄断固ノープロブレム事項、

ザ・ブルースドッグスのライヴが始まる頃、俺は最前列スピーカー前に颯爽と陣取り、男も女も入り乱れて歓声を上げる。

ある男は胴上げにも似たダイヴをして舞い上がり、

ある女はステージ上に現れたストリッパーに興奮して写真を撮り、

肩を組んで笑い合い、

俺はギターソロを弾き鳴らす昔気質で不器用なその男の口に吸いかけのJPSをプレゼントする。

その瞬間、ある女は「ナイス」の合図を送り、俺はその倍、合図を送り返す。

煙草を咥えてギターソロを弾き続けるその一コマ、

何故あのシーンを写真に撮らなかったのかと後悔する事多々あれど、

俺はその映像をしっかりと脳裏に焼き付けて断固譲らない。

それらはまったくもっての粋具合、そしてヒップ極めた光景、

打ちのめされた男達が立ち上がる為の唯一無二の行動の様、

まるで自らの出来事の様に思えた嬉しさ溢れる騒がしい夜。

「まだまだやれるぜ」などと客席側から自らに言い聞かせる様に何度でも叫び散らかしながら、俺は独自のダンスを踊っていた。

なぁ、愛すべき君、

俺には仲間と呼ばせてほしい仲間が確かにいるぜ。

それはあまりにも幸せな事だといえるぜ。

なぁ、愛すべき君、

去年の燃えたぎる合同関西ツアーの時から今日まで借りっぱなしのギターケース、

あれはもはや俺のモノだと信じて疑わずにいて良いのかい?

ここだけの話、使い過ぎてチャックの部分がすっかりイカれてしまってるんだ。

今や安全ピンを駆使している始末だ、チャーミングに許してやってくれないか。

ところで散々呑んだ帰り際、700円の真っ赤なスゥイングトップをさも「7900円しましてん」顔で着ていた俺にライヴハウスのイカした兄ちゃんが突然話しかけてきた、

「ジェームス・ディーン!!俺もそういうの探してる!」

700円の真っ赤なソレは確かにジェームス・ディーンのアレに似ている気がしていた。

そして俺はいつも通り、汚れたままの襟を立てていた。

「これ700円ですねん」

そこで俺達は固い握手を交わした。

それは俺の中で確固たる勝利を収めた瞬間、まさにロマンの理想郷、

嬉しかったのは俺が着ていたモノがジェームス・ディーンのアレに似ていた事ではない、

イカした兄ちゃんがそんな事をはっきりと知っていた事と、

そのスゥイングトップが700円だったという事実だ。

そんな訳で理由ある反抗は永遠に止めない、

何故ならば平凡でいては決して得られない程の喜びに出くわす瞬間が確かにある事を知っているからだと一丁前にヌカし続けてやろう。

狂乱三連休の幕開け、明日はモダンな輩共とBBQセッション、俺はご多分に漏れずモデルガンを撃ちまくろう。

すなわち自由の立役者このワタシ、

年末博多直行便深夜高速バスチケットは確保、ヒップな旅は何処どこまでも。













at 21:58│Comments(2)TrackBack(0)│ │拝啓 

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この記事へのコメント

2. Posted by 高哲典   November 06, 2009 17:34
拝啓・56ブルーズ パート2
粋な部分、粋な仕草、粋な格好、そんな類いは意識して出来るモンじゃない、様々な経験から自ずと滲み出るモンだと信じて疑わない。
俺は今やアンタを知り尽くし、アンタは今や俺を知り尽くしている。
数々の魂の話、弱い部分、強い部分、チャーミングな部分、それらを知り尽くした上で俺達はお互いを裏切らないだろう。こうして類い稀なる関係性は築かれ続ける。
偽者が我が物顔で堂々と蔓延る昨今、
敵と味方はいつだってはっきりさせた方が良い。
なぁ、愛すべき君、
今度はお気に入りの喫茶店でブラックコーヒーでも啜りながら魂震える話をしようぜ。
何たって俺達、アルコールなんて二の次で問題ないんだ。
アンタからもらった数々の言葉を俺は断固忘れない。
1. Posted by ゴロ   November 05, 2009 22:16
レッドウィークはどんな調子ですか?
お互いチャーミングな部分を見せ合い笑いあった昨夜の記憶もよみがえる。
「愛すべき君」へ、ギターケースは最初からあなたのモノです。存分に使ってください。
タバコの演出は粋だった!
最初は顔に何かつけられると思って完全にビビッてました(笑)
ライダース羽織っている写真いいですね!
あれ最高!

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