December 10, 2009

クール短編

安物ウイスキー代表格「トリス」、コイツとまるでブランニューバンドでも組んだかの如き心意気、

「15分後に行くぜ!」

電話越しに聞いたそんな台詞の僅か15秒後、今村竜也氏が扉をノックした。

イタズラ心愛好家このワタシ、「入り給え」と心の3LDKへと誘う。

「喉が渇いた」と男はヌカし、勝手気ままに冷蔵庫から500ml缶ビールを取り出し、

俺はといえば得意のウイスキージンジャー片手に気付けばAM3:08、

ブラウン管にはジム・ジャームッシュのモダン映画が消音で映し出され、

ヘロンヘロンになりながらある事ない事、喋り続けていた。

ビデオテープで巻き戻したりしながら何度でも見返したい、そんな真夜中の出来事。

なぁ兄貴、あんな会話は充分売りに出せるぜ、思い出しても笑いが止まらない。

俺は媚びない、懲りない、そして負けない、

積み重ねてきた経験は全て顔に表れ、いつか全ては堂々たるハッピーエンド。

座右の銘「全てを笑いに」、

経験と教養の欠片もない輩がファッション感覚で気取るのは止めとけ、ボロは必ず暴かれる。

そして俺はまだまだ強くなれる可能性を秘めている。

さて、「今夜もまずはビール」と冷蔵庫を開けてみたら6缶パックで仕入れておいた筈のビールがどこにもない。

あのヤロー、最後の一本を勝手気ままに呑みやがったみたいだ。

「ふざけるなよ」と吐き出しながら八連発の投げキッスを贈ろう。





at 21:16│Comments(0)TrackBack(0)│ │短編 

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