December 17, 2009

サムタイム・サムタイム

スキンヘッドレゲエを部屋中に流しながらやるべき事は風呂掃除。

水の音と換気扇の音により小粋な音楽はかき消されてしまったが、それに構わず汚れ過ぎた風呂場を磨き続ける。

あまりの汚さに閉口しながら「これではいけない」と考える。

目を向けるところがあまりに多くとても追い付けない。

ノー、断固ノー!

追い付けないなんて恥ずかしい言い逃れだ。

時々、とんでもないトラウマに襲われる事がある。

それでもヘラヘラと笑ってるってんだからまだまだ余裕かも知れない。

ボロボロの外観がそそる一番街のラーメン屋へ3年11ヶ月振りに足を踏み込み、チャーシューメンを注文する。

テーブルに置いてある夕刊に手を伸ばし、何か様子がおかしいと思えばそれは「12月4日付」のモノだった。どうなってんだ、まったくもってイカす。

風呂に入り、体中に石鹸を泡立たせ、伸び放題の髪の毛を洗い、一気に洗い流すぜと気取った矢先、突然お湯が水に変わった。

どうなってんだ、理由など知ったこっちゃない、

飛び跳ねながら発狂し、止むを得ず冷たい水で全てを洗い流す俺は確かに29歳、クズかも知れない。

ところで宣伝という行為が断じて好きじゃない、乗り気になった例がない。

バットしかし、マネージャーはおらず、俺は一人で活動する、

宣伝をするのも無論一人、喜びを噛み締めるのも傷付くのも全て独り占め、俺は我儘な男だ。

ワンマンショーへ向けて何十人かに連絡を取った後、気付く。会場が何処かを書いてなかった事に気付く。

メールという行為自体が元来好きじゃない、「メール」と口にする事すらなるべく避けたい程だ。

昔は「メール」の事をずっと「手紙」と呼んでいた。伝わりにくく、今は渋々「メール」と呼んでいる。そうか、俺は挫折したのだ。

寒い、お湯が出ればもう一度シャワーを浴びたい、それだけで充分に贅沢だ。

暖房の中でヒップな映画を観よう、この行為は奇跡だ。



at 23:08│Comments(0)TrackBack(0)│ │散文 

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