August 22, 2010
甲子園の中と道の上 ’10
’10.8.21(土)
格安ホテルをチェックアウトし、決勝戦開始の三時間前には既に甲子園内をうろついていた。
チケットは軒並みソールドアウトで、俺はどうにか滑り込みで三塁側アルプス席チケットを確保し、
東海大相模大応援スタンドにさも「99年度卒業生」面で座り込んだ。
ありあまる時間を駆使して物思いに耽り、そしてランボーをペラペラと捲った。
ところで甲子園内の喫煙所にて、22歳の誕生日に手に入れた大事な大事なジッポライターを失った。
居た場所を離れる時には忘れ物がないかの三度見確認を断固怠らない男このワタシ、
決勝戦という事で浮かれていたのか、確認を怠りJPSとライターを置き去りにし、気付いて取りに戻った時には無くなっていた。
ドクロとトランプ柄がほとんど剥がれたイカすライターは甲子園で姿を消した、懸命の捜索も報われずさようなら。
東海大相模大応援スタンドからは興南大応援スタンドが見渡せた。
「ハイサイおじさん」の粋な音頭に足が自然と踊りだしたが俺の席は東海大相模大応援スタンド、
「99年度卒業生」という設定であるが故、適度に控えた。
試合を観戦しながら、どちらが勝つとか負けるとかなどは実にどうだって良く、
「これだけの人間に応援されるのは一体どんな気分なのか」という味わったこともない感情を想像してみただけでビリビリときた。
何かを応援するという機能が圧倒的に欠けている男このワタシ、
俺は所詮、自らの事しか応援出来ない底無しのあん畜生。
試合前に灼熱の甲子園で読んだランボーの詩を拝借しよう、
あらゆるものに縛られた哀れ空しい青春よ、
気難しさが原因で僕は一生をふいにした
心と心が熱し合う時世はついに来ぬものか!
ほら、トランクにランボー、まったくもって役に立つ。
本気で帰りたくない感情が襲い出し、
北海道にでも飛びたい衝動に激しく駆られながら梅田の街を歩き倒し、
頭の中で作り上げていた詩を結局は律儀に乗り込んだ新宿行きバスの中で書き込んだ。
’10.8.22(日)
音楽など聴かず、思考と葛藤を繰り返しながら瞬く間に新宿に降り立つ。
動きを止めたらどうしようもなく厄介なモノに飲み込まれそうで、
午前一番、着替えるのもしゃらくさく、水着にリュックサックの定番スタイルでロードバイクまたがり神聖なる駒澤公園まで一っ飛び。
あの日、水着を手に入れていたかいなかったかで俺の常夏独り占め気分は随分と違っていただろう。
昨日までの甲子園、先日の岩手、旅の幕切れに愕然としながらハッタリクロールで息も絶え絶え泳ぎ続ける。
そして間髪入れず天下の六本木タウンまでロードバイク走らせ「マン・レイ展」鑑賞、
もう何も終わらせたくないなどと粋がる胸中。
ドヤ街情緒溢れる新世界だろうと天下の六本木だろうと頭にはタオルだ、しょうもない事柄に縛られ続けるのは止めろ。
ところで一心不乱で走り続ける道中で、
一生外さないと強く決めていた靴職人兄貴にオーダーメイドして作ってもらったブレスレットを落とした。
一夏を共にしたブレスレットはきっと246号の道の上、懸命の捜索も報われずさようなら。
俺は大事なモノを身に付け過ぎているのかも知れない、愕然とする程にうなだれて苦笑い。
さぁ、灼熱の甲子園で読んだランボーの詩を拝借しよう、
この世は欠点だらけだと君は言うのか?驚いて?
気にせずに、生きてみたまえ!
たいていな不運なんかは放っておいて・・・・・・・。
田野畑村のKEYNAと、素晴らしく美しい写真だと思う。
天国へ行ってしまったのえさんと最後に交わした言葉が忘れられない、
「一歩外に出ただけで、歩く速度が違うだけでストレスだ」
俺は死なない、この写真の様に笑える事だけ求めていたい。
’10.9.21(火)
ライヴ アット 池袋トライ
w/山口ひろとし/渡辺としのり/etc...
18時開場/19時開演/1000円(+1drink)
田野畑村にて共演の山口ひろとし氏と早速にして迅速極まる再会、運命なんて簡単に変わる。
’10.8.30(月)
十条フォークジャンボリー主催
【池袋オープンマイクジャンボリー】
18時開場/19時開演/500円(+1drink)
こちらは呼ばれもせんのに「やぁ、来ちゃいました!」顔にて新曲を連発予定、
「たいていな不運なんかは放っておいて」何かに縛られるのは止めだ。
よく聞けよ、焦燥のセンチメンタルボーイズ
一人ぼっちを気取る程、一人ぼっちでもない(ニュースタンダードナンバー)。