September 13, 2010
人生ゲーム ’10
ニューヨーク行きまで残りジャスト90日、
朝も早よからジリブルと電話を鳴らし「そのまんまヤーサン」なファット係長を呼び出す、
「ほら、あの時のオレです。合言葉?格安」
航空券の手配を本格的に始める逆キングバーガー野郎このワタシ、
先手必勝、聖地チェルシーホテルは既に確保済みの快挙。
15日までで今夏の営業を終えるKKKP(駒澤公園区民プール)まで間髪入れず一目散、
ラストプールザムライの心意気でニューヨークシティまで続いているであろう空を見上げながら浮かび続ける。
ところで黒い指輪は見つからない、
ゴミ袋を根こそぎひっくり返し、小汚いティッシュまでめくり上げ、
便器を覗き、洗濯機の中まで凝視しても見つからない。
ブーツを裏返し、それで出てくればロマンの塊だと思ったがそうは問屋が卸さない。
俺はしつこい、少なくとも愛着ある代物と愛着あった人間関係のイザコザにおいては。
靴職人兄貴に御挨拶、
「右手中指を独占していた大切な黒い指輪が消えたんだ」
「ここは靴屋だぜ」な顔でやっこさん、初めて入る注文に颯爽たるアンサー、
「おーなるほど、やってみましょう」
区役所では天下の年金手帳作りに四苦八苦、
知性溢れる清楚なおっさんVS素肌にボーリングシャツのアクセサリーを18個身につけたポマードヒゲポンコツ(PHP)、
【レッツ・ゲット・ロマン】パート5はもはやアンタで決まりだ、
何たって俺みたいなモンが社会保険に加入する時代だ、何が起こるかは神様にも分からない始末。
場違い区役所をひいこら抜け出し憩いの場という名のレコード屋、
赤木圭一郎「永遠のトニー」を400円の破格値で手に入れ胸躍らせながら早速針を落とせば、
一曲目から軽快な「コーヒールンバ」のメロディが流れてきた。
「トニー様はこんなのも唄っていたのか!」
唄い出すのを今か今かと待っていた矢先、聴こえてきたのはインストゥルメンタル「コーヒールンバ」、
トニー様は待てど暮らせど唄い出す気配がない。
いよいよ雲行き怪しくなりラベルを確認すれば中身は何と「P盤アワー・ヒット・パレード」、
すなわち、おいこれどこのパレードやねん×たっぷり9年分、
仕方ないからオーケストラ版「コーヒールンバ」で踊って「アゲル」。
逆スイマーの申し子、渡辺雅弘氏からジリブルと電話が鳴る、
「今年の誕生日は2回過ごすって魂胆なんだ」
「アンタ、本物の馬鹿だね」
まったくもってイカす口の悪さ、
価値あるやり方、お金があるかないかは重要じゃない、
重要なのはロマンだ、それも「ど真ん中」のヤツ。