December 21, 2010

ニューヨーク・サブウェイ・ブルー ’10


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【ニューヨーク・サブウェイ・ブルー】


地下鉄の構内でブルースを弾いてる奴がいる
誰も気にしてないけど、誰も聴いちゃいないけど
しがない旅人の胸にその音突き刺さる

地下鉄の構内でトロンボーン吹いてる奴がいる
冷えた体を丸めて、ハードケースを広げて
その中が綺麗な金で埋め尽くされる日を夢見てる

地下鉄の車内で、或いは浮かれた西4丁目付近で
やけに陽気な浮浪者がサンタクロースの帽子を被って
「ジングルベル」を唄いながら小銭を掻き集めてる

紙コップに入れられたその小銭でリズム取りながら
やけに陽気な浮浪者がサンタクロースの帽子を被って
寒さを誤魔化しながらクリスマスを祝おうとしてる

「ジングルベル」を唄いながら
哀しみをおどけて演じながら
紙コップが綺麗な金で溢れる日を夢見てる

地下鉄の車内でチェロを弾いてる奴がいる
まるでこの世界はただ俺一人の為にあるんだと
何食わぬ顔立ちでその精神突き付ける

ところで俺はポケットから適当なドル札を
引っ張り出して奴等の胸の奥に押し込んだ
それはファッションだとかそんな安い意味合いじゃなくて
いつか胸の奥深くまで温まるのを願いたいから
ハードケースと紙コップに溢れる夢を見てるから

地下鉄の構内で、溢れ出る感情でもって
名もない旅人にその精神突き付ける



ニューヨークで何より目を奪われ感銘を受けたのは、

銀座や六本木の如き高貴な雰囲気漂うタイムズスクエア周辺でも自由の女神でもなく、

道化を演じるやけに陽気な浮浪者の誇り高き姿勢とライヴバー&ジャズバーに紛れもなく根付いている文化だ。

帰国して即座に書き上げた詩と曲はブルースとかいうヤツ、

俺ってひょっとして底知れぬ程に音楽を愛して止まない男代表格なのかも知れないと改めて気付く。

以前誰かがヌカした、「アンタの詩は弱者への唄だ」、

タイムズスクエアのさぞかし輝いた光景よりも浮浪者の詩が何より先に自然の内に生まれた事実に歓喜する。

ライヴバー&ジャズバーでは5ドルや10ドル程度で良質な音楽があちこちで鳴り響き、

客は音楽を肴に呑みまくり、その音楽がイカせばイカす程に盛り上がり出す。

シラけた日本の雰囲気だとかノルマシステムだとか何だとか、そんな類いはもはやハナで笑うしか手立てがない始末。

今は次の旅の事しか眼中にない、3月4月には再度アメリカを訪れたい、

気負う必要さえ消えた今、ロンドンよりもフランスよりもまずはもっとアメリカを知りたい、

すなわち、頼りは世界共通のスナック感覚に他ならない。

そしていつか必ず俺は何かしらの事業を起こす心意気、

恋人だとかどうしようもない輩だとか何だとか、そんな類いは八の次で良い、

俺は何とも競わない、完全に燃え尽きていつか必ず死ぬだけだ。

昔の興奮と今の衝動を合わせてロックでストンプでも踏んだら新しい事出来そうな気がするわ

我が愛しのマリーの名言に夢を。



drecom_eroom5session at 02:55│Comments(0)TrackBack(0)│ │AMERICA 

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