February 14, 2011
性分に告ぐ ’11
'11.2.13(日)
ライヴ アット 下北沢Laguna
1.ラウンドミッドナイト
2.思い出を繋ぎ合わせて今を生きる
3.ニューヨーク・サブウェイ・ブルー
4.愛すべき日々
5.流れる道の上
6.ロマンのど真ん中
あまりに音が悪くて閉口した。
音に特別な拘りの無い俺がそう思ってしまう程のヤツ。
リハーサルの時点で「俺は帰るぜ」と吐きかけたが、
音が悪い事を理由にして帰るなんて特級のダサさだと感じる心はどうにか持ち合わせていた。
拍手の欠片もないステージを見ていた。
これは執念を要する夜だと思った。
出番がきて唄った。
マイクは半分捨てた。
客がイカす類いの野次を投げてきた。
ええ加減な言葉遊びでそれに捲し返した。
ギターの音が良いと男達に褒められた。
「貰い物で生涯の相棒なんだ」と答えた。
イングランド産とドイツ産のビールを呑んだ。
あまりに旨過ぎて閉口した。
リーゼント野郎と与太話を喋り続けた。
客は俺一人になっていた。
気が利くウィットの持ち主で何時間でも話す事が出来そうだった。
「音が悪くて本当にすいません」と誰かが言った。
「気にしちゃ駄目だ」と答える術はどうにか身に付けていた。
企画に呼びたい男と連絡先を交換した。
気付けば嬉しくて良い夜だった。
ところでロサンジェルス二泊、サンフランシスコ三泊からなる周遊格安航空券を完全手配した。
羽田深夜発の深夜便で夜を超え、まずはロサンジェルスに降り立つ。
財布の中身が幾らあるかなんてさほど重要じゃない、
重要なのは心意気だけだ、あとは全てクダラナイ事柄。
ロサンジェルスのカジノで、ヒッピーの聖地「ヘイトアシュベリー」で 、
俺はさぞかし不気味な笑みを浮かべるだろう。
いつか誰かにほざいた言葉を今も鮮明に憶えている、
「パスポートさえあれば俺は何するか分からんぜ」、
この言葉の意味を誰よりも知っているのは断固俺でありたい。
旅とかけて性欲と解いてやろう、
俺は行かないと気が済まない性分だ。