April 20, 2011

ルームナンバー210 ’11


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気付けば日替わりで人間らしい人間がやって来る、

生ゴミと煙草と何やらの香りが沁み込んだファッキンチャーミングな部屋のナンバーは210。

ヤツはモダンソファに腰掛けて、俺は万年ベッドに横たわり、

ヤツはレコードを裏返し、俺は目についたレコードを取っ替え引っ替え、

ヤツは珈琲、俺も珈琲、アルコールなど無くても酔っぱらい、

ヤツと久方振りに再会し、俺は心配事を365日中998日抱え込んでいる間抜け者、

自分が蒔いた種を自分で掻き集めてるってだけのクダラナイ大茶番喜劇役者に過ぎない。

一言聞けば全て答えが出るんだろう、

一言ヌカせば全てがきっと崩れ落ちるんだろう、

だから何も聞きたくない、そしてヤツは硝子細工心の修理業者代表格。

「もっとお前と一緒に居たい」と盛大にヌカしてみようか、臆病風は置いといて。

「君は俺の恋人か?」、問おうとしたが間一髪で絶対に止めた、
 
「ヤツ」がハイカラなお姉ちゃんではなくバイク直したてのディープジェントルメンだったからだ。

まったくもってイカす、俺の人生、そこまで間違いだらけでもない筈、 

一人ぼっちだなんてほざけば罰が当たる事くらい、いくら大茶番喜劇役者でも知っとけって話に過ぎない。 


drecom_eroom5session at 01:14│Comments(0)TrackBack(0)│ │短編 

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