December 26, 2011
散文:君は「メリー何ちゃら」と心底からホザいた事があるか? ’11
'11.12.22(木)
公開生放送というヒップな名目の下「アリゲン×Majix Night」に参加、二曲を弦も切らずジャリズリと唄い納める。
そして出演者全員トークなる未知の領域に挑戦、掲げられたテーマは「クリスマスの思い出」、
逆トナカイ野郎を演じ続けて31年、意味も知らずファッション感覚でクリスマスを祝う事を毛嫌いしてきた俺の唯一の思い出、
一生吐く事のないであろう言葉、「メリークリスマス」をスーパーのレジ前で初めて吐いたニューヨークシティでの出来事。
忘年会の如き雰囲気で関係者の方々と顔を合わし挨拶を交わした後、ヨタフラと歩くルートスゥイートホーム、
「年末」、この響きはいつだって神聖なモノ、冴え渡るAM05:03、ウイスキーグラスを掲げて眠りに落ちる。
'11.12.23(金)~24(土)
「今日は颯爽と切り上げるぜ」の胸中で繰り出すファッキンジョブ、そして颯爽と切り上げるファッキンジョブ。
ボッサガールと適度な与太話で乗り込むポストマンバイク、
風が吹き荒ぶ夜、荷台への乗り方を模索しながらボッサガールセッド、
「明け方までにはきっと辿り着くよ」
そのウィットにヘロつく帰り道、ところどころに存在する公園で良い塩梅の話を繰り広げながら突っ走るルートスゥイートホーム。
三流ウイスキーも嗜まん内にウトグラとしかけたPM23:32、我が愛しのヒッピー野郎からジリブルと電話が鳴る、
「今から行って良いですか?」
そして「貴様、来やがれ」の二つ返事で出迎える猿小屋AM00:07、コロナビールと何ちゃらキノコまんを差し出しながらヤツセッド、
「ハッピーバースディ!」
AM04:33、コロナビールはいつの間にか特級ブラックラベルをしこたま入れたウイスキーグラスに代わり、
鳴り止まない下世話極まるマシンガントークを発射し続けながら迎えるAM07:05、
「眠るとヤバいぜ」の心意気で流し込むボトルコーヒー、続く茶番話、気付けばAM11:01、
ヤツセッド、「こんな最高なクリスマスイヴは今までにないぜ」、
結局一睡もせずジャンキーの面持ちで仲良く向かうファッキンジョブ、
ヤツは俺の破れたシャツとカーディガンを見事に着こなしているまるで恋人。
ランナーズハイ気分を存分に味わいながら終始ゴキゲンにコトを片付けながらヒッピー野郎に告げる、
「お前眠たいか?俺は今からまだ呑めるぜ」
「アンタ、とんでもないね」
内に秘めた自らのハッタリ精神、集中力、忍耐力にそこそこ驚いていた矢先、誰かと誰かが茶化しながら声を掛けてくる、
「メリークリスマス!」
返すウィットも見当たらず苦笑いを繰り返す逆トナカイ野郎セッド、
「それ、俺も云った方がええんか?」。
「俺は何も知らない事柄で祝える程に心優しい人間でもない」、
そんな胸中を引き摺り回しながらかれこれ36時間31分眠らずに迎える「クリスマスイヴ」とか何とかって夜、
生まれてこの方、初めて真っ向から「クリスマス」項目を辞書で引いてみる。
結果、「神が人としてこの世に降り立った日」をクリスマスと呼ぶのなら、
ファッション感覚ではなく、世間がそれを重々知っていて盛大に祝おうとしているのなら理解は可能、
散々ハナで笑っていた摩訶不思議な言葉、「イヴ」の意味さえ多少知ったこちとら、
31歳にしてクリスマスに対する偏見を三割半取っ払う事に成功、
クリスマスを「神を引き摺り降ろせ」と企む日と捉えれば、いくら無宗教の俺でも一丁前にホザけるのかも知れない、
「ハッピークリスマスタイムス!!!」。
俺はワールドカップ開催時に散見されるサッカーの「サ」の字も知らん逆ハットトリック野郎がルールも知らんままに浮かれまくるのと同様、
ヤスく醜いファッション感覚が大嫌いだ、いつだって好き嫌いの理由は明確であるべきだ、
そんな戯言を捻くり回しながら電気も点けたまま10時間21分の深い眠りに落ちる。
'11.12.25(土)
整理もつかないままに続く師走時、 乱痴気連中と駆け込む安酒場、
乾杯時にオメデタ野郎セッド、「メリークリスマス!!」、
その瞬間、俺は返事をしなかった、何もフキゲンって訳じゃない、ファッション感覚だと周囲から思われる事にどうしようもなく臆病なだけだ、
ゴチャゴチャとヌカしながら旅は死ぬまで続くだろう。