January 02, 2012
飛び出せ猿小屋 ’11 − ’12
'11.12.30(金)
猿小屋DJブース大掃除甲子園と銘打ち勝手に繰り広げるハッタリトーナメント選手権、
何事も楽しみ方次第で全てが変わる、バスルーム、万年イカサマベッド、無法地帯キッチン、ダンスフロア、
36(サル)畳あると巷で評判の小屋を根こそぎ片付けて行く。
そんな時、BGMは天下のビートルズ、 後期、初期、中期をランダムにリッスン、
そのワンダフルリズムにフロアを鳴らしながら溢れ出たゴミを片付けて行く。
強豪を辛うじて蹴散らしナイターゲームに差し掛かった矢先、ノックも無く土足で猿小屋に駆け込んで来やがるのは宿敵ボッサガール、
「やぁ、扉開いてたよ」
その時、俺が思った事は「裸じゃなくて良かった」と「発狂している場面じゃなくて良かった」の二点張り、
三着分の取れたままだったボタンを縫い、何故かプレゼントしてくれた金色の指輪は右手人指し指の特等席にジャストフィット、
「ずっとはめとくぜ」とクールに伝えた直後、ヤツは軽快極まる特急具合で何処かの酒場へと消えた、
「鍵、閉めとかないと泥棒入るよ」と、素っ頓狂な言葉だけを残して。
'11.12.31(土) ~ '12.1.1(日)
猿小屋DJブース大掃除甲子園決勝戦はVSヴィニール盤、そこに手を付ける前に向かうのはそうレコード屋、
タイムセールの真っ只中、師走の粋さに久方振りに火が点き、ナマハゲより軽く六倍タチの悪い形相で八枚を掘り上げる。
その中の一枚がブルーハーツのファースト盤だって事はここだけの話だ、
「君の事笑う奴はトーフにぶつかって死んじまえ」
この詩のウィットこそ「カッコイイ」に値する。
なるべく気が済む並べ方で棚にレコードを納め、23時を過ぎた辺りで乗り込んだのは今年最後のポストマンバイク、
お誘いいただいた武藤昭平氏のシークレットカウントダウンショーへと人もまばらのストリートを走らせる。
カウンターに腰掛けていた偉大な人物と「いやー、来ちゃった」面にて握手を交わし、「後で一緒に演ろう」の一言に胸は張り裂ける5秒前、
「ちょっと顔を出して帰ろう」などと思っていたオカマそのものの考えは3.6秒のワールドタイムにて吹き飛び、
「いつまでも此処に居させて下さい」へと迅速に切り替わる。
年が明けてカウンターで、数の子なるあまりにお正月然とした食材を口に放り込みながら嗜むアルコールタイムス、
ジョーストラマーの話、ビートニクの話、数々の格言、
俺は今、元旦から「あの男」と二人で呑んでいると思ったらとても信じ難い胸中、全ては人間同士の物語。
「友達を紹介します」の一言に軌跡を感じ、真夜中に唄う「ラウンドミッドナイト」、
「高哲典 with 武藤昭平」と一丁前に銘打ってキメる「ヘイトアシュベリー」と「アウトローバカヤロー」、
そしてうろ覚えでガナる「ラストダンスは私に」(越路吹雪 / 萩原健一)。
その足で出向く初詣、「一緒に鳴らそう」と二人で鳴らす鐘、
「お前、帽子取れよ」
そりゃそうだ、俺はただのヘベレケ5歳児と化していた、
そして脱帽して深々と頭を垂れ神に両手を合わせる。
手に入れた御守りは「旅行安全御守」、引いたおみくじはまんまと大吉、
「もう一軒行こう」と懲りもせず立ち寄るロックバー、交わすAM07:06のキツいハグ、
優しさ、深さ、粋さ、軽快さ、全てを味わった元旦の朝、
こんな年明けはまるで初めてで、幸福が過ぎて逆に不安が襲い出すのをどうにか捩じ伏せながら、
ピカピカに磨いたばかりのバスルームで豪快に吐いて涙目で興奮を鎮めながら眠る、
「今年も宜しくお願い致します」などとあまりにありきたりな言葉をオールリピートでホザきながら。