May 12, 2012

終始段階野郎の回想 ’12


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ウーロンハイとJPSを左手で交互にやりながら、

先程までズタボロヘッドフォンからは鼓膜破れんばかりの爆裂音で架空のバンド「the Doristens」の実在する音、

すなわち、録り終えたばかりの音、早い話、先日の音を聴きまくっていた。

ドラムス、グレッチギターのマルチプレーヤーとして力を貸していただいた鴫原浩平氏は各日毎に真っ白いCD盤面に「ジャリズリ」「ガリヒョロ」などと書き殴り、

我侭な注文に応え、ベース3曲をチャチャッと弾いてくれた丸山章太郎には真っ白い盤面に「the Doristens」などと勝手に書き殴りCDを渡し、

「この曲を是非」とお願いし、とんでもないスケジュールの中快諾いただいた武藤昭平氏は俺の細かい拍子変化に合わせ颯爽とドラムを叩き、

「何か注文ある?」の懐深き問いに「ここでもっと、こう、何というか、派手に遊んで・・・」などとニュアンスだけ伝えれば一発オーケー、

出番の何時間も前からスタジオに入り、黙々と出番を待ち、

そして泣きのマーチンギターを奏でてくれたウエタケユキオ船長にはメールというハイカラデジタルを駆使して音を送信し、船長はソレを「宝物」と呼んだ、

全てが夢で全てが現実の空間があるとすればソレはあの瞬間に他ならない始末。

「臆病な犬の様!」、「10代?」、「セッカチ野郎!」、「アイツ、一体何て云ってる?」、「落ち着け!」などと周囲からは散々なだめられながら、

「受け取った言葉を杖にして歩いてやれ」とこちとら、集中力を絶やさず食欲もさておき何日かを過ごした。

2日目の録音を終えた真夜中、いつものカウンターでいつもより嬉し楽しく呑んでいる俺を見てボスは俺にキスをし、

「こんなヤツが幸せになったら駄目だ!」、酔いに任せてボスは叫んだ。

御自身のアルバム発売で忙しない中駆け付けていただいた宍戸留美氏が例えた言葉は断固脳内ストック、

「アンタじゃなかったらスリッパで叩いてる。本当に愛されているね」、

こんなスッテンコンガラガリ野郎にも愛される資格があるのなら、ロマンのど真ん中で堂々たる愛を叫びたい胸中。

そして5月6日のシークレットダイナマイトパーティを忘れない、

何度思い出しても笑いが込み上げてくる様な男同士の夜だ。

あの日の浮かれた気分を胸に秘めれば何週間も持ち堪える事さえ可能可能、

バット、今はとっとと次の段階に入るべきだ、コレをどう広めて行けば良いのかという段階、

新たな曲を作るという段階、ライヴ段階、また録音するという段階、

すなわち、「段階はキリがない位が丁度良い」などと洒落込む段階。

数あるネットワークを経由して声が届いてくる、

「楽しみにしています!」、「早く聴かせろ!」、「CDにして」、「いや、俺はヴィニール派」、「あの曲はあるのか?」、

エルヴィス曰く、「ザッツ・オールライト」、

期待の八倍上を狙えれば本望、

落ち着かず、セッカチ野郎の臆病犬、ゴチャゴジャヌカし、毛嫌いされながら愛を求心、伝えたいのは定番、「ありがとう」の一点張り。



drecom_eroom5session at 02:54│Comments(0)TrackBack(0)│ │散文 

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