September 05, 2013
路上にて ’13
'13.9.2(月)
満を持して、コンディションをなるべく整えて、映画館に駆け込んだ。
オレったらすっかり緊張感に包まれ、触ると危険なピリビリ野郎と化していた。
映画館に向かう道中、新宿の路上で気のフレたおっさんが小娘の顔面に向けてわざとクシャミを放っていた。
「ドツキマワスゾコノヤロー」、敵は前後左右、何処にでも居る気がしていた。
ジャスト9年間待ち続けていた映画を巨大スクリーンで眺める日が遂にやって来たのだ、
「穏やかにどうぞ」だなんて土台無理な相談だ。
前方二列目ど真ん中に鎮座した。横にも前にも誰も居ない列を選んだ。
ノーデリカシーポップコーン星人に邪魔をされるのだけは真っ平御免だ。
「近過ぎるか」と思ったが、結果は「近過ぎて」正解だった。
「期待外れ」の危惧は僅か0.291秒のワールドタイムにて一蹴、
疾走する139分、全身がシビレていた。
思いが溢れ出してワケも無く泣けた、「ソルトピーナッツ」合唱シーン、或いはタイプライターを打ちまくるリズムだけで。
映画を観る前、久方振りに本を読み返していた。
最初に読んだのは確か2004年、すなわち、ジャスト9年前、窓際に腰掛けて何ヶ月も費やしページを捲っていた。
活字を読んで勝手に頭に描いていたシーンが、巨大スクリーンにまんまと映し出されていた。
本に線を引いていたイカす文章が、まんまと会話になっていた。
ビバップ・ジャズがスピード感を更に上げていた。
観終えた後は極上の拍手喝采放心状態、
「何故、オレには免許が無い」などと一人ごちながら。
モーニングショーで、はたまたレイトショーで、或いは白昼に、あと6回は観たい映画、その名は「オンザロード」、
胸中爆発指数★10個中驚異の12、
「期待外れ」だなんてとんでもない、評論家ヅラの細かくヤスい揚げ足取りはどうか八流雑誌でやってくれってな塩梅。
オレはただ、フランシス・フォード・コッポラのエゲツナイ執念に最敬礼。