December 28, 2014
KEEP ON ROCKIN' 34


今年4月、札幌でのライヴ前、神社へ初詣でに行った。
あの神様とは気が合うな、と今も思っている。
で、気が付けば大好きな決め文句ナンバーワン「よいお年を」の季節だ。
2013年12月、シケ込んだ名も知らん町で誕生日を迎えた。苦笑いで震えていた。
目に見えん何かへの復讐に燃えていた。
2014年12月13日、オレは三度目の沖縄にいた。ソープ街のど真ん中に安宿を取り丸5日間を過ごした。
例えば札幌から、福井から、京都から、高松から、福岡から、東京から、メッセージが届いた。
「誕生日おめでとう!」
毎年毎年味わったコトのない誕生日を味わいたい、まだやれているってコトを実感したい、
神頼みで生きているワケではないが、あの神様にも直接、ありがとうを伝えに出向きたい胸中。
'14.12.12~16
30kgオーバーの荷物を抱えて沖縄まで一目散。「いつかDJする時の為に」と何年も前に手に入れたレコードトランクをまるで遺骨の様に大事に抱えて飛行機に乗り込む。
ニコルソンズ・サル君から借りっぱなしのGジャンを着たままに初日のライヴを終えた直後、突然愛すべき「Bar くらげ」の電気が消え、テレビ画面から黒人ファットガールが唄う「ハッピーバースディトゥユー」が流れてきた。
「そんなガラじゃないわ、ワタシみたいなモンの為に」
名も知らんガールが画面越しにオレに投げキッスを贈るのを見計らい、サル君が差し出したロウソク一本の火を勢い任せに吹き消した。
同時に新たなGジャンが現れ、ソレには沖縄の泡盛かチャンプルーか何かでアタマがイカレているのであろう男女の寄せ書きが袖にまで書き記されていた。
「KEEP ON ROCKIN'」
思うに、誰かが悪ふざけの意味合いで殴り書いたモノだとしてもそんなコトは断固ノープロブレム事項、オレはコレを誇りにしようと思った。
ライヴ前、豚の丸焼きが振舞われた。ソレはあまりに生々しかったが、両手を合わせてソレを食べた。旨かった。「お前、何でこんなコトに?」、思った。
ライヴ中、「豚の丸焼きに齧り付きながらチンピラが叫ぶ」と唄った。
ライヴ後、丸焼きにされた豚の目玉を噛み砕いた。豚の涙さえ飲んだ。人間、困るとありがとうしか云えなくなる。
明くる日、誕生日間っ只中でのDJタイム&ライヴセッション、大好きなヴィニール盤を回したり叫んだり何だりしている内に知らん間に誕生日は終わっていた。
久方振りの生粋DJタイム、初めて沖縄に飛んだ時から意気投合していた同い年のDJ BOOMERと約束した、
「次はDJでも共演しようぜ!」
そんないつかの約束が実現した夜。
人前で「こんな無名のクセに、こんなカネもないであろうクセに、こんなイカしたリズムを刻んでいる連中をボクは知ってるんです」をヒケラカす行為、
あの神様にも誓おう、DJの依頼、使命、指名は金輪際断りません。
自らのライヴのセットリストを組み立てる際に使う脳とまったくもって同じ脳で回すヴィニール盤を考える、
踊る側はそんなコトは微塵も気に掛けてないかも知らんが回す側にも各々テーマはある、
肌で感じて勉強あるのみ、DJ、まるで精神科医。
サル君にGジャンを返した。と同時に偶然という名の必然、まったく同じ型のGジャンを持っていた男に出くわした。
ニコルソンズ・ヨーヘイ君、ヤツが澄ましたツラしてセッド、
「今度はコレ、貸しますよ!」。
そんなワケでオレの手元には今、二着のGジャンがある。一つは着倒し、一つは眺めて沖縄の夢に浸る。人間、困るとありがとうしか云えなくなる。
明くる日、悪の巣窟「Bar SIX」、三連発を終え車での帰り道、ラジオから聞こえてくるクダラナイ選挙結果、
「KEEP ON SPIRITS」
秩序の欠片もないヤツは嫌いだ。
明くる日、丸一日休息。レンタカーを借りて見たコトもなかった戦争跡地を見て回る。
深いオキナワンヒストリー、誘ってくれた「Bar くらげ」みづき君はその場その場で両手を合わせていた。
そんな姿を見るのが好きだ。
夜、呑んで騒いで罵り合う、
「お前、コロすぞ!」
そんな昼の姿を見ているからこそ罵り合えるんだろう。
沖縄、ニク過ぎて閉口、
2015年、また再会出来るコトを願って「よいお年を」。死なれたらオレは途方に暮れる。ありがとう。
