June 06, 2015
Let's get seoul,17-18 May



May 17
とっとと起きて徘徊する。旅の鉄則。リサーチ済のレコード屋を冷やかし、浮かれた街を歩き、体力をたっぷりと残して一旦宿に戻り、それから路上でカマす為、パフォーマーが多くいるエリアへと繰り出す。
役割を把握し、歩きながらジャリズリと吠え、吠えたままの勢いで会場のツバメ喫茶店まで辿り着く。
アドリブで唄い、石に飛び乗り、「@&%$|>++F#!!!!!」と話し掛けてくれたソウルマンに「これからギグ演るで!」と答えれてみれば、その男達も後ろに付いてきてくれる。
あるヤツは一緒に唄い、あるヤツはカメラを構え、あるヤツは知らん間にビアーを呑み、あるヤツはトランクを持ち、そしてオレはずっと吠えていた。
あの瞬間は近年稀にみる火の点き具合だった。
ツバメ喫茶店は地下にステージ、吹き抜けの一階からもステージを覗ける造り、そして一階には地下のステージの映像が巨大クールスクリーンで流されているってな仕組み。
前を見ても上を見ても人が居て、何度かステージを降りて、最後は一階まで唄いに上がった。
皆浮かれていて、デタラメ英語で捲し立て、ダブルアンコールまで。初めての地で爆発する胸中、一生忘れるべからず、止めるべからずの心意気。
ヘロフラに疲れ果て、一旦外に出ればエスカレートしている先程のソウルマン、離れた場所では興奮して喧嘩をしているお祭り野郎、
店側からいただいたウイスキーボトルを片手に「やぁ、呑みましょ?」などと喧嘩を割って入り、地下に戻れば取材に来ていただいた記者のインタビュー小一時間。
ボロプラに疲れ果て、これぞニクい疲れの最高峰などと洒落込めば、そこからもう一つの夜が始まる。
全てから解放され、あとは遊ぶだけと相成ればマカオ、ニューオリンズ以来、三度目のカジノにて茶番ギャンブラーズラをキメ込みルーレットに興じる。
チップを「7」に置けば「7」が出て36倍、山積みになったチップが返ってくる。
「おい、コレを見ろ!」、メンバーに吠え、調子に乗ってチップを山積みのままに賭けていたら即座に一枚も無くなるチップ、旅の鉄則。
明け方、格安ゲストハウスに舞い戻り、興奮の坩堝と化したAM8:23、ソウルの朝は当然の如く晴れ渡っていた。
May 18
あと8ヵ所は演りたい思いを残したまま空港着。二時間以上前に空港に入ったにも関わらずヤケに混んでいた関係でギリギリのタイム。
「係員の指示」で荷物検査に並ぶ人達の列を申し訳無くすり抜けて行かしてもらっていたら日本人チャーミング女がとんでもなく苛立った声でオレに吹っかけてきた、
「何で先に行くのよ?」
「デリカシーゼロ軍団」と思われたコトに対し許し難い憤りを感じ、釜山まで聞こえたであろう下品声にてアンサー、
「コノヤローバカヤロー!」
実際はもっと汚い言葉だったが事情を知り女は理解し、オレもその場を収めた。
飛行機はヤケに揺れ、「コレは落ちるのでは?」なんて思ったらあまりに怖く惜しい気持ちになった。まだ死んではいけんと思った。
新宿まで辿り着き、狂乱のソウルを振り返りながら打ち上がる。そこでは男同士で涙を流し、その中でもオレが何より、久し振りにあんなに泣いた。
あんなに価値ある涙を馬鹿にするヤツは地獄の更に8倍下まで落ちてしまうだろう。
そんなこんなで喜怒哀楽の総本山このワタシ、初めての10人旅を終えいまだ興奮の坩堝。
バット、次に向けてコトはかなり動いている、
「ありがとう」は今、生憎ストックがゼロなので代わりに大好きな言葉を最後に一つ、「やるだけやってやれ」、敬具。