November 2007

November 30, 2007

真夜中辺り

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新曲「ラウンド ミッドナイト」。違う曲の歌詞を考えとる時、そっちはまるで上手くいかんのに、全く違う曲が歌詞と共に降ってくる。これこそ理想。こうなってくると考え過ぎてもロクな事はない、とすら思えてくる。俺は今、「夜」を唄いたい。

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November 29, 2007

戯言

昨夜は、今日の事など何も考えず「好きな時間に眠る」と断固決め、気付けば5時半だった。まだまだ起きて色んな事をしたかったが、そこで止む無く「意識的に眠る」事にした。問題は朝だけで、朝の目覚めにさえ勝てば俺のモンだった。俺は辛うじて、勝った。「ジャッキー・ブラウン」、これまたイカした映画だった。明日を乗り切れば俺にはまたも大事な休みがやってくる。「大日本人」、何度も見返す必要がある。そして、ライヴは一週間後に迫ってきた。十二月がやってくる。これは、驚異的な速さ。まもなく二十七、俺はまもなく二十七歳。煙草はラッキーストライク、今日だけラッキーストライク。

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November 28, 2007

友情

休憩中、とあるコーヒーショップの前で煙草を吸っとる時、一人のおっさんが俺に近付いてきて「火を貸してくれ」と言った。俺は基本的に何時も借りる立場であるからして、俺が貸す立場に回る際は務めてでも親切にしたかった。おっさんは礼を言い、その場を立ち去る時も挨拶をして行き、俺はそれに会釈で答えた。こういうのが、好きだ。それと前後して、浮浪者は道端にポイ捨てされた吸殻を拾い、それに火を点けた。手振り素振りからして初めてではないと分かった。これは詩になるぞ、と思った。

P.S ところで昨日は弦を二セット買い、レコードを二千枚程漁り、三枚手に入れ、上野には行かず、映画を観、本を読み、歌詞を考えとる内に電気を点けたまま眠った。

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November 27, 2007

活字に釘付けの日

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活字を見つけると、それが面白いモンであろうとなかろうととにかく読まんと気が済まん時がある。それは今日。本とロニー・レインを何度もリピートして、気付けばこんな時間になった。さぁ、唄おう。

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November 26, 2007

「俺は今日も」

「俺は今日も」


俺は今日も

コーヒーを飲み過ぎていて

俺は今日も

古着屋で店員に間違えられた

俺は今日も

映画を観て

俺は今日も

歯医者に向かった

俺は今日も

煙草を止めず

俺は今日も

レコードで踊った

俺は今日も

本を読み

俺は今日も

読破した

俺は今日も

モデルガンで遊び

俺は今日も

ダンボールに描いたグラサン顔をぶち抜いた

俺は今日も

夜はギターを弾き

俺は今日も

真夜中に眠る

この中の一つもしてない人

世の中には腐る程おる

おる



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November 25, 2007

レコード屋での楽しみ方論

向かったのは新宿。「阿呆な輩の事など何一つ考えずに過ごす権利を得た」と言ってはみても、見渡す限り阿呆は後を絶ちそうにない。俺は大昔に悟った、少なくともこいつ等よりは賢い。そんな俺だってどうしようもない阿呆かも知らんが、マナーの欠片もないあいつ等とは阿呆の次元が違う。口癖は「阿呆ばかり」。俺が新宿に向かう理由はただ一つ、レコード漁り。今日は一日中レコード屋で過ごしたと言っても過言ではない。腕時計の一時間毎に鳴るアラームが何回レコード屋の店内に響いた事か。棚から棚へ推定一万枚程度漁ったんじゃないかといった心境。とにかく面白いのが、「アレないかな、アレはないかな」などとぶつくさ言いながら漁っとる最中、頭の中にある「アレ」とは全く違うモノに巡り合えたりする瞬間。それは以前探しとったが、現在は頭の中からすっかり消えとったモノだったりする。その瞬間は何とも不思議な気持ちになったりする。今回巡り合えたのは、「DESPERATE ROCK’N’ROLL」というロックンロールオムニバスレコードで、ジャケットと50’Sな雰囲気のナンバーがとにかくかっこいい。俺はこのシリーズの「VOL.10」を六年程前ジャケットに惹かれ手に入れたのだが、今回ひょんな場所から「VOL.2」が顔を出した。やはりジャケットがまず俺の目を惹き、かっこええなーと思いながら内容を読んどる内にそのシリーズだと気付いた。俺の目を惹くモノ、そのセンスは基本的に昔から変わってない感がある。グッと来る、グッと来ん、それだけにしか俺の判断基準はない。そして、そんな発見の仕方をすると「よりによって今ここでこれ出てきたでー」とレコード屋でのぶつくさは鳴り止む事がない。無論、探しとる「アレ」が実際に出てきた瞬間、しかも思ったより安い値段、この気持ち良さは他に例がない。最近、レコード屋に行って一番長い時間物色するコーナー、それは「映画コーナー」、すなわちサウンドトラック関係。これは俺の中で大きな変化と言える。昔、「サウンドトラック?ノー!」だった自分が恥ずかしく思えてくる。この変化はタランティーノさんの力が大きいのではないかと思う。さて、明日は上野へ「フィラデルフィア展」&「ムンク展」、すなわち美術館を史上初のハシゴしてやろかしら態勢だったが、何と定休日だった。しかしやる事が尽きる訳ではない。尽きる事など死ぬまでない。俺はこの三連休を有意義に、有意義に過ごすのだ。

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November 24, 2007

権利を得た夜

昨日はエルヴィスの映画を観ながら、ギターを弾く前に眠りについてしまった。22時だった。「二階堂」のせいだった。しかし俺は今夜、とてもくつろいでいる。あれをしようかこれをしようか、あの場所へ行こうかそれともあっちにしようか、といった具合に。山を越えた俺は今夜、とても有意義な夜を過ごす、阿呆な輩の事など何一つ考えずに過ごす権利を得たのだ。

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虹をくぐる十分前

俺は、俺にとって長い長い日程を終え、後十分で仕事を切り上げるところ。明日?休日、明後日?休日、明々後日?休日。そう、俺はこの手で素敵な三連休を掴んだ男。

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November 22, 2007

口癖はロニー

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ロニーレインのDVDを手に入れた。以前、映画館で観た例のアレを。俺はこの映画一発でロニーレインにかぶれた遅咲きのあん畜生。こんな大人になりたいと俺は素直に思った。タイトルにある。MODSとROCKにこの男が恋したのではなく、MODSとROCKがこの男に恋したのだと。上手い事言いよるなぁ。

P.S 来年7月から始まるとされる、煙草自動販売機の成人認識機能。これを搭載しても尚、23時~5時まで煙草を買えん様にするあの気狂い法律をまさか継続しようモンなら、俺こそがその馬鹿さ加減に気が狂い、いよいよ国会議事堂に乗り込む決意を固める。それで仮にもし俺が捕まったとしても、俺は一切謝らんし、悪い事をしたなどとは一切思わん自信がある。俺が煙草を吸う吸わんに関わらず、あれを提案し、あれを「それ良いねー」と許可し、それに輪をかけ支持する輩の気持ちなど一生理解出来る訳がない、したくない。

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November 21, 2007

次の休日を心底カウントダウンする日々

仕事を終え部屋に戻り、その足でトム・ウェイツに針を落とし、「二階堂」を軽く煽り、時間さえあればブコウスキーの本を開く。「誰かが俺に話かける度に、俺は窓から飛び出すか、エレベーターで下に降りたいような気分になった。人間にはまったく興味を感じなかった」と書いてある。俺の事なんじゃないかとさえ思えてくる。励ます様な言葉でも何でもないが、俺には嬉しい言葉として響いてくる。

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November 20, 2007

今日の全文

今日という日は休日であったからして起きてすぐもう今年は必要ないと踏んだ扇風機を奥にしまいピッチャー交代とばかりに電気ストーブを登板させ昼間には意外と久し振りにレコードを2、3枚手に入れ焼酎も手に入れヒップホップなんぞを聴いたりした後歯医者に向かい歯医者もだんだん慣れっこになってきたなー人間とは何でも慣れてくる生き物だなーいやでも待てよどうやっても慣れる事が出来んモンも存在するよなーそれはきっとデリカシーの欠片もない輩を相手にする事だなーなどと感じつつ部屋に戻ったら急にまた片付けたくなりそれから夜は鈴木清順の映画を観たなでも夜は何時の間にかすっかり寒くなったな俺の部屋は隙間風とかいうかの有名なアイツがヒューヒュー入って来やがるんよな金髪にしよかなそれもド金髪に何年も前から気分転換に一回やってやろかなとか思う時がたまにあるけど今またその波が押し寄せてきたなやろかなやろかなやったら何か変わるかな金髪自体には別に興味ないけどでもやろかなやろかな気分転換という名目でな明日は仕事かどうにかなるかな楽しい事だけ考えたらどうにかなるかなどうにかせんとなどうにかな。

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November 18, 2007

今日という日を本来と全く違うモノに塗り替える衝動と行動

俺は、少なくとも自分に対してだけは忠実で正直でありたい。今日も時間通り仕事場の席にはついたものの、相も変わらず次から次へと現れる電話越しの腰抜け野郎に愛想も尽き果て、今日という日を急遽、ふざけた一日に塗り替えてやろうと決めた。決めてやった。人生などその気になれば簡単に変える事が出来ると言い聞かせた。衝動が俺を奮い立たせた。俺はやるかやらんかのどちらかで、その中間というのが得意じゃない。すなわち今日という日は「やらん」を選択した。してやった。不器用と人は俺の事をよくそう呼ぶが、まんざらでもない気分がする。不器用でいつも遠回りしてしまう男、これは人間本来の姿である気すらしてきてある意味嬉しい。以前、「文句を言いながらでもやるべき事はやっとる」と書いたが、そしてそれは嘘ではないが、少なくとも今日という日はそれを投げ出してやろうと思った。このままでは俺は本格的にグレてしまう、人殺しは決してやらんが俺にはある意味、犯罪者の気持ちが分かるぞと心から思った。甘いか何か知らんが、「今日はもうとても付き合ってられそうにない」と責任者に告げた。「無理はしない方が良い、そんなのあんたの生き方に反してるよ」と俺の事を冗談で励ましてくれたが、俺はそれを本気で受け止めた。午後13時、晴れた空の下に逃げ出す様に飛び出し、何処に行こうかと考えた。牢屋に入れられた事はないが、牢屋から抜け出した様な、そんな心持ちだった。いつもと違う事をしてやろうと俺は近くにあるJRA、すなわち競馬でも行ったろかと思った。ゴミ箱に捨ててある新聞を拾い上げ、1レースのつもりが2レース賭けた。賭けてやった。何年振りかも分からん競馬、大本命には初めから興味がない俺は賭けに外れはしたがそれと引き換えに、レースが終わるまでの時間分のロマンを買い取った。ロマンにお金を注ぎ込むおっさんの吹き溜まり場、JRAに別れを告げ、俺は横浜に行く事に決めた。決めてやった。今日という日を全く違うモノに塗り替えてやるのだとハクをつけ、格好をつけた。つけてやった。横浜美術館「シュルレアリスム展」。こんな気分の時こそ、美術館は駆け込み寺と化すと信じて疑わんかった。シュルレアリスムの実態が前よりも掴めて来た、そんな気分を味わった。俺がもっと知りたいもの、知っておきたい活動、ビート・ジェネレーション、ヒッピー、ヌーヴェル・ヴァーグ、シュルレアリスム、etc...。ルネ・マグリット、この画家の名前を俺は忘れん様にしよう。時計を見て、「本来ならまだ働いとる時間か」と思い、それと同時に俺の今日の行動は間違ってなかったと感じた。中華街をぶらつき、食べ、特急に乗って渋谷に戻った。短い夢を見た。見てやった。それはとても有意義で良い夢だった。すなわち俺は、今日という日を本来と全く違うモノに塗り替える事に成功した。成功してみせた。

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November 17, 2007

うんざりする日 パート2000

書くのも面倒臭い程に嫌な気分を味わいました。俺はあんな思いをしてまでお金何か欲しくない。引き換えに「良い詩が出来た」と笑えばええのか。それでええのか。俺は誰に怒りをぶつければええのか。世界か?そんな大それたモノを敵に回せばええのか。こんな夜に聴く曲は決まってシオンです。

P.S 「長距離走者の孤独」を観た、映画を。期待を木端微塵に切り裂く結果、原作の百分の一の面白さもない。主人公が喋っとるその裏で考えとる描写が面白いのに、それが全く生かされてない。

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November 16, 2007

読んで観て書く

仕事を切り上げ御飯もそこそこに部屋の電気を全部消し、読書灯だけ灯して本を読む。するとどうだ、俺は作者と一対一で語り合う事に成功する。これはロウソクだけ灯してジャズを聴く、という行為に匹敵する程贅沢な時間だ。「長距離走者の孤独」、この主人公スミスは紛れもなく俺の精神的友達でありたい。もっとも、俺は人の物を盗んだりはせんが。何故俺が五年も前に手に入れたこの本を引っ張り出したかといえば、例の如くレンタルビデオ屋で一列残らず棚を睨みつけとる時、同タイトルのビデオを見つけたからに他ならん。そこで、このビデオを観る前に本を読み返したろかしらん状態になったのだ。もっとも俺はこの本の内容を全く覚えてなかった。いや、覚えてないどころか、差し詰め読んだかどうかすら怪しい限りだった。しかしどうだ、このビデオをきっかけに俺はページを一気に駆け抜け、今や主人公スミスを充分に理解した。よって、このビデオを観るのが何倍も楽しみになった事は言うまでもない。

P.S ところで昨日は髪の毛を大幅にカットした。頭がふわふわする程軽くなった。その後、またも「POZY」に足を向けたがまたも裏切られ、ジャズ喫茶「マサコ」でコーヒーを飲み、「ゴルゴ13」を読んだ。最近はそんなに音楽も聴かず(いや、聴いとるが)、とにかく読んどる。そして観とる。もちろん書いとる。

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November 15, 2007

大人は判ってくれない

忙しい。猫の手借りたい程。それならこんなの書いとる時間使って何か違う事やればと人は嘲笑うかも知らんが、これも俺の中の立派な「忙しい」の中に入るからややこしい。仕事を休んでじっくり自分の事をやりたいが、そんなに世の中甘くない。プロバイダ料金とか何とかいうやつを払ってない。明日は髪を切らんといかん。そう、明日はまた休みなのだ。これは嬉しい。嬉しいが、その後の事を考えてしまうと一気に楽しくなくなる。「大人は判ってくれない」、タイトルは今日観た映画から。

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November 14, 2007

グッド・タイムス・ロール

昨晩は、「最近これしか聴いてない」とすら言えるミシシッピ・ジョン・ハートの二枚組LPを、全面二回ずつ裏返しながらブコウスキーを読み耽り、誰にも邪魔されん幸せな時間を過ごした。今日は予定二時間遅れの12時に起床し、家事やら洗濯やら生活用品買い出しやらやっとる間に日は暮れて、未だ本を開いてない。そういえば今日は半額レンタルの日で、俺はまたここぞとばかりに八本借りてきた。あっという間に日が暮れたのには他にも理由があり、ギターを持ったら曲が出来た。詞も同時に降ってくるタイプのトーキングブルースで尚更ええ気分になった。それがあってこそ、今日は良い日だと言える。映画は「ペーパームーン」を観賞し、心温まった。コーヒーは何杯飲んだか定かではない。坊主に近かった髪の毛はまたボサボサになってきた。そして現在、BGMはジョン・ハート。そう、「これしか聴いてない」のだ。夜はまだ長い。よって、本を開こう。

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November 12, 2007

街で見つける様々な発見

近頃、早起きの素晴らしさを我が身を持って体感しとるこの俺は正午過ぎには近くのローソンで、一つ70円のおでんを三つ平らげ景気をつけた。そして昨日行きそびれた古本屋で「シュールレアリスム」の本を手に入れるかどうかをたっぷり10分は悩み、本の裏表だけを何度も眺め(封がしてあり中は見れんかった)、とりあえず手に入れず晴れた空の下を歩き、下北沢の外れにある、これもまた昨日行きそびれた「POZY」に向かった。しかしそこには明かりがなく、まだ開いてない事が判明した為、そのすぐ横にある喫茶店に足を踏み入れた。「俺が普段飲んどる黒いアレは、もはやコーヒーとは呼べんがな」と感じざるをえん、一口飲んだだけで違いの分かるメチャウママイルドコーヒー五百円を優雅に飲み干しながら、そこに置いてある雑誌、「pen」に目を向ける。その「コミック大特集」の記事には、かの有名なフェリックスの漫画が載っており、それがすこぶる良くて参った。「廃業寸前の靴屋をフェリックスが助ける」とい名目の下、フェリックスが街中にガムをばら撒き、それを待ち行く人が踏んで靴を駄目にし、その近くにある廃業寸前の靴屋に人が押し寄せるという、ロマン溢れるストーリー。世の中は、「そんな上手い事いきますかいな」と「ロマンありますなぁ」の二種類に分類する事が出来るが、そしてそれは紙一重であるが、このフェリックスはもちろん後者にあたる。英語で、吹き出しにある言葉は分からんが、絵を見ただけで胸が躍る。こんなシーンを詩に出来たらええなぁと思う。俺は興味があるモノには心のままに向かいたい。フェリックスの本が直ちに読みたい。その後、ボロ屋でタイプライターを物欲しげに眺めるだけ眺め、部屋に戻る。夕方には歯医者。今日は薬をつめかえるだけでシンプルに終わったが、「ベロに力を入れないで」と医師に言われ、怖がっとる姿を間近で見られた感がある。俺は全く意識してなかったが自然と力が入っとる様で、いざ力を抜こうとした時、抜き方が分からず躊躇した。そんな事はどうでもええがその後、勢いで経堂に行ったろかしらん状態と相成り、電車に乗り込んでみた。目当ては古本屋で、俺は一列たりとも見落とさず棚を睨み、そこで遂に何ヶ月も前から探し続けた、ブコウスキー「パンク、ハリウッドを行く」を発見し、見つけた瞬間激しく高揚し、店員にも聞こえる程大きい音で息をのむ。その本に対し1800円出す心構えと態勢を以前から整えてあったこの俺は、それが1050円である事にまたしても激しく高揚する。浮いた750円で、違う古本屋で見つけたヘミングウェイの辞書みたいな短編集250円を手に入れ、経堂は古本屋の町だと強く認識する。俺はさりげなく二連休であるが故、明日は本を読み漁ろうという魂胆なのである。使い古された名文句は俺の中にもしっかりと巣を作っとる様なのである。すなわち、「読書の秋」なのである。



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我儘放題の果て

三軒茶屋から下北沢までの自転車世界新記録を樹立した男、このワタシ(感覚的に)。小雨になったその時、俺は一気に駆け抜けた。立ったままこぎ続け、顔をしかめて十分ちょっと。「POZY」も「LADY JANE」も「古本屋」も横目でチラッと流すのみ。俺には傘を買う事もタクシーに乗って帰る事も眼中にない。いや、その考えも頭をかすめはするが、それをサラッと実行に移せる程、俺は残念ながら男前ではない。レザージャケットや帽子は濡らしたくない(自分本体は濡れても構わんが)、かといって無駄なお金は使いたくない、と我儘放題。残る手段は勢いのみ。息も絶え絶え、ハァハァーゼェゼェー戻って来た。この程度の距離でこんなにも息が切れる自分が弱くも思えたが、切れたモンはしょうがない、これが俺だと開き直るは秋の夜。

P.S 人志松本「放送室」。このラジオ番組には何度も何度も驚かされてきたが、今回。あの野狐禅を本物だと言い切り、心底「もっと認められんといかん」と、電波に乗せる男。まさか。お前みたいなモンがと思われようが何だろうが、少なくとも俺にはほんまに他人とは思えんのです。 

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November 11, 2007

雨が降ったって大丈夫、ではない時

先週借りたビデオを返しに三軒茶屋へとやってきた。当たり前の様に自転車で。とっとと返してとっとと帰ろうとレンタル屋から出たその時、目に見えるモノは雨。激しい雨=ボブ・ディラン。「雨が降ったって大丈夫」と唄っとる俺ではあるが、大事なレザージャケットはなるべく濡らしたくはない。帰り道、気が向いたらジャズ喫茶「POZY」でコーヒーを飲む夢、「シュールレアリスム」の本を立ち読みして帰る夢、見事に砕けた。帰る術もなく、俺は現在も三軒茶屋駅前付近にて立ち往生。何年か前、この近くの雑貨屋で働いとる時、毎日の様にやってきた喫煙所にて。ライターがないが故、空を睨みながら、おっさんに火を借りるこのワタシ。

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November 10, 2007

飲んでみる

昨日も今日も本が届いた。魅力的な本が。ジム・ジャームッシュの80円の本、エスクァイア、95年の「ヌーヴェルヴァーグ特集号」。歯がグングンズンズン響く。薬でも飲んでみるか。でもその後すぐブラックコーヒー飲むけどええかな。ええんかな。

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November 09, 2007

山積みの本を読み分ける一日

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「人混みが嫌いなら、歯が気になるなら、勝手にしやがれ!」って事で読書。一日なんてあっという間過ぎて困る。お腹が空いてきた。そう、柔らかいモンが食べたい。

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本日、口無し

本日の俺はといえば、大事を取って一日休みを頂いた。とにかくあまり誰とも話したくはない気分で、その相手がどうしようもなくデリカシーのない輩ならそれは尚更。しかし本日も早起きに成功したこの俺は、映画、読書、詩を書く、この三本柱で誰とも口を利く事もなく一日を過ごそうと思う。今現在、歯に痛みはない、違和感はあるが。

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November 08, 2007

午前と午後の気分の違い

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午前11時前、芦花公園駅着。そう、俺は見事早起きに成功した男。世田谷文学館「植草甚一 MY FAVORITE THINGS」、こんな天気の良い日にこんな場所でこんな朝からこんな粋な企画展を見れるとは何と素晴らしい休日。古本、ジャズ、映画、コーヒー、煙草、この男の愛するモノが俺も好きだ。いつの間にこの洒落た爺さんと出会ったか、それが思い出せんが、とにかく自然と好きになり自然と格別の存在になった。その古本やらジャズレコードやら「探していた本がやっと見つかった」などと書かれた手紙やらが飾られたこの企画展は紛れもなく俺の心をくすぐった。併設された喫茶店で、豆から取り寄せたという植草甚一が愛したコーヒーを御多分に漏れず飲み干し、パンフレットの枠を飛び越えた分厚い本と映画の本(植草甚一がヌーヴェルヴァーグの事を書いた本)、二冊を買い込み、部屋に戻って午後の14時。コーヒーを飲みながらジャズを聴き、本をパラパラめくったのはいうまでもない。

午後16時、向かうは歯医者。最初の様なハラハラ感はない気がしたが、それでも怖いモンは怖い。そして。先に書くが、俺は今まともに話が出来る状態ではない。麻酔注射を何回打たれたかも定かではない。とにかく様々な治療が行われ、いつ痛みが押し寄せても分からん故、一時も気を許せん時間を過ごし、精神は降参。結果、痛みはそんなになかったが、口の中は薬の味で支配された状態。治療後は自ら煙草を控えたが、今、この文章を書き上げながらさりげなく煙草に火を点けた事はいうまでもない。

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’07.12.6(木) ライヴ アット 下北沢ロフト

’07.12.6(木)

ライヴ アット 下北沢ロフト



スケコマシ野郎共に捧げる歯抜け野郎のライヴ。そんな事はどうでもええが、三ヶ月間の借りは返す。

November 07, 2007

麻酔注射を打たれるその前に

先日歯医者へ向かうべくセンチメンタルな気分を抱えて歩いとる道中に発見した、掲示板に貼ってあった一枚のポスター。一瞬見逃しかけたが、俺は二度見して、半信半疑でポスターに小さく写った顔に目を向けた。まさかと思ったが、それは紛れもなく植草甚一、植草甚一だった。「世田谷文学館」なる頭良さそうな雰囲気の場所にて展覧会の様なモノを開催中と書いてある。あの掲示板がなければ開催中どころか開催し終わった事すら知らんままになるところだったが、あの掲示板と、冴えた観察力により何とか見逃さずに済んだ。そんな訳で明日は、歯医者で麻酔注射を打たれるその前に、芦花公園なる近場だが未知の場所へと旅に出る。必須は早起き、ウェイクアップ。

P.S 二年間古本屋で探し求めた「ボブ・ディラン自伝」を遂に発見した(一年位だと思ったが、発売日を見たらもう二年も前だった)。発見した時の喜びは何とも言えんモンがある。

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November 05, 2007

ハッ、ハハ

俺は捉えられた豚か、はたまた首根っこを捕まれた猫ちゃんか。歯医者での俺は誰にも見られたくない程に礼儀正しい。看護婦の満面の笑みでの「こんにちは」に、俺は引き攣った笑顔でこう答える、「コンニチハー!」。「郷に入れば郷に従え」、右も左も分からんこの俺は、文字通り右往左往する。俺は非常に立場が弱い。嗚呼、壁に張り巡らされたポスターが忌々しい。風呂に入り体を洗う格好の可愛らしい「歯」のイラスト、看護婦の両肩に乗っかってにっこり微笑む愛すべき「歯」のキャラクター達。「そんなモンには騙されんぞ」と問診表の「治療に関する御希望は」の問いに迷わず書き込む、「なるべく痛くない様に」。席につき歯の具合を説明し、そして口の中を見られる。顔の真上にある照明に書かれた「BELMONT」の文字に、「おー、ベルモンドかぁ思うたがな、ハッ、ハハハ!」などと乾いた笑いで思考回路を変更しようと試みるが、この場の俺には所詮それも無理である。ただ口の中を見られただけで、まだ痛くも痒くもないのに手に汗握り、ズボンを強く掴み、自由を取り戻したいと切に願う。レントゲンを取り、欠けた歯と神経が着々と近づいとる事を知る。いつ強烈な痛みが来てもおかしくない状況という訳だ。神経が出てきたら俺の頬は水風船の如き勢いで膨れ上がる。大好きなウインナーも当分お預けになりかねんが、治療方法を聞き、医師の「今日やりますか、それとも次回にします?」との能天気な問いに俺は笑顔でこう答えてみる、「じゃー次回にしましょうかー、ハッ、ハハ!」。

P.S 俺の精神は今日だけで充分くたびれたが、実はまだスタート地点に立った程度。次回木曜日、本番はそこから始まる。

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November 04, 2007

自転車が好きになる夜

バイクが故障しても俺はめげん。仕事を終え、逃げる様に部屋に戻り、一服もそこそこに自転車またがり、ひたすらこぎまくり三軒茶屋。半額レンタルが俺をそこへ向かわせる原動力となる。メモに従い、フランス映画を中心に豊富なラインナップ、計十本。息を切らしながらも鼻唄まじりにこいだ自転車の帰り道、古びたバーから小粋な音楽、振り返って目にした看板文字に思わず声を上げる。「LADY JANE」、優作松田の愛した店。「こんなところにあったんかー」と自転車で来た自分を褒めてみた秋の夜。

P.S 本日、仕事場のすぐ近くに発見したシネマ・ショップに足を踏み込んでみた。数々のパンフレットがレコード屋の如き勢いで並べられてあり、俺は多少興奮した。映画館に見に行った時に買いそびれた「COFFEE&CIGARETTES」のパンフレットを見事探し出し、俺はソイツを手に入れた。さぁ、明日は歯医者だ(三度目の正直)。

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November 02, 2007

クール論

俺は真面目だ。いや、これは語弊がある。語弊があるがしかし、俺はいくら文句を言いながらも仕事はやるべき事はやる(それが出来る範囲なら)。そして結果は数字によって表れる。俺は先月、狙いを定めたとおり、二位から大きく差を開いての一位を獲得した。そんな事は誰も気付いてないか知らん、誰も気にしてないか知らんがしかし、そんな事はどうでも良い。これは会社の為でもお金の為でもなく、自分自身との闘いなのだ。格好つけていうなら、俺はそういう性質なのだ。それを真面目というなら、俺は大真面目だ。俺はこの仕事が好きじゃない。しかし俺は、平均というモノがもっと好きじゃない。ちょっとの差では面白くない。大きく引き離したい。よって自分自身との闘いが生まれる。平均に収まって満足する自分が許せん。仕事熱心でもパソコンに詳しくもないこの俺が、さも分かった様な顔をして回りの輩をどやす権利はない。ただ、どっしり構える権利が俺にはある。口だけ人間に用はない。俺はその権利の為だけに自分自身と闘っとるのだ、とも言えるかも知れん。俺は仕事の根本だけを見据える。余計な考えはいらんのだ。それを踏まえて、自分自身との闘いに勝ったこの事実が嬉しい。俺一人だけが嬉しい。

P.S これをもし仕事場の人間が見たら何と思うか。いやらしく思うか。「調子に乗りやがって」とでも言うのか。しかし俺には「調子に乗って何が悪い」と威勢良く言い返す「権利」がある。現状に満足などする気もない。差は開けば開く程良い、そう考える俺は充分にいやらしいかも知らん。さぁ、お母ちゃんに電話しよう。

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聴きなれたのが良い

BGMは代わってトム・ウェイツ「土曜日の夜」。これはかれこれ何回も聴いた。「君に出会うまで太陽なんか見た事もなかった」とかなんとか唄うヤツ。鍛高譚は何杯目か、とにかく酔っぱらった。おっと、朝は10時から仕事だった。電話口の馬鹿を相手に8時間以上をやり過ごすというわけだ。いつまでこんな生活を繰り返すんか、それ考えただけで溜息が出るが、その前にもう一杯。そういや今日は笹塚を旅したな。

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鍛高譚にルイ・アームストロング

夜が明け就寝、夕方17時起床。歯医者に行く気は一気に消え失せ後回し。自分の事を何もしてない事実がやけに後ろめたい。真夜中3時半、俺にとってはまだ夕方。鍛高譚にルイ・アームストロング、胸に迫る、る。

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