December 2010
December 31, 2010
オンボロボーリングピンの奇跡の様に ’10
彼はもっとも偉大な詩人、もっとも偉大な作家、
もっとも偉大な作曲家、もっとも偉大な指導者になりたかった
世界でもっとも優れた絵画を所有する者よりは、
それを描く者になりたかった
トーマス・ウルフ
一人きりの夜に読書灯だけ灯してドロップアウトした男の物語に入り込み、
興奮して眠れずに夜を明かしてる男はとても健康な者だと信じて疑わない。
一人と孤独をどうやら愛し過ぎている、
それでもイカす仲間を知っている、少なくとも何人かは。
闘う貴様の事をいつだって闘わない輩が笑うだろう、
誰からも愛されたいなんて願い出したら直ちにお終いだ、少なくとも俺個人は。
電車内で聴きかじるボブディラン「メンフィス・ブルース・アゲイン」、
「メンフィス」の響きだけで存分にニヤケる胸中、
全ては存在する町、
そしてチェルシーホテルの空気はすっかりと体内に沁み込んでいる。
ニューヨーク125丁目、モダンな外観にへばり付いたオンボロボーリングピンの奇跡、
あまりにも胸躍る光景。
新年をエゲツナイ程にハイカラな心意気で迎え入れたい、
お金がないだとか時間がないだとか何だとか、
そんなドンクサイ且つシャラクサイ且つクダラナイ言い訳など金輪際止めろ、
俺は一人を愛し、そして何でも出来る気がしている、
ドキュメンタリーフィルムを常に撮られている様な気分で。
December 30, 2010
ロード・トゥ・スタイリッシュ ’10
休憩時こそ躍進時、
マッキントッシュは驚愕のスナック感覚で仮抑え、
「30以上は信じるな」、誰かが唄う、
「男は30から」、誰かがほざく。
ラジコンに興味を持ってさ
走らせに海へ行くのが夢だ
頭に浮かんだ事全部
片付けて行け、20代
19歳の時分に唄っていた俺は確実に30代の大台を突破、
10代で地盤、20代で確立、30代で何ちゃら、
一つだけ確かな事がある、
俺みたいなモンでもいつか必ず死ぬだろう。
マーティン・スコセッシ・ブルース・プロジェクト「ロード・トゥ・メンフィス」観賞、
タマラナイ×363、
2011年、
イカサマな髭でも剃り落とし、
何度でも生まれ変わらせてほしい、
ご多分に漏れず生きている限りは。
December 28, 2010
ノー・スリープ・カーディガンズ・ララバイ ’10
「よいお年をお過ごし下さい」
呟く度に張り裂けんばかりに胸躍る昨今、
終わり良ければ全て良しの最たる美学、
俺が一番愛しているのはもはやこの言葉なのかも知れない×362。
真夜中には本を読み漁り、明け方にはブルースを回し、ツナスパゲッティを平らげて、
早朝にはエルヴィスを見て、真昼間は夢うつつで職こなし、そして何十時間も眠らんままにまた夜が来る。
仕事納めは遥か遠い話、肌荒れは御愛嬌、31日まで駆け抜けて、
最後は心底生粋の「よいお年をお過ごし下さい」をキメるだけ。
チェルシーホテルの2ブロック先の古着屋で手に入れたハイカラカーディガンには半分破れたタグが付いている、
「HANDMADE IN NORWAY」
国境なんて捨てろ、朝と昼と夜の概念を突き抜ける様に。
'11.1.7(金)
R×A×D presents
【Alcholic Friday Night vol.5】
アット 新宿ANTI KNOCK
R×A×D / 功 / THE BLUESDOGS / 高哲典 / 零核
◆OPEN 24:00 / START 24:30
◆ADV 1500 / DOOR 1500
※キリン一番絞り飲み放題
'11.1.13(木)
高哲典ワンマンタイム
【ビバップ・ロマン】
アット 高円寺楽や
19時開場/20時開演/1000円(+orrder)
◆第一部/高哲典
◆第二部/高哲典&章吾(electric guitar from STOMP)
'11.1.17(月)
下北沢BAR?CCO presents
【新春ブルーズィーナイト】
アット 下北沢BAR?CCO
来嶋けんじ/高哲典/渡辺雅弘
19時開場/20時開演/1500円(+order)
2011年はとてつもなく粋な年になりそうな気がして仕方ない胸中事情を抱えて今は眠るだけ。
酔いどれ天使の唄 ’10
取り乱しては右往左往、止まる事無く忙しない魂、
「酔いどれ天使」ではCCOマスターと酔いどれハイヒップ極まる会合。
いつもげ落ちるか分からんペダル、空気の抜けたロードバイク、
新宿西口では迷子、ようやく発見のレコード屋でルー・ルイスのチケットを引き換える、
「お電話でも申し上げた通り、何が起こるか分からない人物ですのでその点は御了承下さい」
苦笑いで5500円チケット、ポッケに入れてニヤける夕刻時、
電気屋では近寄ってくるマッキントッシュ店員、
こちとらインチキな「そろそろ交換時かな思てまんにゃけど顔」にてほざく、
「これ良いね、ほぉ、へぇ!」
ロードバイクで駆け抜けファッキン原宿タウン、
トーキョーヒップスターズクラブは閉店、「イカサマ関係者顔」にてその空間を最後に味わう。
親しくなった男がいつかこんな事を洩らした、
「初めて会った時、プッシャーかと思ってました」
プッシャーとは何だと思っていたら、どうやら麻薬売人の類いだ。
どうでも良いけど何が何だか分からん程に忙しない魂、
ところで来年はとてつもなく粋な年になりそうな気がして仕方ない胸中事情、
結婚とは無縁かも知れない、誰かに基準を合わせたり構う暇など微塵もない昨今。
それでも二年後にはちゃっかり結婚しているなんて事は存分にありうる話だ、
「何が起こるか知らん」って事を知っている限りは。
仕事はまだ暫らく辞めそうにない、そこに席がある限りは。
3月、遅くとも5月にはメンフィス&ニューオリンズ&シカゴを列車で横断、
いくら貯金箱の底がついても「何故俺はあんな旅に出たのか?」などと後悔する確率は100%中9631%ない、
すなわち、答えは出たにさも似たり、行動力を駆使して如何に笑えるかって事。
愛すべきドラマは「傷だらけの天使」、
失敗も茶番も偽者の戯言もどうでも良い、
重要なのは何でもかんでも真っ当にやり遂げようとする心意気だけだと知っている限りは。
December 26, 2010
fuckin yellow monkey '10.12.14(tue)
'10.12.14(tue)
AM8:00、目覚ましの昭和歌謡が鳴り響く前に疲れ知らずで飛び起きる。
腕時計は22:00、俺は14時間ジャストの時間を巻き戻し、チェルシーホテルのベッド内でその事実に歓喜する。
騙され半分で蛇口を捻れば遂に溢れ出るホットウォーター、ここぞとばかりに浴びるだけ浴びて外に飛び出す。
早朝のグリニッチ・ビレッジ、ボロなダイナーで「hot coffee please」の発音を完全にマスター、
勢い余ってさぞかしアメリカンキングサイズなドロドロと辛いバーガーの類いを勇んで平らげようと企み告げる言葉、
「bacon cheese burger please!!」
合計2.18ドル、あまりの安さに驚愕するも差し出されたのはべっとりと甘いベーグル、
スタイリッシュは板につかず、引き攣り笑いでそいつをノーシュガーコーヒーで流し込む。
早朝のグリニッチ・ビレッジ、ボブ・ディランのジャケット、ウディ・アレンの映画風景、ボヘミアンの溜まり場、
手が凍る寒さの中で歩きまくりながら一人の喜びをエゲツナイ程に噛み締める。
小粋なレザー屋駆け込み「hi!!,手袋ある?」、
いくら手が凍ってもイカしてない手袋には「sorry,no thanks!」、
一丁前なハッタリ英語でその場を切り抜け一旦チェルシーホテル引き返し蛇口を捻るも出ないホットウォーター、
地下鉄飛び乗り72丁目、一目散に向かうダコタハウス、ストロベリー・フィールズ、全ては存在する場所、
ジョン・レノンに両手を合わせて、セントラルパークでは馬が歩いている。
口ずさむのはMr.Children「十二月のセントラルパークブルース」、
この生粋の名曲を延々と唄いながらその足で辿り着くメトロポリタン美術館、
写真で見た光景が次から次へと目の前に飛び込んできて、危うくスゥイートハートを丸ごと吐き出しそうになる。
一旦チェルシーホテル引き返し蛇口を擦るも一向に出る気配無きホットウォーター、
地下鉄飛び乗りロウアーイーストウッド、古着屋徘徊、CBGB跡地探し、
「Side Walk Cafe」にてCCOマスターに紹介してもらった南謙一氏ライヴ観賞、
「日本でも会った事ないのにね」
久方振りに日本語を発す感覚、
corona&B.L.Tをオーダーし遂にお出ましのアメリカンキングサイズ振りに狂乱、
危険な匂い漂うストリートを八割増しの風来坊気取りで駆け抜ける。
朝から晩まで歩き続け冷え込んだ体を温めようと蛇口に祈るも一向に溢れ出ないホットウォーター、早朝の幻、
呟く言葉は「oh!shit!!」、二日目にして本気で自然と英語が口から吐き出されてくる。
夢の暮らしのど真ん中で毛布をきつく抱き締めて眠る。
December 25, 2010
ロール・オーバー・ジャパニーズ ’10
もげ落ちる左ペダル、圧し折れるコーム、
意味も弁えず阿呆が御行儀良く列を成し並びまくるKFCの長蛇、
否定ではなく、躍らされて波に乗るだけの大衆に哀れみの77連発。
「クリスマスは何してるんですか?」ってこちとら懸命に生きているだけだ、
2月27日も6月3日もまったくもって何も変わらない感情でもって。
欲しいモノは格安航空券とマイル、青春18切符と原付バイク、
マッキントッシュとタイプライター、広い部屋と落ち着ける場所、
エトセトラとエトセトラ。
ニューヨーク地下鉄の階段で薄汚れたヘアーゴムを発見、
ソレを見逃さず即座に思った、
「コイツを20個目のアクセサリーにしよう」
そして右手に巻き付けられたヘアーゴム。
KFCに並ぶ安い幸せと宝物を拾い上げる喜び、
俺はたまたま後者にしか魅力を感じてないってだけの話だ。
ルー・ルイス奇跡の来日に際し遅ればせながらチケットを確保する、
レコード屋のお姉ちゃんが意気揚々と電話口で吠える、
「えー、ルー・ルイスという人の特性、人間性を充分に御理解された上でチケットはお買い求め下さい」
最高だ、いつ飛び掛かって来るか分からん程の危険具合、
紛れもなくやっこさん、3月31日も11月8日もまったくもって何も変わらない懸命さで生きているだけだ。
ある人にとっては時代遅れのゴミ野郎、ある人にとっては肩で風切る生きた伝説、
俺はたまたま後者の肩書きにロマンと哀愁を感じているってだけの話だ。
ポストに届けられるウディ・アレン伝記本は驚愕の1円、
良くも悪くも世界はとっくにイカサマだ、
大衆だとか阿呆が下す評価だとか何だとか、そんな類いに振り回される余裕があるのなら、
モダンソファに腰掛け想像力を駆使して如何に笑えるかについて思案し続けた方が良い。
とにかくメモを残してないと何が何だか区別がつかない昨今の忙しなさ、
年内中にニューヨークの文章をまとめ上げたい。
December 23, 2010
マンズマンズ・ヒストリー ’10
ある時は17時間眠りこけ、
ある時は31時間起き続け、
ある時は遅刻で平謝り、
ある時は2時間半だけ眠り覚醒して駆け抜ける。
朝も昼も夜の垣根も飛び越えて、
小さ過ぎる事柄には金輪際縛られず、
スナック感覚が国境さえ突き抜ける事が証明された昨今、
たった四泊のニューヨークトリップを経て八割増しの行動力とハッタリ根性を手に入れ、
勢い治まらず3月にはメンフィス&ニューオリンズへ強行突破。
愛して止まない諺は「百聞は一見に如かず」、
誰かの与太話も大袈裟な忠告もどうでも良い、俺は目で見たモノしか信じない。
ロックンロールを愛しているのならその生誕の地に出向かない手はない、
夢の国などない、全ては地球上に存在している街だ。
待てど暮らせどメンフィスがやって来ないのなら自らが出向く事で事は足りる、
そこにメンフィスが存在する限りは。
待てど暮らせど幸せが来ないのなら自らが掘り当ててやれば事は足りる、
旅に幸せを見い出せる限りは。
正月にはハードケースでも抱えて鈍行列車飛び乗り適当な街まで向かい、
2月にはお母ちゃんに挨拶に帰ろう。
ポンコツバイクを修理し、或いは手に入れ、生活に塗れながら、
次から次へと追い立てられる様に胸中と興奮の爆発を連発。
ところで高円寺楽やでは我が愛しのKEYNAとハイカラ仲間達と呑み明かし夢の話を繰り広げ、
モノホンチャーミング野郎が新曲として歌い上げたマリーの唄は個人的に胸を締め付けられ、
俺はカウンターで涙を浮かべながら胸を躍らせた。
高円寺からの帰り道、ルート・スゥイートホームにて突然左足のペダルがもげやがるロードバイク、
ペダルを手に持ち、鼻の下を黒く塗ってロードバイクを押し、
スタイリッシュは板につかず、生活に塗れながら年を越す。
December 21, 2010
ニューヨーク・サブウェイ・ブルー ’10
地下鉄の構内でブルースを弾いてる奴がいる
誰も気にしてないけど、誰も聴いちゃいないけど
しがない旅人の胸にその音突き刺さる
地下鉄の構内でトロンボーン吹いてる奴がいる
冷えた体を丸めて、ハードケースを広げて
その中が綺麗な金で埋め尽くされる日を夢見てる
地下鉄の車内で、或いは浮かれた西4丁目付近で
やけに陽気な浮浪者がサンタクロースの帽子を被って
「ジングルベル」を唄いながら小銭を掻き集めてる
紙コップに入れられたその小銭でリズム取りながら
やけに陽気な浮浪者がサンタクロースの帽子を被って
寒さを誤魔化しながらクリスマスを祝おうとしてる
「ジングルベル」を唄いながら
哀しみをおどけて演じながら
紙コップが綺麗な金で溢れる日を夢見てる
地下鉄の車内でチェロを弾いてる奴がいる
まるでこの世界はただ俺一人の為にあるんだと
何食わぬ顔立ちでその精神突き付ける
ところで俺はポケットから適当なドル札を
引っ張り出して奴等の胸の奥に押し込んだ
それはファッションだとかそんな安い意味合いじゃなくて
いつか胸の奥深くまで温まるのを願いたいから
ハードケースと紙コップに溢れる夢を見てるから
地下鉄の構内で、溢れ出る感情でもって
名もない旅人にその精神突き付ける
ニューヨークで何より目を奪われ感銘を受けたのは、
銀座や六本木の如き高貴な雰囲気漂うタイムズスクエア周辺でも自由の女神でもなく、
道化を演じるやけに陽気な浮浪者の誇り高き姿勢とライヴバー&ジャズバーに紛れもなく根付いている文化だ。
帰国して即座に書き上げた詩と曲はブルースとかいうヤツ、
俺ってひょっとして底知れぬ程に音楽を愛して止まない男代表格なのかも知れないと改めて気付く。
以前誰かがヌカした、「アンタの詩は弱者への唄だ」、
タイムズスクエアのさぞかし輝いた光景よりも浮浪者の詩が何より先に自然の内に生まれた事実に歓喜する。
ライヴバー&ジャズバーでは5ドルや10ドル程度で良質な音楽があちこちで鳴り響き、
客は音楽を肴に呑みまくり、その音楽がイカせばイカす程に盛り上がり出す。
シラけた日本の雰囲気だとかノルマシステムだとか何だとか、そんな類いはもはやハナで笑うしか手立てがない始末。
今は次の旅の事しか眼中にない、3月4月には再度アメリカを訪れたい、
気負う必要さえ消えた今、ロンドンよりもフランスよりもまずはもっとアメリカを知りたい、
すなわち、頼りは世界共通のスナック感覚に他ならない。
そしていつか必ず俺は何かしらの事業を起こす心意気、
恋人だとかどうしようもない輩だとか何だとか、そんな類いは八の次で良い、
俺は何とも競わない、完全に燃え尽きていつか必ず死ぬだけだ。
昔の興奮と今の衝動を合わせてロックでストンプでも踏んだら新しい事出来そうな気がするわ
我が愛しのマリーの名言に夢を。
December 19, 2010
New Hip Modern Soul Roman Birthday '10.12.13(mon)
’10.12.13(mon)
あまりに長い30回目の誕生日、15:05発/13:50着デルタ航空ニューヨーク直行便、
「1980年12月8日/ジョン・レノンのいちばん長い日」を読み耽りながら12時間45分のエコノミートリップ。
12時間45分、東京-博多間の高速バスとほぼ同タイム、すなわち「地球なんて実は狭いぜ」などと洒落込む30。
JFK空港降り立てば、まったくもって言葉と知恵を持たない生まれたての子どもと同義のファッキン野郎と化しながら、
執念の「またしてもNYに舞い戻って参りましたよ顔」だけは損なわず税関を通過する。
仕組みもシステムもマンハッタン行きの電車の乗り方もまるで弁えず、
どうにか回転バー式の改札を潜り抜けようとした矢先、トランクが引っ掛かり回転バーだけが回り、
こちとら押しても引いても上げても下げても出られない始末。
早速困り果て改札の黒人姉ちゃんに歩み寄る、「Hey!これ引っ掛かっちゃったんだよ!」
黒人姉ちゃんは苦笑い極まる「このド素人が!顔」にて手動で回転バーを回し、
俺はその九倍の苦笑いにして「いやーしかしNYも変わったなぁ!顔」だけは断固損なわず改札を突破する。
地下鉄では黒人浮浪者が小銭の入った紙コップをジャラジャラ鳴らして小粋な唄を歌いながら車両を徘徊し、
マンハッタン辿り着き34丁目の階段を上ったらエンパイアステートビルが堂々と突き刺さっている様を目の当たり、
「おいおいキトるやないか!」などと盛大に感極まりながら、「やはり12月のNYはいつ来ても良いなぁ顔」だけは辛うじてキープする。
エゲツナイ寒さの中、夢にまで見たボヘミアンの聖地と呼ばれて久しき「チェルシーホテル」看板を発見し、
「これは完全にキトるやないか!」などと胸中丸ごと爆発させながら、「今回もまたここに泊まるのか!顔」だけは必死に取り繕う。
鍛え上げたつもりのイカサマ英語もいざとなれば「OK」しか出てこない有り様、
たとえベルボーイが「貴様、マリファナ売人か?貸せる部屋など一つもないぜ!」などと流暢な英語で捲し立てていたとしても、
俺はきっとこう答えただろう、「yeah,OK! thank you please!!」。
902号室に入ればあまりに広い部屋に歓喜、一通り部屋の説明を受け、「OK!」と「thank you!」を繰り返した後に尋ねる、
「smokin cigar OK??」
一人きりで余裕の一服をキメながら、「最初から全てスタイリッシュにやれる奴などいない」と言い聞かせ、
失敗と失態を繰り返しながらもまずは闘う事を選んだ俺を褒めてやりたい衝動に駆られる、いつか全ては茶番話に変わる。
タイムズスクエア「B.B.KING BLUES CLUB&GRILL」、
「tonight show OK??」でビートルズモノホンカバーバンドに22$、
根付いた音楽文化に触れ日本との歴然とした格差とライヴハウスシステムの違いを一目で確認。
タイムズスクエア周辺徘徊、アメリカンキングサイズのノートブック手に入れ我が愛しのチェルシー902、
アメリカでも有効な天下のスナック感覚を駆使してメモを書き殴り、疲れ知らずで再び街へ飛び出せば雪の中、
道中で「hot coffee please!」でコーヒー手に入れ遂に向かうグリニッチビレッジ「Village Vanguard」、
バドワイザー流し込みながら伝説のジャズバーで果てしなく酔いしれる。
雪を踏みながら写真を撮りまくり、道中で「hot coffee please!」でコーヒー手に入れ、
そいつを飲み干しながら以前、「アンタはどこに行っても大丈夫だよ」と呟いた相棒の顔を思い出す。
通常の八割増し我が物顔だけは決して忘れず真夜中に我が愛しのチェルシーホテル帰宅、
たった一日でコツと教養と風貌さえ得た感さえ漂わせ、今や至って流暢な英語で告げる、
「please,nine zero two key!」
余裕をかまし、冷え切った体と痛めつけた足を熱湯シャワーで温めてやろうとするも捻っても擦っても一切お湯が出ない。
毛布をきつく抱き締めて眠る、スタイリッシュは板につかず。
hot coffee please,in NEW YORK CITY '10.12.13-12.18
19歳の俺に、22歳の俺に、26歳の俺に、28歳の俺にこの全ての体験を話したらヤツは心底羨みながらこう呟くだろう、
「まったくもってイカす」×1213、
団体やツアーで旅に出といて「これは修業だ」などと一丁前に洒落込める程に俺は頭イカれてもいない。
香港&マカオの旅や日本国内の旅とは明らかに達成度が異なる胸中、
日本語を封印し、全て一人で、地図だけを頼りに、国籍も人種も言葉も超えて、
ガタボロブーツがいくら足を締め付けても端から端までイヤラシイ程の速度で歩き続ける。
たった6日間で全てを塗り替え、8ランクどころか16ランクアップの成功者このワタシ、
この旅は紛れもなく今後に繋がるパーフェクトに限りなく近い旅だ。
一番耳にしたワードは「Merry X'mas!!」、
クリスマスなんてまるで好きじゃないし一切関係ないと思っていた、日本にいる限りは。
でも奴等は違う、意味を弁えた上で心底クリスマスを祝っている。猿真似天国日本のファッション感覚とはまるで訳が違う。
クリスマスがどうしようもなく愛おしくなった、少なくともニューヨークにいる限りは。
一番口にしたワードは「hot coffee please,no sugar black!!」、
国籍も人種も言葉も超えて通用する世界共通言語はもはや「hot coffee please」に他ならない有り様。
スターバックスなんてまるで好きじゃないし一切関係ないと思っていた、日本にいる限りは。
でも奴等は違う、心底コーヒーを欲している。猿真似天国日本のファッション感覚とはまるで次元が違う。
スターバックスがどうしようもなく愛おしくなった、少なくともニューヨークにいる限りは。
空港から地下鉄でマンハッタンに降り立ち、階段を上って一番最初に飛び込んできた光景はエンパイアステートビル、
エンパイアステートビルなんて二の次だと思っていたのに目に入れた瞬間、確かに歓喜で気が狂いそうになった。
チェルシーホテル902号室にチェックインし、ベルボーイにチップを渡して広々としたベッドにトランクを置いた時、
とても興奮抑え切れず口からスゥイートハートを根こそぎ吐き出しそうになった。
誰かの旅行記も得意気な自慢話も要らない、全ては見て体感してこそだ。
凍える雪の中、危険も知らず、細心の注意と最新の八割増し我が物顔を駆使して真夜中まで歩き続け、
ジャズクラブ、ライヴバーを6軒ハシゴし、根付いた文化の違いを目の当たりにする。
地下鉄構内のブルース弾き、トロンボーン吹き、電車内のチェロ弾き、
ジングルベルを唄いながら小銭が入った紙コップを鳴らしておどける浮浪者。
どの角度から見ても異邦人のボンクラに道や切符の買い方を尋ねてくる外国人、
日を重ねる内にイカサマながら英語が話せる様になってくる感覚、いくら失敗を繰り返しても今より悪くはならない事実、
世界の扉を確実に個人の足で切り拓いた感さえ漂う昨今の狂乱事情。
ニューヨークに出向く直前に連絡を入れたハイカラお姉ちゃんがほざいた、
「さすが、本当に実現させるんだね!」
所詮こちとら地球の一住人に過ぎない、どうしようもなくしょうもない事柄も小さ過ぎる揉め事も金輪際ノープロブレム事項、
まだまだ果てしなくドデカイ事をやらかしたいと企む昨今のブギウギ胸中、
徹底的な差で、圧倒的な個人戦で、口だけ阿呆のヌカす事など永久追放、旅は死ぬまで終わらない。
コツと感覚と教養は6日間で充分に得た、所詮こちとら地球の一住人に過ぎない、
次はハードケース担いでメンフィス&ニューオリンズ、俺はボヘミアン精神とロマンにだけ忠実なあん畜生、
理解出来ない輩には生涯到底理解出来ないやり方で切り拓く。
December 13, 2010
孤独という名の歓喜を抱き締めて逃げろ ’10
何も怖くなく、何も寂しくなく、踏み出した自分の足にただ酔いしれていた
知らない街は知らなかった事をいつだってほんの少し痛く教えてくれたけど
そんな事よりそこに立ってる自分と踏み出した自分の足にただ酔いしれていた
吟遊詩人
誰に祝われる権利もなく、盛大な誕生日パーティだとか結婚披露宴なんて類いは断固ガラでもない。
優しくされたら寂しくなるばかりでも自らの権利とポリシーだけは永遠に主張し続けろ、
生きている限りは。
そして俺が俺を、お母ちゃんを盛大に祝うのはまったくもって迷惑の欠片もない程の自由だ。
19歳の誕生日、「9万円のギターを手に入れる」と豪語した俺にお母ちゃんが罵った、
「お前は阿呆か?そのお金をワタシに渡しなさい」
22歳になる誕生日、その真っ赤なエレキギターを弾きながら0時を迎えた俺の背中にはシワクチャの紙切れが貼り付けられ、
そこには愛しの女の子が殴り書きした文字が躍っていた、
「男22歳、ギター掻き毟り中!」
20歳の誕生日に照準を合わせ、遠回りを繰り返しながら早朝から晩まで働き続け120万円を手に入れ、
散々と「ケチの代表格」という名のレッテルを貼られ、俺は平凡な連中を八倍ハナで笑う事だけは忘れず、
大袈裟に不貞腐れながら突き動かされる衝動にだけは逆らわず、毎晩ギターとノートブックを抱えて座ったまま眠っていた。
そして20歳になったばかりの真夜中、俺は東京行き寝台特急列車に飛び乗り大そうに泣き崩れながら夢を見ていた。
これからとんでもない事が始まるんじゃないかと、いつも一人で胸を躍らせていた。
あれから丸10年、大物なのか小物なのか論外なのか単なる端くれ者なのかなんてどうだって良い、
胸を躍らせる方法をいつだって思案し、そして辿り着き30歳を迎えた今、
誰に祝われる権利もなく、何も出来ずやろうともしない輩共に罵られる筋合いもなく、
12月13日という日を丸々48時間眠らずに過ごしてやろうと企んでいる。
全ては完璧に仕立て上げられた逆トナカイ男のドキュメンタリーフィルム、
無事に成田空港何ちゃらターミナルエリアまで辿り着き、税関通関何ちゃら関を見事突破し、
そして生きてさえすれば俺は飛行機の中で、マンハッタンのど真ん中で感極まって泣き崩れてしまうかも知れないし、
生きている喜びをエゲツナイ程に味わい尽くし胸ごと口から吐き出してしまうかも知れない。
時差は-14時間、このハイカラシステムを最大限に活用し、今現在の時間をもう一度巻き戻し、
映画やら本やら音楽やら何やらで観過ぎる程に観てきた生粋のニューヨークを目の当たり、
すなわち、12月13日という火は今も昔もどうしようもない程に燃え続けている有り様。
仕返しってのは暴力じゃない、ふてぶてしく行動と大言壮語を吐き続ける事に他ならない。
今日まで「アンタみたいな人間と友達になれて良かった」などと何人もの人間が俺みたいなモンに声を掛けてくれた、
いつも照れながら答えた、「こちらこそありがとう」。
最低気温は-6℃、生憎の雨やら雪やらを蹴散らし、ガタボロトランクには柄シャツとタンクトップとメモ帳、
この類い稀なる武者震いはきっと誰にも伝わらない、所詮俺個人の感情に過ぎない。
旅から戻れば御多分に漏れずとんでもない寂しさが襲い出しやがるに違いない、
バットしかし、次から次へと奮い立たせる旅の準備はいつだって出来ている、
権利とポリシーと哲学をエゲツナイ程に持ち合わせて生きている限りは。
December 12, 2010
唯一の散文 ’10
クールであれ、ヒップでいろ!
個人の感情を、体験を大切にしろ!
内なるハートビートを信じろ!
ジャック・ケルアック
浮き足立ってる俺の胸中、
胸ごと口から吐き出してしまわんばかりの高揚具合、
随分と盛大に長い間ほざき続けてようやく手に入れた「Electronic Ticket Record」、
既に心此処にあらず、落ち着きなど皆無、
興奮と緊張と執念と軌跡と何やらかんやら、
一足お先にニューヨーク直行デルタ航空特級窓際シートへ吹っ飛び待機中の魂。
昨日の真夜中から明け方までの出来事を明確に思い出す。
誰からも愛されたいなんて考え出したら直ちにお終いだ、
そして誰からも理解されないなどと諦めるなんて断固ドンクサイ事柄、
俺は何も諦めない、賞味期限を越えた納豆を二個連続のハッタリで平らげるその瞬間さえもだ。
濃厚な人生を歩んできたサムライヤンチャ男達の信頼言葉、モノホンの審美眼、
俺ってひょっとして狙い通り且つ理想通りに生きているそこそこのあん畜生なのかも知れないと思える事だってある。
流行言葉を誇らしげに喋りたがる輩とクズ集団愛好家には到底及ばない域での深い喜びを噛み締める。
’11.1.17(月)
ライヴ アット 下北沢BAR?CCO
19時開場/20時開演/1000円(+order)
一大プロジェクトの架け橋、水面下でうねり続けるロマン、
俺みたいな端くれ生き残りにどうにか光を射そうと企む「本物おっさん達」にエゲツナイ程の愛を。
果てしない幸せと唯一の旅がほしい、誰も手の届かん境地とニクいやり口で。
December 11, 2010
胸騒ぎで気が狂う夜 ’10
休憩時間こそ仕事時、銀行駆け込み遂に外貨紙幣両替、
さぞかし頑丈な窓ガラス越しのお姉ちゃんに告げる、
「ドル、まずは200で」
そして円と引換えに手に入れた生まれてこの方初めて拝見するダラーはまるで「人生ゲーム」における紙切れ札と同じ仕様。
夜は夜とて天下のCCOへ突然呼び出された結果、ビールをたらふく御馳走になりながら6時間半に亘り、
TOP3とまったくもって降って涌いた一大プロジェクトのミーティングを繰り広げる。
俺みたいな端くれにどうにか光を射そうと企む男達にエゲツナイ程の愛を、
要するに一回り上の「ポッピンおっさん連中」にはとんでもなく圧倒的な支持を受けている事実を肌で感じる。
胸騒ぎが過ぎて、もはや胸ごと吐き出して気が狂ってしまいそうな程にイカす明け方の出来事。
December 09, 2010
チャーミング哲学辞典 ’10
太り過ぎない様にいつだって少々の気配りは忘れない、
たとえ体重が49.3kgだとしても甘えなど断固許すべからず。
太り過ぎた輩が「お前は太っている」などと罵られて言い訳しながら被害者面をぶらさげている様は見るに耐えない、
すなわち、責任は全て貴様にある、
「負の部分だけ都合良く棚に上げるのは止めなさい」の一言でお終い且つお別れだ。
頻繁にイライラギラギラしていたとしても、何も年がら年中って訳じゃない。
しょっちゅう眉間に皺が寄っていたとしても、何も四六時中って訳じゃない。
俺は「怒りたい」人間じゃない、生粋の「笑いたい」人間だ、
表面とスタイルだけ真似て気取るのは直ちに止めろ、
化けの皮はいつか必ず剥がされるってシンプル極まる仕組みだ、
何よりもみっともない罪と罰。
入念且つ丹念且つ執念で築き続ける自らの城、
負い目を根こそぎ排除して「闘わない」より「闘い続ける」心意気、
サムライって響きと自らの名前に断固恥じない様に。
スナフキンがクールにほざく、「孤独を愛しているから僕は一人で行くよ」、
「幸せとは?」だとか「男とは?」だとか「モテるには?」だとか何だとか、
そんな類いは八流雑誌が決めるモンじゃない、
それを編集しているヤツは果たして「モテる」のか?「男」なのか?
答えはノー、生涯ノー、仮に「モテて」いたとてそんな「モテ方」終始ノープロブレム事項、
安い幸せが蔓延る昨今、それを受け入れるスケコマシ逆モダンピープル、
「出世」っていうのはどうやら人の言う事をほいほい聞けるヤツにだけ与えられる権利だ、
俺は残念ながら恥を知れと言われたら恥をかきたくなる性分だ、迷惑はかけん程度に。
せめて幸せ位自らで決めろ、かれこれ1332年前から伝え続けられているエゲツナイ程にありふれた精神論。
以前誰かが罵った、
「自分の思い通りに行かなかったら強行手段取って暴れてどうのこうの・・・」
頻繁にイライラギラギラしていたとしても、何も年がら年中って訳じゃない。
しょっちゅう眉間に皺が寄っていたとしても、何も四六時中って訳じゃない。
揚げ足を取りたいが為にこの文章を読み漁るヤツ、「ヌカしやがって」とハナで笑うヤツ、
汚い手段を使ってどうにか引きずり降ろそうと企むヤツ、何となく読むヤツ、「毎日欠かさず」ってヤツ、
そして「勉強になる」だとか「この文章は僕の救いです」だとか何だとか、
そんな言葉を聞くと「おい、それほんまけ!」と嬉し紛れに半信半疑にならざるをえない胸中、
一つだけ確かな事は「どうぞお読み下さい」と頼んだ例など一度足りとてない、
読みたいヤツは「読むな」と吠えても読むだろう、読みたくないヤツは嫌気がさして直ちに止めるだろう、
とにかくこちとら勝手極まる哲学辞典を捲くし立てているだけだ、
「いつ死んでも良い様に」と100%中ジャスト2000%本気で思っている。
「賛否両論」とはナニモノにも代え難いイカす響き、
一つだ確かな事は名前は隠さない、それが最低限のルールだ。
本質を見極めた上で俺みたいなモンに「将軍」などと歯の浮く様な言葉を掛けてくれるのなら答えは◎だ、
入念且つ丹念且つ執念で築き続ける個人戦、
気難しそうに見えるのだとすればそれはファイティングポーズの印だ、
果てしない幸せがほしい、誰も手の届かん境地で。
December 08, 2010
ジョンと放浪のバラード ’10
大半の人が悲しいほど受け身です
両親、先生、大統領の言う事を全て受け入れる姿勢が一番不健全です
ジョーン・バエズ
操られる事と縛られる事をエゲツナイ程に毛嫌いし、操られたり縛られたりする前に自らを守り抜き、
名前だけのリーダーと猿真似八番煎じ野郎をハナで笑い続ける。
指図される前に行動を起こせば一目で分かる偽者の意見など問答無用、秩序と面目を保てている限りは。
その程度の浅はかな知恵さえ持たないそこかしこに蔓延る筋違いドンクサ星人がさも被害者面をぶらさげて、
「馬鹿にしないでよ」などと一丁前にほざいている様はまったくもって滑稽過ぎて見るに堪えない。
古着屋では懲りもせず声を掛けられる、
「これ試着良いですか?」
こちとら執念のハッタリオーナー顔で0.98秒のワールドタイムで即座にアンサー、
「あー、どうぞ!」
律儀に試着室まで指差す俺はそこそこ底知れぬお人好し代表格、
もはや本気で古着屋を経営したい心意気×0.37。
俺はただ16歳の時に手に入れたヒップシャツを、
20歳の時に手に入れたレザージャケットをボロボロに破れたとて生涯大事に着続けたいと願っているだけのあん畜生、
そのハイカラ貧乏性魂に並々ならぬ誇りを持ち、
それさえ弁えた上で俺みたいなモンに「お洒落」などと歯の浮く様な言葉を掛けてくれるのなら答えは◎だ、
札束にモノ言わすやり方と媚びへつらうやり方なんて生涯ノープロブレム事項。
「煙草は止めない」と「煙草と縁を切る」、
どちらも美学だ、残念ながら俺は何とも競わない。
「いつもピカピカの靴」と「擦り切れたオンボロブーツ」、
「コマのついた洒落こましトランク」と「色さえ剥げた昭和のガタボロトランク」、
どちらが良いかなんてどちらでも良い、
俺はたまたま後者にしか魅力を感じてないってだけの個人的な話だ。
取っ手が壊れたら抱き抱えてやれば事足りる、コマも快眠グッズもそんなオカマみたいなモンは要らない、
珈琲とさぞかし大事な二本の手がある限りは。
「自由の女神」と「場末のバー」、
「エンパイアステート何ちゃら」と「CBGB跡地」、
「何ちゃらヴィトン本店」と「ヴィレッジ・ヴァンガード」、
どちらが良いかなんてどちらでも良い、訳の分からん言い争いなど聞くに堪えない、
俺はたまたま後者にしか魅力を感じてないってだけの個人的な話だ。
ジョンレノンが「単なる目立ちたがり屋」に撃たれて丸30年、
そして「1980年12月13日、ジョンレノンが撃たれた5日後に俺は生まれたらしい」。
一度死んだ筈の俺が5日後に見事30歳の大台を迎えるなんて君以上に俺こそが思っても願ってもみなかった事実、
そして万事予定通りに事が運べば5日後にはニューヨーク・ダコタハウスで、
セントラルパーク・ストロベリーフィールズで確かに佇む俺が両手を合わせているって寸法。
全ては完全に仕立てられた煙たくシガナイ男のドキュメンタリーフィルム、
話の通じる人間がいくら少なくとも建前だけのファッキンリーダーに操られるなんて真っ平御免の真骨頂。
そして狂乱のマンハッタンを練り歩く事よりも成田空港何ちゃらターミナルエリアまで無事に辿り着けるか否か、
こちらを何より不安に思っている俺は近年稀にみるスッテンコロリン野郎の代表格、
税関通関何ちゃら関では相も変わらず面目だけのファットリーダーと100%中138%の高確率で悶着を繰り広げる事になるだろう、
「ノードラッグ・イエスモラル」
そしてニューヨークなる未知の領域にポンコツブーツをつける前にもしも俺が死んだら、
アンタの記憶の中には「エゲツナイ程の大茶番役者」として勝手にのさばり生き続けてやる心意気、
「死んだ女よりもっと哀れなのは忘れられた女です」
高田渡もルールイスもウディアレンも勝新太郎も何も変わらない、
「果てしなくイカす」という精神においては。
全ては緻密且つ綿密且つ秘密に仕向けられた逆トナカイ男の物語、
俺は自由の国よりジャスト1085倍自由な個人だ、
寂れた類いの愛すべきライヴバーで完全な日本語を駆使して捲くし立てる様に唄ってやろう、
「無秩序と自由は結びつかない」
奴等はきっとヌカすだろう、
「ユー、ホヮット??」
そこでこちとら、0.28秒のワールドタイムで即座にアンサー、
「フロム成田空港何ちゃらターミナルエリア!!!」
「ニューヨークへ行く」とほざけば必ず聞かれる、
「観光??」
「観光」、あまりに平たく薄っぺらくもどかしい言葉だ。
「ブログ」などという響きと同じ低レベルのあまりに平たく薄っぺらくやるせない言葉だ。
ブレイクスルー掲げる憧れのチェルシーホテル住人このワタシ、
これは自らに課した手始めの修業に他ならない、
ウイスキーとさぞかし大事な二本の足が動き続ける限りは。
December 06, 2010
チープ・スリル ’10
真夜中、ウディアレン「カメレオンマン」観賞。
エゲツナイ程の風刺、矢継ぎ早のウィット、卓越極まる言葉遊び、
現代にこんな粋な演者、脚本家、監督が存在する事実にとても興奮抑え切れず、
暫らく呆然とブラウン管を睨み眺めるしか術がない有り様。
ニューヨークはアッパーイーストサイドなる高潔タウンに暮らすという氏の家の扉をノックして、
この溢れ出る感動を一言告げさせていただかん事にはどうにも辻褄が合わん程のハイカラ具合に脱帽を繰り返す。
そして俺はドンクサイ輩と猿真似八番煎じ野郎をエゲツナイ程に毛嫌いしているただのあん畜生、
知識だとか専門用語だとかイカす車乗ってるだとか何だとか、そんな類いは八の次で良い、
重要なのはドンクサイかドンクサクナイかだ、それだけで100%中1002%事足りる次第。
渋谷の路地裏ではブルドーザーの如き黒人とすれ違う、ニューヨーク行きが刻々と迫っている。
随分と長い間ほざき続けてきたニューヨークなるビバップジャズとビートニクの聖地で、
俺はファしか鳴らん口笛でも吹かしながら必ず執念の我が物顔を駆使してマンハッタンを端から端まで歩くだろう。
BGMはフランクザッパ、愛すべきモノに垣根を作るなんて断固ショウモナイ事柄、
自然の内に徹底して共通しているのは「ドンクサクナイ」点だ、
すなわち、それ以外は全てクダラナイ。
December 04, 2010
アクト・ナチュラリー ’10
今の気分をたったの一言で片付けるのなら「キャラメルコーンを小粋な皿に盛って召し上がりたい」気分。
正直者が異端児と呼ばれる昨今のサカサマ事情、
肩で風切り歩いている様に見えるのだとすれば、それが最も気楽なスタイルだからに他ならない。
どうしようもない輩はどうしようもない輩とつるんだり、どうしようもなく道を塞いだり、挙句の果てに結婚したりする。
オマケに律儀にどうしようもない子どもまで授かり、どうしようもない親によって育てられ、
生意気な口調のままに秩序の意味さえ弁えずどうしようもなくのさばりやがったりしやがる。
そんな循環は真っ平御免の真骨頂、正直者が異端児と呼ばれる昨今のサカサマ事情に盛大なる憎悪を。
隠し事もセコい生き方も名前だけのリーダーも教養の欠片もない最先端気取りも阿呆らし過ぎて閉口、
俺だって「どうしようもない輩」の一員に成り下がってしまう事多々あれど、「常に」って訳じゃない、「たまに」って感じだ、
そしてその「たまに」さえ根こそぎ排除したいと企んでるってんだから生きるってのはエゲツナイ程に難儀だ。
9月に結婚を果たした愛すべき相棒に御祝儀の代わりと銘打ちレコード4枚、そして本を贈る。
レコードはどれもこれも選び抜かれたハイカラ音楽、そして本は御多分に漏れずチャールズ・ブコウスキー「勝手に生きろ」、
結婚しようが子どもが生まれようが「スナック感覚だけは断固見失うべからず」という強い思いが込められている。
どれだけチャーミングな女の子でも「所詮単なる動物の一種に過ぎない」という哲学、
経験を経てそこそこに寛大な心を携えている今日この頃、
訳の分からんコンピューターを開発する前に眠りながらでも読める本を開発してくれ、永久に探究心は収まらない。
テレフォンショッピングで紹介する商品を宗教かの如く祭り上げるタレントの心を見透かした事があるか?
俺はある、
いくら仕事と割り切ろうと試みてもとても割り切れないその胸中に並々ならぬ葛藤と勇気を。
そして東京23区の地理さえ定かでないこの俺がマンハッタン全図を頭に叩き込むその執念にはハッタリの敬意を。
何年か振りに「THE BOOTS DAYS」と書かれたファッション雑誌の類いを手に入れてみる、
無論、流行を追いかける為でも、ファッションを盗む為でも、掲載されたジャケットを買う為でもない。
考え方次第で世界は回る、ニューヨークでギターと20個目のアクセサリーを手に入れる心意気。
座右の銘は「どうにかなる」、俺はそこそこ正直に生きているだけのガリヒョロあん畜生、
大事な事とは身の丈に合ったスタイルの一点張り。
とにかくこの街に腐る程に溢れている逆お洒落ファッキン美容室の全てが昭和ハイカラ喫茶室なら嬉しいのに。
December 02, 2010
師匠もクズも走れ ’10
毎日同じ珈琲を飲み、毎日同じブーツを履き潰し、毎日同じ煙草を吹かし、
毎日違うレコードを回し、毎日違う映画を観、毎日違う興奮を得て、
毎日どれから手をつけるか思案し、毎日とっ散らかし続ける。
またも迎える愛して止まない師走時、この街に来てもうすぐ丸10年、
20歳の時分、夏季繁盛期に宅配便補佐なる体力仕事をしていた俺にドライバーが羨んだ、
「まだ20歳か!って事は10年遊んでもまだ30歳だぜ。それは凄い事だよ」
そして驚いた事にもうすぐ迎える30歳、
丸くなるってのは一体どういう意味だ、
「出世」っていうのはどうやら人の言う事をほいほい聞けるヤツにだけ与えられる権利だ、
俺は残念ながら右を向けと言われたら下を向きたくなる性分だ、性分にはとても逆らえない。
マラドーナドキュメンタリー映画観賞、
ターンテーブルにはガレージツイストを乗せて踊る、
「本当の俺を誰も知らない それでもええよ 無理はしないよ」
高田渡もスキンヘッドレゲエも何も変わらない、「果てしなくイカす」という精神においては。
茶番映画のコマーシャルではノータリンガールが恥じらいもなくほざいている、
「今まで観た映画で一番です!!」
貴様、今まで8本しか映画観てないんとちゃうけ×8097、
浅い浅い知識でさも世の中知り尽くした様な面を晒すのは止めろ、
専門用語も略式言葉も根こそぎ捨てまくれ、みっともない。
頑固者の事をアウトローと呼ぶのなら、俺ってひょっとしてそこそこのアウトローになり得るのかも知れない、
バットしかし、自らの事を「アウトロー」だとか「アンダーグラウンド」だとかと自慢げにヌカしたがる輩を俺はクズだと思っている。
「メインストリートのならず者」、ローリングストーンズに今こそ花束を、
「定番」ってのは誰かが決めるモンじゃない、俺はいつだって自らの定番の中にだけ存在する。
ところでインチキ戯けメールの類いは永久に止まる事を知らない、
「あなたに198000円を差し上げます」
くれよ×198000。