July 2017
July 29, 2017
手紙 / 2017
宛先不明の手紙を書いて、
あの娘の元まで届けてやるつもりだったのに
ポストマンが云うには「宛先は何処ですか?」
お固い話にはもうウンザリさ
その手紙はいわば自らの為に
書き殴った様な絵空事の戯言
行き先なくして、書き殴った文章は
自らの胸中にまんまと命中したって訳さ
一日が36時間になればいいと願ってるあの娘の為に
俺に出来る事はなんだ?そんなの皆無さ
だからせめて絵葉書でも...
朝が来てそんな感じ、思いつきの夜だった
朝が来てこんな感じ、ありふれた夜だった
窓の外では痴話喧嘩、ようやく集中して精神を
高みに持ち込んだところだっていうのに
シチュエーションはばっちりの土砂降りの中、
「もう大嫌い!」、誰もが役者さ
悪いのは男さ、そういう事でいいさ、
経験ってのは武器になるさ
どうか彼女を抱き締めて静まらせてやってくれ
そして俺に静寂をプレゼントしてくれ
高みに持ち込んだ筈の精神は簡単に崩れた、
だから雨の音を聞いていた
シチュエーションはばっちりの豆電球の中、
「もう今日は終わり・・」、誰もが役者さ
朝が来てそんな感じ、救いなき夜だった
朝が来てこんな感じ、ありふれた夜だった
大切な事のほとんどは酒場で決めてきた
そう、酒場と書いて契約と読むさ
大切な事のほとんどは酒場で学んできた
約束は忘れないさ
偽者がいくら気取ってみたところで
中身までは盗めないさ
約束を忘れてしまったヤツは信頼を失くした
そして当たり前に友を失くした
悪いのは酒さ、そういう事でいいさ、
酒を口に運んだのはお前さ
誰かの失敗が経験になればいいね
学べる時に学ぶべきさ
朝が来てそんな感じ、馬鹿らしい夜だった
朝が来てこんな感じ、ありふれた夜だった
小さなお婆ちゃんが新聞を丸めて
その文字を睨んでいる
憎悪の事件にインクだって滲んでる
お婆ちゃんが憂いでいる
御国をあげての戦争をまた始めるつもりですか?
目前の争いだけで手一杯だってのに
何処に行けども悪いヤツが居て
いいヤツが居るってだけの話なのに
殺したいと思ったヤツなら居るさ、
嗚呼、もう数え切れないほどに
だけど御国をあげてとかはどうだっていいのさ
個人的な感情だけさ
朝が来てそんな感じ、抑え切れん夜だった
朝が来てこんな感じ、ありふれた夜だった
女は男に云った、「寝たい時には一緒に寝ましょ」
嗚呼、無邪気に遂行した
次の日の夜、泣きながら女は友に云った、
「私、なんであんな事をしたのかしら?」
被害者がどっちなのかは知る術もない
だって、二人っきりの夜さ
そしてでっちあげられた嘘の事実だけが
コロコロと転がり出すのさ
何を信じるべきでどうすべきなのかが
もう分からない
何処に行けども悪いヤツが居て
いいヤツが居るってそれだけの話なのに
朝が来てそんな感じ、情けない夜だった
朝が来てこんな感じ、ありふれた夜だった
宛先不明の手紙を書いて、
あの娘の元まで届くかを賭けてたのに
ポストマンが云うには「宛先は何処ですか?」
お固い話にはもうウンザリさ
その手紙はいわば自らの為に
書き殴った様な絵空事の戯言
行き先なくして、書き殴った文章は
自らの胸中にまんまと命中したって訳さ
正義が正義であればいいと願ってる友の為に
俺に出来る事はなんだ?そんなの皆無さ、
だからせめてそのままでいてくれよ
朝が来てそんな感じ、繰り返す夜だった
朝が来てこんな感じ、ありふれた夜だった
July 26, 2017
その闇 / 2017
誰も知らない君の闇
誰も知らないお前の闇
誰も知らない敗者の闇
誰も知らない俺の闇
暖めてやってくれないか
凍えきった足元さ
お気に入りの靴下、
アーガイルでお澄まし
誰も知らない君の闇
誰も知らないお前の闇
誰も知らない勝者の闇
誰も知らない俺の闇
ハローマイフレンド
大きな声で呼びな
ハローマイフレンド
大きな声で叫ぶ名
持ち上げてやってくれないか
抱えきれない荷物さ
お気に入りのボトムス、
捲り上げてお出まし
俺が好きなのは今の君
じゃなくて、あの頃の笑う君
俺が好きなのは今の君
じゃなくて、あの頃のすがる君
暖めてやろうじゃないか
持ち上げてやろうじゃないか
今度こそ、今度こそ
お気に入りのスタイルで
叩き割りな、その闇
July 20, 2017
スゥイートハート&ビールストリート / 2017
重たいトランク抱き締めて
辿り着いた場所に目を凝らす
好きでもないくせにアメリカンコーク
その泡がヤケに気分を囃し立てる
晴れたまんまで雨は降る
嗚呼、ブーツは穴だらけだった
ならばジャブジャブ鳴らして元を取れ
所詮命はギャンブルみたいなもの
踊ろう、辿り着いた町で
スゥイートハート、吐き出してしまいそう
歩道さえないハイウェイを歩いてたら
ガタピシ車が真横を裂いて行く
まるで夢でも追い駆けてるみたい
アメリカンコーク、また空になっちまった
ミシシッピーの河を見渡しながら
ジャブジャブのブーツ乾かして歩こう
ミシシッピーの河の向こう側に問い掛ける
なぁ俺、今一人で何処にいると思う?
踊ろう、辿り着いた町で
スゥイートハート、吐き出してしまいそう
踊ろう、有り金叩き
スゥイートハート、はみ出したままでいよう
観光客目当ての馬車馬乗りが
鞭を叩いて馬を焦らせている
だけどカメラ構えてその面を狙う俺、
正義がどこにあるのかも知れず
テレビチャンネルを替える様にライヴハウスをはしごする
なぁ俺、今一人で何処にいると思う?
踊ろう、辿り着いた町で
スゥイートハート、吐き出してしまいそう
踊ろう、有り金叩き
スゥイートハート、はみ出したままでいろ
知らない町を歩くのが大好きなんだ
ここはメンフィス・ビールストリート
踊ろう、ビールストリート
入り浸ろう、エルヴィスも見てる
スモーキンシガレットの様に / 2017
ひらひらと舞い落ちてゆく
そうね、蝶々の様な灰を眺めながら
「悩みの種、蒔き散らすのはもう止めたいわ」
呟いた、新しいのに火を点けながら
スモーキンシガレットの様に愛されて
スモーキンシガレットの様に愛して
ブーツに落ちた灰は何処かへ消えたわ
もう一生会う事もないわ
「そうねあの雲、何処から来たのでしょうか?」
呟いた、香しいのを咥えながら
スモーキンシガレットの様に捩られて
スモーキンシガレットの様に捨てないで
捨てないで。
スモーキンシガレットの様に愛したい
スモーキンスモーキン、火事にだけ気をつけて
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いつか、名古屋からの帰り道、ジェニーが運転する車の助手席でDJ作業を興じながら煙草を吹かしていた。
灰がブーツに舞い落ちて、次に目をやった時には跡形もなく消えていた。
そんな時、既に頭の中ではこの詩が9割方完成していました。
July 19, 2017
the AT's Be-Bop '17
一日の大半を猿小屋で過ごす。
随分と昔、以前の猿小屋によく来ていた女の子がほざいた言葉が今だって耳にこびりついている、
「アタシ、此処に一ヶ月監禁されたとしても退屈なんてしないわ!」
あのヤロー、結婚して子どもが出来たんだっけ?
時代は変わり続ける。
昼寝をするAM01:01、威勢良く目覚める04:03、それから爆音でジャズレコードを回す。誰にも邪魔などさせない貴重な時間。
北海道での出来事を細やかに書き綴りたいが、そんなコトに精を出してもどうにも伝わるワケがないってのはIQジャスト8.0のオレにだって分かる。
あの温度、喜び、奇跡は全て自らの中にある。オレはどこまで北海道を好きになるんだろう。好きにならせてくれて有難うと、オレはすすきのの路地裏辺りで断固叫びたい気分。
つい先日まで読み方さえ定かでなかった町に、今は早々に舞い戻りたくて仕方ない。
セブンデイズを終えて胸躍らせたままの勢いで東京に戻る早朝、華麗なまでに電車を乗り間違え、飛行機に間に合わず大損失をくらった。
誰のせいでもない、一人で動いている以上、責任は全て自らの中にある。明朗会計だ。
先日、新宿ライヴで会った今村竜也氏がこう呟いた、
「この御時世、乗り間違えるってのも逆に凄いよ」。
さて、ニッポンの路線図事情もまるで覚束ないIQジャスト8.0小僧このワタシ、なんと今はアメリカの路線図を脳内に叩き込むコトに精を出している。
メンフィス&ニューオリンズトリップから丸5年、ほぼ毎日の様にアメリカ再訪を願っていた。
いまだ足を踏み入れたコトのないイギリスにも思いは馳せたが、その前にもう一度、いや何度でもアメリカが必要だった。
思うに、ジャンキーがクスリを欲しがる様に、オレはアメリカ現地を欲していた。
ようやくその念願が叶う。
二ヶ月後、生きていればオレはヘイトアシュベリーにいるだろう。
「君も一緒なら良かったのに」などと、懲りもせず無駄にデカいあのモーテルのベッドの上で思考したりするんだろう。
そしてようやく、あの安らぎ感漂う「年末」ってヤツが今年も見えてきた。
2017、驚いたコトにまだ生きている。
とにかく笑えていれば良い、死ぬ時までは。