December 2017
December 30, 2017
あとがきのようなもの '17
2017。それなりに、オレなりに過酷なロードレースだった。
毎年毎年、猫でもゴキブリだってそうだろう。
苦笑、失笑、大爆笑。つまりのところ、笑い続けていた。
去年の今頃は既にアメリカ再訪を決め、そして身体はぶっ壊れていた。
「ぶっ壊れたままでゴー」、ここ何年間も掲げてきたテーマだ。
寝込むなんてオカマだと、今もそう思っている。
アメリカで最も耳にした単語は「exactly!」だった。あまりに耳に入ってくるので辞書を引いた、
「その通り!」って意味だった。
何時だって友達と呼びたい、呼ばせてもらいたい人間が必要だった。そう呼ぶのが恥ずかしい人間とは立て続けに関係を断ち切ってきた。
逆にオレだってそう思われてしまう事があるだろう。
無理して何かに合わせてみようとしたとて、所詮いつかボロが出るのは火を見るよりも明らかだ。
つまりのところ、重要なのはエチケットとポリシーを貫く事だ。
こんな時、返事は断固「exactly!」がいい。
先日、「勝手に忘年会」などと銘打って2017を振り返っていた。40時間くらい眠ってないままだったが脳内麻薬が完璧に調合された様な塩梅で喋り続けていた。
誰かが云った、脳内麻薬の方が効くんだと。
それが本当ならオレはとんだラッキーボーイだ、脳内だけで「所持」出来るってんだから。
何かに頼る前にまず一人でどこまで出来るのかを確かめる必要は何時だってある。
だからポリスマン、何時でもオレのところに遊びに来てくれ。ガムとハンカチくらいしか差し出せるブツはないが、両手を広げて協力は出来る。
2018。本を書きたいと思っている。10年以上前からそう思っている。
頭の中では物語が溢れ過ぎている。どうまとめて、どう具現化すべきなのかって事でとっ散らかっている。
タイトル候補だけは既にいくつもある、
「座らないモダンソファなんて倒してもらえないボーリングピンと同義だ」
「優しさとは蹴飛ばされた石の胸中まで察する心」
「革ジャンこそがロックの代名詞だと誰かが盛大に嘯くのなら君は革ジャン以外でロックを撃て」なんてどうだろう?
返事は強固「exactly!」がいい。
感じた事のない感情を使い果たして死にたい。
2017の喜怒哀楽に脱帽。
最後に一言、「よいお年を」。
December 28, 2017
the AT's Blues '17
セブンイレブンから出てきたヘッドフォンをした外国人の男が絵に描いた様な財布の落とし方をして、そのまま気付かず去って行った。
世界中でその光景を見ていたのはオレだけだ。地面に落ちたソレを掴み取りヤツの左腕を叩いた、「ヘイ!落としちゃったな」。
ヤツはヘッドフォンをしたまま云った、「テンキュ!」
こんな時、「よいお年を!」なんて返せばスタイリッシュなのか、はたまた「何を聴いているんだ?どうせラジオだろ?」などとクエッションを投げればクールなアンサーが返ってくるのか、なんて思考している内にまた朝がくる。
12.13、下北沢ラプソディに「サムライ」って名の花が届いた。住所は秋田、差し出し名は「the Chabands」、そう、生きるとは茶番の連発。
サムライって花を見るのは二回目だ。横須賀で見たソレと今、猿小屋にあるソレだ。
花の育て方など美味いビーフストロガノフの作り方同様、てんで弁えてないオレが律儀に水を替え、匂いでも嗅ぎながら呟く、「ヘイ!サムライ、まだ枯れちゃ駄目だぜ」。
それでも時が来たならドライフラワーとして健在させる、なんてニヒルなやり口もあるらしい。
ドライフラワーを造るハウトゥなど組織の犬になるハウトゥ同様、てんで弁えてないオレが花の生命についてまで思考している年の瀬。
先日、久方振りにポリスマン三人に囲まれた。迷い込んだ宇宙人の様に見えたのかも知れない。
通行人のおっさんがオレを凝視していた。
恐縮そうに尋問する三人組にオレは断固協力の姿勢を示し、ヘラヘラと笑いながらポケットの中身を全て差し出した。
「いやーご苦労さんです!どうぞ!」
さて、最後にポッケから出てきたブツは残念ながらミントガムだった。
こんな時、「お手数をお掛けしました」なんて云いながら去って行く三人組の背中に吐くべき言葉はやはり「よいお年を!」なのか、はたまた「何も出てこんかったな!一人二万円ずつ頼むで!」なのか、なんて思考している内にまた夜がくる。
ところで、何を隠そう諸々のしょうもない契約の都合から、9月の末辺りからつい最近までまとまった収入が途絶えていた。
ようやく手にしたまとまったマネーで2017のツケを一気に片付けるべく、まだ払う必要のないモノまで先回りして、根こそぎ紙切れをキャッシュディスペンサーに捻じ込んだ。
調子に乗り過ぎた。そして、残ったモノはほんの僅かなマネー。
そいつでミントガムを買いに行こう。そう、スーパーミントガムを。
December 23, 2017
the AT's Holic '17
昨今は何でもかんでも適当な仰々しい病名を付けて笑うのが流行だ。無論オレは今、「沖縄愛性早再訪障害」だろう。
アイツは「マニュアル遂行障害」、コイツには「酔狂裸体障害」、アンタって「拘り呪縛障害」、貴様なら「欲望全片付障害」、名付け出せば8億通り以上もある。51を超えたあたりで早々に数えるのはヤメろ、「無自覚当嵌障害」に陥るぜ。
恐ろしい漢字の羅列、立派な病と捉えるか手を叩いて笑うかは君次第だ。
自由であーれ!、おっと、コレはきっと「自由叶願依存障害」だろう。そう、読み方さえ不明だ。
遂にオレも襟を正し、ネクタイさえ締めたドクターになれそうだ。キリがない。もっと笑わせてほしい。
沖縄のバンドメンバーとスタジオに入った。懐かしく、そして素晴らしい感触だった。本番では「サトウキビブラザーズ!」とかなんとか、軽々しい且つ甘そうな名を付けてメンバーを紹介した。
バンドでステージに経ったのは北海道は釧路以来だ。左右、そして後ろでも各々が自らのパートに精を出している。スタジオに入ってからは早く見せたくてしょうがなかった。そう、「早よ見て障害」だ。
オレはギターも弾かずハンドマイクで椅子に飛び乗り、泡盛で酔いどれながら踊っている客席にマイクを向けながらバンドには視線と指で合図を送った、「もうしばらく演奏を伸ばしてくれ、もっと楽しみたいからな」。
なんて我侭なんだろう。一人では出来ない芸当だ。
さて、一日に291回くらい「サムイ」と吠えている間になんと年の瀬ってヤツが迫ってきた。今年はまだあのかの有名なキメゼリフ、「よいお年を!」をあまり吐けていない。1534回以上は吐きたいセリフなのに。
2017が幕を閉じる前に決めておきたい事柄が塵の如くある。振り返る前にまずやるべき事はただ一つ、2018を捉える事だ。
各方面に日程調整の連絡を入れれば、色とりどりな返事がある、
「ちょっと先過ぎてまだ動けません」然り、「5月辺りはもう予定が入ってます」然り、二つ返事の「オーケー!」まで様々だ。
早い話、何年もこんな作業を繰り返していればイヤでも気付く事がある。バンド然り管理然り、一人で全ては出来ないって事に。
「ありがとう」の更に上をいく新たな言葉を延々と探し続けている。
December 15, 2017
the AT’s 37
‘17.12.13(水)
【レッツゲットロマンスペシャル
高哲典 -Akinori Taka- 37th バースディワンマンショー】
東京 / 下北沢ラプソディ
◆二部構成
◆ゲスト:鈴木羊
◆DJ : Tatta
♦ 一部
1. ロマンのど真ん中
2. 思い出を繋ぎ合わせて今を生きる
3. ラウンドミッドナイト
4. アウトローバカヤロー
5. ニューヨークサブウェイブルー
6. 夢の暮らし
7. スリッピン&スライディン
8. スモーキンシガレットの様に
9. 青空、ひとりきり - with 鈴木羊 -
10. 金もうけのために生まれたんじゃないぜ - with 鈴木羊 -
11. マーケットに春はない(can't buy spring)
♦ 二部
1. 街の灯り
2. 手紙
3. ヘイトアシュベリー
4. メンフィスのバラッド
5. ルートスゥイートホームにて - with Jenny -
6. 風来坊ソング - with Jenny -
7. トレイントーキングブルース - with Jenny -
8. 30days - with Jenny -
9. 友達 -with Jenny -
10. 愛すべき日々
♦アンコール
1. 深夜高速バスブルース
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オレは今、沖縄にあるヤケに変な造りの宿の中でコレを書いているところ。
首謀者がプレゼントしてくれた忌野清志郎の「ロックで独立する方法」という本を読んでいた。
12.13、37歳になった。オレって本当に37なのか?胸中感覚はまるで17のままだ。
沢山の優しさに触れながら詩を唄い、そして根こそぎ活力に変える為に喋りまくった。古い仲間が会いに来てくれて朝まで笑った、「アンタ、何も変わってないね」。
そしてオレは今、気付けば沖縄にいる。今日は昼間から現地のバンドとスタジオに入る。まるでチャックベリーだ。あ、チャックはリハーサルなんて必要としないんだったな。
夜は大好きな浦添grooveで一人で演る。で、明日はこのバンドとステージで笑いたい。
経験を経て、オレは今、ようやく37年目を開始したところ。殺したいと思った奴等にも感謝を忘れたくない様な気分。
December 02, 2017
peace 171201
遂にまた12月が来た。この流れのままにコマを進められれば、愛すべき大晦日さえ目前だ。
今、俺はようやく落ち着き、ジャズレコードをAからBへと裏返したところ。
2017、記録的に酷く哀しい年だった。裏切り、裏切られ、裏返り、裏返された様な気分。そして最後には残るべきモノが残った。
バット、そんなコトはもうどうでもいい。気狂いの様に笑い転げたコトも多々あったってんだから。
「ラジコンに興味をもってさ、走らせに海へ行くのが夢だ。頭に浮かんだコト全部、片付けて行け20代」などと、19歳時分は唄っていた。
サビの部分はこうだ、「昨日の涙、笑顔に変える、その為に今日を生きてる」。
タイトルは「やりたい放題」だった。
随分と青い且つ赤面もするが、「コイツ、特に変わらずここまで来てしまいやがったな」なんて今、苦笑いのままに思い返しているところ。
そして俺はなんと、大台の40代ってヤツに向かっているらしい。浮かんだコトを片付けるどころか、まだやれてないコトが多過ぎて、一生どころか二生費やしたとてどうやら追い付かない始末。
2017ショッキングニュースとしてまず上げるべきは加川良が死んでしまったってコトでしょう。
バット、どうでしょう?あの方は俺の中で今も完璧に生きている。埋もれてしまったミンガリングマイクの精神が今も完璧に生き続けているのとまったくもって同義で。
12月1日、ドサクサ紛れに生涯二着目のスーツを手に入れた。仕立て屋に行かずとも手に入るスーツ屋に駆け込み頼んだ、「コレの一番細いヤツある?」。
チャーリーパーカーが「俺が死んだらスリーピースのスーツを着せて棺に入れてくれ」と云ったとかいう逸話を聞いたコトがある。スーツはジャージ感覚で着てナンボだろう。
俺は今、嬉しくてソレを着たままにコレを書いているところ。
さて、最後に加川良の生き続けるべきトーキングブルースを一つ、
「よーし、それなら幸せについて答えてもらおうかい?」
「はい!マクドナルドでミスタードーナツに出会う事でしょう?」
「そうよ、フラワー、ピース、イッピー、ヒッピー、ハッパ、ラヴ」。
このウィット具合、脱帽はいくら繰り返して足りません。
旅は死んでも続く、探究心に限りなど皆無だってんだから。