June 2018
June 30, 2018
2018.6.30の文章
寝ぼけ眼を引き摺ってエッシャー展を拝みに上野へと出向いた。落ち着きを取り戻す為、拝む前にアイス珈琲を飲んだ。無論、足だけで探し当てたモダン喫茶で。
昔、「ねぇ、アンタって珈琲で動いているの?」などと、さほど仲良くもなかった女が云った。いつだって900ml珈琲ボトルを持ち歩いていたからだ。
その言葉は今も受け取った言葉の中で上位に鎮座している。君の名は忘れても言葉はいつまでも頭の中にこびり付いているってな仕組みだ。
あと一ヶ月は続くだろうと踏んでいた梅雨が、なんともあっけらかんと姿を消した。クール且つスタイリッシュ極まる去り様に、逆に「梅雨」ってヤツが好きになってしまいそうだ。
さて、猿小屋には窓がない。デザインだけを重視して取り入れた照明は燦々たる光を放ちやがる白熱灯だ。熱い。暑いが7月を待たずして夏を気取れるとは断固気分がいい。回すレコードならカリプソがベストだろう。
一昨日、ブーツを磨きながらサッカー中継を見てみようと思った。批判を浴びていたゴールキーパーが根性のセーブを決めた瞬間には自ずと声が出た、「ファー!!」。
その瞬間を見たいが為だった。嬉しかった、その眉間に皺を寄せた顔が語る物語が。しかし、その後の展開には閉口した。戦略、次の為に、色々分かるが、その姿勢はこちとら風情には生理的に受け付けられないモノだった。そして最終的には嫌悪感さえ抱く結果となってしまった。
オレみたいなモンは白熱灯に照らされてカリプソでも回しながら、黙ってブーツを磨いておくべきだったのだ。
先程、懲りもせずテレビを点けてみたらロボットみたいなアナウンサーが吠えていた、「日本人全員で応援しましょう!」。
さて、「10-0で負けます様に」と何故か思ってしまうオレは少しどころか相当捻くれているのかも知れない。
明日から下半期に足をつける。予定はいつだって山積みだ。はっきりしたぜ、ロマンは甲子園と旅の中だけにある。「負けても次へ」だなんて、最も毛嫌いする「精神のオカマ」の思考だ。
とにかく夏の甲子園へと駆け込みたい。売り子も含めて、今に全てを賭けているあの純粋さこそが見たいし、オレだってそうであるべきだろう。
茶番劇はもう飽き飽きだ。オレは12月の終わりに、ポリシーに反するコトなく心底笑えているって事実だけを願って下半期へと突入したい所存。
今、ラムネを飲んでいる。梅雨が去り、季節は夏。
June 20, 2018
タップシューズの鳴く音(仮) / 2018
マリファナ女が宙を舞う
赤と黄色と白と黒
全てはまやかしだったのさ
オンボロ列車は走り去る
何処まで行くのかなんて知らない
「作り笑いなら止めておけ」
街角のサックス吹きの音が
風に揺れながら囁きかける
「ロッキンチェアーに座り込み、
お前の未来を想像しろよ」
サックスの音が近付き答えを教えてくれた
月さえ泣いている様に見えた
マリファナ女の口癖
「カテゴライズは身体に毒」
全ては幻だったのさ
ピカピカ列車がやって来た
あの月の方まで連れてってくれ
カテゴライズされた社会派の夜に
タップシューズの鳴く音が
地面の底から響いてくる
オイルライターの青い炎が
燃え上がる様を想像しろよ
タップシューズの鳴く音に怒りが付け加えられた
やはり、月も濡れていた
今夜は月を抱いて眠らせておくれ
だって、この思いは
友達に抱く気持ちと同じだから
罰はあたらないだろう
June 13, 2018
the 与太話 '18
思った以上にロックの日の余韻が強い今日この頃。唄いながら、5年間の事と今に至るまでの経緯を多々思い出していた。今を生きるってのはそういう事だろう。
この日のテーマの一つはCCOを困らせてやるって事だった。「忙し過ぎるで」って事で。
以前、CCOで【レッツゲットロマン】って企画を定期的にやっていた。6年前の夏、一度だけ入場規制がかかった事があった。
その時に首謀者が云った言葉が今も耳元にこびり付いている、「お前、呼び過ぎだ」。
一丁前にソールドアウトを謳うのは好きじゃない。何たってフタを開けてみるまで何も分からない。紙のチケットが事前に用意されているワケでもない。
2018ロックの日はその6年前を超えてやる心意気で挑んだ。好きな言葉はいつだって「新記録」であるべきだ。
結果は、そこまでは届かなかった。ライヴとは常に水物だ。それでも席はほとんど埋まっていた。高望みを捨てれば、ストレスはゼロの空間だった。
数字だけ数えれば、武道館アーティストからしたら論外な数字かも知れない。バット、人はいつだってやれるべき事をやるべきだろう。
極端な話、たとえば仮に武道館を埋めたとて、オレは次の日にはどうせこうゴチるだろう、「東京ドームは無理なの?」。東京ドームが埋まれば「ウッドストックみたいなのはどうなの?」。ロマンに際限などない。
そして何より重要なのは「質」で、自分が自分であり続けるって事だ。余韻が強く残る一夜をありがとう。
やり残した事がまだあるもんやさかい、簡単には死にたくない。そして話の通じない気狂いに殺されるのだけは真っ平御免だ。
さて、7.10までライヴがない。この一ヶ月間でやるべき事は、欲という欲を根こそぎ制作意欲のみに集中させ、今ある曲と詩の断片をまとめ、8月から神戸の山奥で行われるレコーディングに備えるって事だ。
エンジニアを務めていただく神戸の小林琢也が云った、「猿小屋別荘って名付ければええやん!」、
ヤツも申年、人間とはやれるべき事をやるべきだろう。
June 11, 2018
CCOと猿小屋の夜 '18
'18.6.9(sat)
【CCO11th & 猿小屋レコーズ5th anniversary party!】
東京 / 下北沢BAR?CCO
♦一部
1. CCOのテーマ
2. ロマンのど真ん中
3. 思い出を繋ぎ合わせて今を生きる
4. 破れたズボンの後ろポケットから
5. 喜怒哀楽な男 (with Jenny)
6. 友達 (with Jenny)
7. トップオブザワールド (with Jenny)
8. マーケットに春はない(can't buy spring)
9. 恋とスモーキンシガレット
10. 手紙
11. マリーと暮らす
♦二部
1. 風来坊ソング (with Jenny)
2. ルートスゥイートホームにて (with Jenny)
3. トレイントーキングブルース (with Jenny)
4. ヘアースタイルブギ (with Jenny&Tatta)
5. 自由
6. 流れる道の上
7. スリッピン&スライディン (with Jenny)
8. 30days (with Jenny)
9. ニューヨークサブウェイブルー
10. 愛すべき日々
♦encore
1. ヘイトアシュベリー
2. スポットライトを照らせ (with Jenny)
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CCO×猿小屋ダブルアニバーサリー完遂。二部構成全23曲2時間半の攻防戦。
出たり入ったりのジェニー、DJ&コーラスはTatta、そして出たら引き下がらないローリン小僧このワタシ、三人で企むロマン。ナイス布陣。
二部で弦が二本吹っ飛んだが、そんな事は断固どうだっていい。そりゃ弦だって切れるだろう、魂宿らせてるってんだから。
ジャスト二年振りのCCO。オレにとって、CCOが存在していてくれるのとしていてくれないのとではえらい違いだ。
2018ロックの日、こんな夜の事を細やかに文章にしたためるってのは無粋且つ不可能でしょう。
ギターは穴が開いてからが勝負だ。信じて疑わない。
引き続き勝負は続く。これからも宜しくと一人一人に伝えたい。
血沸き肉躍るパワーをありがとう。
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はみ出してしまった男が
拠り所を求めてのらりくらり
大好きな酒を呑み干して
音楽に身を委ねてぐらりぐらり
下北沢で騒ぎましょう
踏み外してしまった女が
拠り所を求めてふらりふらり
呑めないバーボンでも呑み干して
音楽に全てを委ねてふわりふわり
嗜みましょう、CCOで
June 07, 2018
猿小屋ロマン '18
遂に2018のロックの日が近付いてきた。去年末から決まっていたこのダブルアニバーサリー。
東京ワンマンショーは去年12月のバースディタイム以来。今回はゲストもオープニングも無し。
御多分に漏れず、既に武者震いの類いに苛まれている悩ましきポッピン野郎このワタシ、
今月はなんとコレ一本との闘いだ。断固一ヶ月分、吠え踊り散らかしたい所存なんです。
ファーストアルバム発売日の2013.1.14、「猿小屋レコーズ」などと本格的に屋号を掲げた。最初は半分のハッタリと本気の心意気だけだった。お金の計算ばかりしていたし、それは今も何ら変わりない。
因みに「猿小屋」なる称号は、掲げるずっと前から自らの部屋の事を勝手にそう呼んでいた事に由来します。
随分反対もされたが、そこに関しては気取って横文字にしたり、凝った名称を付ける気は微塵もなかった。「猿小屋」こそがクールだと思っていた。
それは今も何ら変わりません。そしてこの5年間だけでも様々な仕組みとカラクリを学んできた。
街でオレの事を「あぁ、アイツか。猿小屋のな!」ってな会話が成り立ったりする。ソレって最高に痛快だろう。それでもって、更に痛快に出来る方法を常に思案しています。
2009.1.14、初めてCCOのステージで唄った。ゲストもオープニングも無しのワンマンショーだった。その時にいただいたギャランティでギター型のネックレスを手に入れた。
そのネックレスは無論、今もオレの首元にぶら下がっている。
1.14という共通した日付、CCOと猿小屋の関係性についても当日、語り明かしたいと思っています。
ハッピー極まる事に予約数は既に定員数を突破しています。バット、キャンセルってのは常に悩ましき賜物であるが故、受付は当日まで続行します。
椅子は35席、それ以降は立見になります。19時からは愛しのロッキンガール、Tattaがロックの日にまつわる小粋なレコードを次から次へと回しているので、早めの来場をお待ちしています。
何処かの街で会った人達が、突然何の前触れもなく現れてほしい。その瞬間こそロマンでしょう。オレはどうやら多くを望み過ぎているけれど、ロマンには常に従順でいたい。
とにかく何でも自分でやってみるって事だ。やってみて初めて気付く事が塵の如くある。
火は常に点いている。しかし、燃やし過ぎると知恵熱が出やがるって仕組みだ。
オールオーケー、抜群の火加減で楽しもうぜ、ジャングルライフ。
敬具。