August 2018
August 21, 2018
フォーエバー・サマー '18
'18.8.5-17
ポリシーには常に従順でいたいと思っている。単なるしょうもない男にならない為にまずやるべき事はただ一つ、単なるしょうもない男にならない様に常に心掛けるって事だ。
兵庫県豊岡市竹野、日本海が間近の町にて行われたレコーディング合宿から無事カムバック。こういった類いの経験をした後は、いつだって巧く伝える術がない。
去年9月、ニューヨークのヴィレッジヴァンガードでジャズトリオのライヴを観た直後、オレは血が沸いて、ほとんど無意識の内に現地から小林琢也へと電話をかけていた、
「この興奮は伝えようがないけどな、いや、もう、あー、分からんよな、でもな、今そっち何時?突然悪いな、、、いや、でもな、一緒におりたかった!・・・」だとか何だとか喋っていた。
実際、始まるまでどんな塩梅になるのか、出来るのか、喧嘩にはならないのか、など数々の不安を抱えながらも気が付けばなんと11曲の弾を手中に収めて戻ってきた。血の沸き具合はあの時と同じだ。
そんな小林琢也、ヤツの愛犬メーメ、録音最終日にやって来てくれたカンダケイコ、そしてロマン&ポリシーの呪縛人このワタシからなる布陣で事に挑んだ。必要な事はただ一つ、必要な事をやるだけだ。
当初の目標は10曲だった。歌詞と唄い回しを推敲しながら試しに録り、それを聴きながら推敲し直し、また録り、また推敲する。レコーディング後半は特に「合宿」って名に相応しい闘いだった。10曲録り終えた時点でオーケーを出す事は容易いが、仕上がった曲を並べて聴きながら「いや、もう一曲必要だ」などと一丁前に念じ続けた。
甲子園など見る余裕はない。なんたってオレ達の甲子園は兵庫県豊岡市竹野にあると思い込んでいるってんだから。球児達のロマンに負けるワケにはいかないってな仕組みだ。
朝も早よから熱中し、夜には乾杯しながら録れたての音を聴き、それから間近の海へダイヴ、ぐったり眠って朝を迎えて、また繰り返し。知らん間に座ったまま眠っているって事が多々あった。
ラストに完成した曲はその竹野への敬意と、愛犬メーメへのラヴソングだ。メーメにはこれまで何度も会った事があったが、今回、コイツには何度も救われた。オレに必要なモノはあのチャーミング具合だって事を改めて学んだ。
「一夏の経験」だなんてヤスい言葉では片付けられないモノが今はある。今までとは一味も二味も違う手応えもある。それは盤としてこれから残る。それを聴いた誰かが、自らのポリシーを貫き通してくれたなら嬉しい。
神戸に戻った後、出来た音を聴きながら甲子園へと向かった。球児達は一球に集中していたが、オレは耳から聴こえてくる一曲に集中していた。すなわち、それぞれの甲子園があった。
詳細は近日中に発表します。発売された暁にはこの文章を読み返しながら聴いてほしい。伝え切れない思いってのがこの盤の中には詰まっとるんじゃないかな。
今、思っている事はただ一つ、オレはオレが思っているその291倍、夏が好きらしい。敬具。
August 10, 2018
ロールオンザストリート / 2018
穴の開いたギター、道連れにして
何処へでも行く、さすらいながら
ピストルの弾、ぶち込まれた様だ
守ってくれよ、穴の開いたギター
roll on the street, a oneman band
roll on the street, a oneman band
リップサービスは必要としない
一緒に居よう、穴の開いたギター
サムライの花、花瓶に生けて
たまに見て笑う、照れながら
花びら一枚、手帖に貼って
たまに見て笑う、撫でながら
roll on the street, a oneman band
roll on the street, a oneman band
粋な人達の事を思ってる
血の色に似た、サムライの花
俺の恋人、また待ちぼうけ
アンクラウンドキング、待ちぼうけ
空の色が血の色に染まる頃
迎えに行くよ、俺の恋人
roll on the street, a oneman band
roll on the street, a oneman band
口づけこそが今必要だ
もうすぐ行くよ、俺の恋人
roll on the street, a oneman band
roll on the street, a oneman band
空の色が血の色に染まる頃
迎えに行くよ、俺の恋人
一緒に帰ろう、穴の開いたギター
August 03, 2018
永遠 '18
体内時計は永遠に故障中のままに迎える8月、夏はシタリ顔にて継続中。スマートとは程遠い電話機が律儀に警告をくれやがる、「原則、運動は禁止」。
永遠に行方不明かに思われた恋人が心の扉をノックした7月の末、オレだってシタリ顔にて猿小屋に閉じ篭りいまだレコーディングの準備を進めている。「進めている」といえば聞こえはいいが、机の前にへばりついているだけでは大して何も出てこない。
いや、捉え方を変えれば想像力が豊かで困っているともいえる。一曲のメロディの中に何編もの詩が浮かぶ。とっ散らかってまとめ方が分からない。すなわち、こういう作業は締切がないと永遠に続くって仕組みだ。
バンプオブチキンが唄う、「可能性という名の道が幾つも伸びてるせいで散々迷いながら何処へでも行けるんだ」。恥ずかしながら迷っている時はその一行がいつだって顔を出す。
頼むから「生産性がない」だなんて云わないでほしい。哀しくなる。オレは国の為に生きているワケじゃない。
何が正義で何が過ちなのかさえ定かでないまま、太陽はそんな事など知らん顔でいつだって本気だ。その純粋さがかっこいい。
「ずっとそのままでいてね」というヤツも居れば「いつまで宝探しを続けるの?」なんて愚問を投げかけてきやがるヤツも居る。
答えなら一つでいい、「永遠に」だ。
本日、一足先にトランクを神戸に向けて送った。忘れ物がない様に何度も中は確認した。郵便局では62円切手も数枚手に入れた。無論、愛すべき誰かにいつでも思いついた時に絵葉書を送れる様に。
さて、郵便局から舞い戻り早速、トランクに詰め忘れてしまっているブツに気が付いた。巷で最もホットな二人組「海水パンツ&ゴーグルズ」のゴールデンコンビだ。
オールオーケー、捉え方を変えれば、詰め忘れたモノがマイクじゃないって点がイカす。この世は捉え方次第で元気にもなれば病気にもなる。そして、オレは別に泳ぐ為に行くワケじゃない。
兵庫県は竹野というまだ見ぬ海沿いの町で録音作業は行われる。想像するのは完全に細野晴臣キャプテンの「HOSONO HOUSE」とザ・バンドの「BIG PINK」だ。
エンジニアは小林琢也、敵には回したくないその男が云った、
「問題は、裏の土手を一時間に二回ほどディーゼル列車が通るって事だ」
詰まる話、シチュエーションは完璧って事だ。
オレは答えた、「問題はゼロ、そのディーゼル音こそむしろ録ろう」。
コトが巧みに運べば10月からは30本越えのロングトリップに繰り出す予定です。すなわち、準備ってのは永遠だ。
煩わしい事柄は根こそぎ排除して録音作業と「泳ぎ」に熱中したい。
トランクに詰め忘れてしまった以上、ゴールデンコンビは手荷物で持参だ。