February 2020
February 27, 2020
the long winter vol.2
気付けば近頃はレコードさえも裏返してないな、と思っている。
そもそも音楽自体をほとんど聴いていない。
ターンテーブルにはアールボスティックのベスト盤が乗ったままだ。
オレは回す気がしない、今はただただ自らと向き合う季節らしい。
普段、24時間中17時間は座っているであろうモダンソファが置いてある猿小屋には窓がない。
何処に居るよりも落ち着くが、同時に何処に居るよりも気に障る空間だ。矛盾は永遠のテーマだ。
明確に寒いってのが嫌いだ。まるで虫って事になる。そんな訳で北海道には住めない、こんなに愛しているのに。
すなわち、電気ストーブと魂だけが頼りだ。ほとんど外に出歩く事もなく、答えのない答えを探し続けている。
しかし、そんな事を繰り返していると煮詰まるのも当然らしい。閉じ篭っていても答えなんて永久にやって来ないだろう。
それ以前に「答え」なんてないって事をオレは誰よりも知っているってんだからタマラナイ。
さて、埒が明かんのでターンテーブルのレコードを加川良大将の「教訓」に置き換えて回した。最高だ、根本の美学。
そして新宿へ友川カズキ先生の「どこへ出しても恥かしい人」というドキュメンタリーを観に出向いた。完璧だ、独自の哲学。
大嫌いな新宿が、危うく大好きになってしまいそうなくらいだ。
重要なのは、知らん間に訳の分からんレースに巻き込まれて競い合う事ではなく、脇目も振らず自らが目指す山の頂を狙い続けられるか否かだ。
寒さのせい、時代のせい、タイミングのせい、それ、全部引っ括めてお前のせいだろう。
心底笑う日の為には笑えない期間ってのが必要だ。
宇宙に一人ぼっち、望みもせんのに連れて行かれた様なAM05:18、モダンソファの上で、大声で唄わせてもらおう。
February 11, 2020
the long winter vol.1
近頃は無の季節だ。何をやっても満足とは程遠い。
イカしたコップを手に入れても次の瞬間にはこう思っている、「ソレがどうした」、
ニクい映画を観たとて「オレはなんだ?」、曲を書こうにも「一体どうやって?」、
何時だって笑える為には笑えない期間ってのが必要だ。
ほとんどパジャマ姿のままで、朝も夜もなく日々が過ぎていく。外はいつも暗いままだ。
どうやら肩が凝っている。無意味な力が入り、まるで誰かが後ろに乗りかかっているかの様だ。
そう感じ、オレが今まずやるべきコトは風呂釜をピカピカに磨き上げ、何も考えず凝り固まった肩と頭を労る為に湯舟へダイヴするコトだと踏み、文字通りピカピカに磨き上げた。風呂があるなんて奇跡だ。
そしてお湯をふんだんに使い、のぼせかけた今はこう思っている、「もう風呂に入った様なモンだ」。
肩は凝ったままだ。湯舟にダイヴするのは明日へ持ち越しだ。
さて、持ち越した後、満を持して二日連続で湯舟にダイヴした。入浴剤だって手に入れた。「ロマンティックジャスミンの香り」、小粋なネーミング頼りだ。
感想はこうだ、「で、オレはどうだ?」。肩と頭は凝ったままだ。
先日、2020に入ってから初めて外でお酒を呑んだ。それは愉快且つ痛快なトークで終始笑いと再会で溢れていた。しかし次の日にはこう感じていた、「ソレがどうした」。
危険だ、何をやっても満足とは程遠い季節。
空き物件を見つけては、「此処で昔ながらの弁当屋をやったら絶対に流行るで」などと勝手にそんなコトばかりを考えている。そんな時、店の名は断固「NAKED LUNCH」でキマりだろう。
しかし、残念ながらオレの夢は弁当屋になるコトじゃない。
季節を越せるかはお前次第だ。