June 2020
June 25, 2020
ザ・ルポルタージュ vol.2
'20.06.25(木)
スナック感覚で記録を残し続ける心積もりだったが、早くも中9日開いていた。書いては消しを繰り返し、気付けば7月さえ目前だ。
西村賢太を根こそぎ読み漁り、辞書を引き、大衆とは折り合いがつかず、つける気もなく、
旅に出る目処も立たず、理不尽なゴミに絡まれて、その品の欠片もない挑発に乗ってしまうオレはカスなのだろうかなどと思考する。
曇天の下、都知事選挙の演説を聞きに明大前へと向かった。いつからか選挙期間中は何故か落ち着かない胸中を抱える様になった。
別に「貴方は何も悪くない」などと云ってほしい訳じゃない。オレはある意味、充分に悪いだろう。
しかし大学卒業、いい企業、持ち家35年ローンが正しい生き方だとは残念ながら産まれてこの方一度も考えた事がない。
それと同時にオレはサラリーマンを尊敬している。生き方なんて各々でいい。
とにかく変化を決め込むには斬新なニューヒーローの誕生が必要だ。そしてオリンピックは中止でいい。
明大前から歩いて帰る。久方振りにジャズ喫茶「マイルス」の前を通る。完璧な佇まい。
しかしその扉にも、以前はなかった「禁煙」の文字が躍っていた。
(491文字)
June 16, 2020
ザ・ルポルタージュ vol.1
2020.06.16(火)
気付けば39になり半年以上が経過した。もう半年も経たない内に40になるらしい。
近頃は本ばかり貪り読んでいる。今日はAM05:12に目が覚めた。昨日も一歩も外へ出ず本ばかり読んでいた。イカす本を読んでいると外へ出る気も失せるって仕組みだ。
本ばかり読んでいると本が作りたくなる。そして文章が書きたくなる。しかしその文章は哀しいかなカネにはならないのかも知れない。
気分を変え、太陽を浴びながら歩きたくなり外へ出た。足は自然と本屋を狙っている。そしてオレが読みたい本は大概置いてない。
便箋を手に入れ、地域密着型の文房具屋で400字詰め原稿用紙を手に入れた。
その昔、「ビートジェネレーション」に倣い、「ポストジェネレーション」と名付けたハイカラな遊びを流行らそうとした。
すなわち、手紙や絵葉書をポストに投函しながらやり取りをする文通の類いだが、このデジタル最先端の時代、まるで流行る気配もなかった。
そういえば先日、映画館に出向く際、電話機を忘れたまま街へ繰り出した。街から猿小屋へ戻るあの5、6時間は胸を張って「スマート」と呼べる時間だった。
あれで良いのだ。
「ポストジェネレーション」復活に向け動き出した方が良さそうだ。
「メールアドレス教えてくれ」などと野暮な事は聞かず、「住所教えといてくれ」と堂々と聞く方がクールだ。
オレは時代遅れの最先端なのか。しかし「時代」なんて誰かが決めた広告みたいなモンだ。くだらない。
もうすぐ40になるらしい。
(628文字)