July 21, 2007

散文・「バランス」

渋谷を歩いた。弦を手に入れる為、土曜日の渋谷を。俺は歩道を歩かん。チンタラ歩く輩の列に並べる程俺は暇ではない。俺は歩く、車道を歩く。その分、人一倍車やバイクの邪魔にならん様に気を遣いながら。車道の隅っこに混雑はない。スムーズに歩ける。歩道を歩く、列に並んでも笑顔を失う事のない連中を眺めながら、「こいつらがもし車道を歩き出したらどうなるか」を考える。きっと車やバイクの事も気に止めず、勘違いの我がもの顔で歩くに違いない。そしていよいよ俺の歩く場所はなくなってしまう。我が道を行く、俺は行く、迷惑をなるべくかけずに。列に並ぶ輩が多すぎるからこそ俺は自分の道を歩ける。バランス。輩がこぞって車道を歩き出したらどうなるか。俺は迷わず歩道を歩く。天邪鬼か。そうではない。正しいと思う方に行きたいだけ。井の頭線のエスカレーター乗り場で、俺は上を見上げて日本の現状を見た。見た気になった。エスカレーター手前は大変な混雑。しかし、エスカレーターの右側はきれいに空いとる。混雑混雑渋滞渋滞と人は言うけれど、それはお前等が勝手に作り出しとるだけっちゅうのもあるんちゃうんか。俺はエスカレーターの右側をノー混雑で駆け抜けた。知恵のない輩が多過ぎるからこそ俺は自分の道を堂々と歩ける。バランス。そしてこういう輩に限ってこんな事を口にしたりする、「人が多いから渋谷は嫌いだ」。俺はこの言葉が嫌いだ。周りから見ればお前も立派な「人」だという事を忘れるな。そしてその知恵のない頭でバランスを考えろ、タコ。


P.S エスカレーター前の風景を写真に収めたかった。そして、「日本」というタイトルを付けてやりたかった。

at 19:02│Comments(0)TrackBack(0)│ │散文 

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