February 22, 2009
シュルレアリスムの夜
’09.2.20(金)
シュルレアリスム、現実を越えた超現実。
扉を開ける度に「今日はいつもみたいにおるんじゃないか」などとある筈もないのに考えてしまう、俺はただの夢見がちな男。
6階で降りるべきエレベーターが7階まで上がって誰かが降りる時、俺はそこで初めてハッと気付いた。エレベーターに乗っとる事に初めて気付いた。
おぉ、俺はこんな事になるんか、思った。
笑いの偉人が言った、
「どんなに寂しい事があったその日も人を笑かす事を考えんといかん、この仕事がどんなに辛いか解るか」
俺がラヴソングばっかり唄い出したらどうなる?今まで築いてきた仲間達は去って行き、その代わりに望んでもない人達が集まってくるかも知らん。
そうなった時はそうなった時か、自然に任せるしかない。
ラヴソングが唄いたい。「君が好きだ」、そんなありふれたテーマは黒く塗り潰して、俺にしか唄えん類いで唄いたい。
バーにて。予想もしてない仲間達がやって来る。
「近くまで来たんでスナック感覚で寄っちゃいましたー」、斉藤秀夫氏が一人でやって来る。
スナック感覚、今や誰もが口にする名文句。この感覚を忘れたくはない。
ワンマンライヴの話、お互いの今後の話などをした後、男が言った、
「リクエストしても良いですか?俺は実家暮らしなんでまだ解ってない部分もあるんですが、親の事を唄ったあの曲が聴きたい」
それはまさか、CDやレコードのリクエストではなく、俺自身の曲だった。アコースティック・ギターを指差しながら男が言った。折角のリクエストを断わる理由など何一つなく、俺はギターを借りてチューニングも狂ったままカウンター越しの男に向けて歌を唄った。声を張り上げる事なく、照れくさく下を向いたまま、それでいて噛み締める様に唄った。
俺がいつか死んだら呆れた調子で
「こんなガラクタばっか残しやがってふざけんなよ」って笑ってくれ
棺桶の中に宝物を詰めて
蓋が閉まらなくなってしまう程宝物詰めて
明日とか明後日とか何十年後かにその時がきたら
俺はヴィニール盤の燃えカスと共に天国行き
このフレーズを今まで誰に向けて唄ってきたか、そんな事は書くまでもない。
唄い終えると男が言った、
「もう一曲だけ唄ってほしい、ポイ捨てと自由は結びつかないって曲が聴きたい」
俺は嬉しかった。嬉し過ぎた。俺の曲が誰かの心に少なからず沁み込んどる事実が誇らしかった。
唄い終える直前、俺を慕ってくれる健ちゃんがやって来る。
「これは贅沢ですよ、俺だけの為にありがとう」
帰る時、秀夫君が俺に二千円渡してきた。俺はそれを当たり前の様に受け取れる程、自信過剰でも自惚れてもない。
「やめてくれ、俺はそんなんじゃない。受け取れる訳がない」
「良いんです。俺が頼んだし、凄く嬉しかった。今日という日を特別な日にしたい、音楽活動の足しにして下さい」
バカヤロー、お前も一端のミュージシャンやろが、思ったが俺はこの二千円を受け取ってしまった。
無論、使う為ではない。何があっても使うお金ではない。
この瞬間の、この人間として一番大事な気持ちを忘れん為に。
「名前書いてずっと取っとくよ」、俺は告げた。

健ちゃんと話し込む。この男には話した事があった、
「結婚するならアイツしかおらんがな、いつになるか分からんけどな」
その間にも客はやって来る。非常用の空元気を全部呼び出して(シオン)叫ぶ、
「はいー、いらっしゃいませー」
次にやって来るのが下北沢ロフトの可愛い娘ちゃん。「今日は一体どうした?」、俺は思う。俺がおるかも分からんのにこんなタイミングで様々な人達がやって来てくれる。
4時前に店を閉め、外に出ても5時過ぎまで話し込む。
女心か、俺には何一つ分かってなかった。いつもいつも「俺が俺が」と言い続けてきた。
今まで誰かに何か言われても、「俺には俺の考えがある」と突っ張ってきた。よって、言い合いが好きじゃない。考え方の根本も違うのに言い合ってもしょうがないと思ってきた。俺はあの娘と言い合いすらほとんどした事がなかった。俺の言う事全てに頷き、一方的に怒鳴り散らすのも俺の方だった。そんな部分まで理解してくれるのかと心強く、心配する事もなかった。
バットしかし、今回ばかりはそうじゃなかった。改善する必要性を感じる時、それを受け入れる事は出来る。
「誰の言う事も聞かず」、あれは嘘だ。
可愛い娘ちゃんが言った、
「ワンマンライヴの時、ありがとうと見送ってくれる彼女を凄いと思い、心が暖かくなった。責めたりしたら可哀想だよ、私は彼女が好きだよ」
女心か、俺には何一つ分かってなかった。いつもいつも「俺が俺が」と言い続けてきた。
扉を開けてそこに姿がある筈もなく、俺は8時過ぎにようやく眠りに就いた。
’09.2.21(土)
13時に起きる予定が18時、起きる気にならず21時半まで眠り続ける。
笹塚の街を二時間近くぶらつき歩く。
「目に映るモノ全てに裏がある様に見える」
俺が唄う。様々な思考が勝手に頭をよぎる。
去年の9月にコメントを入れて俺を心底苦しめた奴の事を忘れた事など一日もない。俺はそいつに以前文章で「ありがとう」と伝えたが、一人となった今、俺に残るのはやっぱり憎しみ以外のナニモノでもない。二人でおってこそ「俺がそんな事柄で沈むと思うなよ」と強く書く事が出来た。今こそまさにお前の思う壺、大逆転勝利嬉しいか?嬉しいよな、それはそれは。でも俺はいつかお前を見つけ出してやるぜ。お前に対して憎しみしかないこの俺が何するか、理解出来るか。
誰かさんみたいに
俺に明日見えんから
約束なんて
とても出来んのんちゃ
こんな俺を恨むかね
現在4:38、夜を越えて俺は仕事に出向く。
夜はPLEASANT TAPを観に行こう。
そして俺は旅に出る。
いつかお母さんが言った、
「あんたいつか絶対捨てられるわ。こんな人やけど仲良くしてやってね」
おい、あんたは何でもお見通しやね。
シュルレアリスム、現実を越えた超現実。
扉を開ける度に「今日はいつもみたいにおるんじゃないか」などとある筈もないのに考えてしまう、俺はただの夢見がちな男。
6階で降りるべきエレベーターが7階まで上がって誰かが降りる時、俺はそこで初めてハッと気付いた。エレベーターに乗っとる事に初めて気付いた。
おぉ、俺はこんな事になるんか、思った。
笑いの偉人が言った、
「どんなに寂しい事があったその日も人を笑かす事を考えんといかん、この仕事がどんなに辛いか解るか」
俺がラヴソングばっかり唄い出したらどうなる?今まで築いてきた仲間達は去って行き、その代わりに望んでもない人達が集まってくるかも知らん。
そうなった時はそうなった時か、自然に任せるしかない。
ラヴソングが唄いたい。「君が好きだ」、そんなありふれたテーマは黒く塗り潰して、俺にしか唄えん類いで唄いたい。
バーにて。予想もしてない仲間達がやって来る。
「近くまで来たんでスナック感覚で寄っちゃいましたー」、斉藤秀夫氏が一人でやって来る。
スナック感覚、今や誰もが口にする名文句。この感覚を忘れたくはない。
ワンマンライヴの話、お互いの今後の話などをした後、男が言った、
「リクエストしても良いですか?俺は実家暮らしなんでまだ解ってない部分もあるんですが、親の事を唄ったあの曲が聴きたい」
それはまさか、CDやレコードのリクエストではなく、俺自身の曲だった。アコースティック・ギターを指差しながら男が言った。折角のリクエストを断わる理由など何一つなく、俺はギターを借りてチューニングも狂ったままカウンター越しの男に向けて歌を唄った。声を張り上げる事なく、照れくさく下を向いたまま、それでいて噛み締める様に唄った。
俺がいつか死んだら呆れた調子で
「こんなガラクタばっか残しやがってふざけんなよ」って笑ってくれ
棺桶の中に宝物を詰めて
蓋が閉まらなくなってしまう程宝物詰めて
明日とか明後日とか何十年後かにその時がきたら
俺はヴィニール盤の燃えカスと共に天国行き
このフレーズを今まで誰に向けて唄ってきたか、そんな事は書くまでもない。
唄い終えると男が言った、
「もう一曲だけ唄ってほしい、ポイ捨てと自由は結びつかないって曲が聴きたい」
俺は嬉しかった。嬉し過ぎた。俺の曲が誰かの心に少なからず沁み込んどる事実が誇らしかった。
唄い終える直前、俺を慕ってくれる健ちゃんがやって来る。
「これは贅沢ですよ、俺だけの為にありがとう」
帰る時、秀夫君が俺に二千円渡してきた。俺はそれを当たり前の様に受け取れる程、自信過剰でも自惚れてもない。
「やめてくれ、俺はそんなんじゃない。受け取れる訳がない」
「良いんです。俺が頼んだし、凄く嬉しかった。今日という日を特別な日にしたい、音楽活動の足しにして下さい」
バカヤロー、お前も一端のミュージシャンやろが、思ったが俺はこの二千円を受け取ってしまった。
無論、使う為ではない。何があっても使うお金ではない。
この瞬間の、この人間として一番大事な気持ちを忘れん為に。
「名前書いてずっと取っとくよ」、俺は告げた。

健ちゃんと話し込む。この男には話した事があった、
「結婚するならアイツしかおらんがな、いつになるか分からんけどな」
その間にも客はやって来る。非常用の空元気を全部呼び出して(シオン)叫ぶ、
「はいー、いらっしゃいませー」
次にやって来るのが下北沢ロフトの可愛い娘ちゃん。「今日は一体どうした?」、俺は思う。俺がおるかも分からんのにこんなタイミングで様々な人達がやって来てくれる。
4時前に店を閉め、外に出ても5時過ぎまで話し込む。
女心か、俺には何一つ分かってなかった。いつもいつも「俺が俺が」と言い続けてきた。
今まで誰かに何か言われても、「俺には俺の考えがある」と突っ張ってきた。よって、言い合いが好きじゃない。考え方の根本も違うのに言い合ってもしょうがないと思ってきた。俺はあの娘と言い合いすらほとんどした事がなかった。俺の言う事全てに頷き、一方的に怒鳴り散らすのも俺の方だった。そんな部分まで理解してくれるのかと心強く、心配する事もなかった。
バットしかし、今回ばかりはそうじゃなかった。改善する必要性を感じる時、それを受け入れる事は出来る。
「誰の言う事も聞かず」、あれは嘘だ。
可愛い娘ちゃんが言った、
「ワンマンライヴの時、ありがとうと見送ってくれる彼女を凄いと思い、心が暖かくなった。責めたりしたら可哀想だよ、私は彼女が好きだよ」
女心か、俺には何一つ分かってなかった。いつもいつも「俺が俺が」と言い続けてきた。
扉を開けてそこに姿がある筈もなく、俺は8時過ぎにようやく眠りに就いた。
’09.2.21(土)
13時に起きる予定が18時、起きる気にならず21時半まで眠り続ける。
笹塚の街を二時間近くぶらつき歩く。
「目に映るモノ全てに裏がある様に見える」
俺が唄う。様々な思考が勝手に頭をよぎる。
去年の9月にコメントを入れて俺を心底苦しめた奴の事を忘れた事など一日もない。俺はそいつに以前文章で「ありがとう」と伝えたが、一人となった今、俺に残るのはやっぱり憎しみ以外のナニモノでもない。二人でおってこそ「俺がそんな事柄で沈むと思うなよ」と強く書く事が出来た。今こそまさにお前の思う壺、大逆転勝利嬉しいか?嬉しいよな、それはそれは。でも俺はいつかお前を見つけ出してやるぜ。お前に対して憎しみしかないこの俺が何するか、理解出来るか。
誰かさんみたいに
俺に明日見えんから
約束なんて
とても出来んのんちゃ
こんな俺を恨むかね
現在4:38、夜を越えて俺は仕事に出向く。
夜はPLEASANT TAPを観に行こう。
そして俺は旅に出る。
いつかお母さんが言った、
「あんたいつか絶対捨てられるわ。こんな人やけど仲良くしてやってね」
おい、あんたは何でもお見通しやね。









