May 04, 2009

その傷、有効活用につき

’09.5.3(日)

こんな特別な日には早起きをし、朝から晩まで生きとる喜びを噛み締めるに限る。

誰に祝われるでもなく、まずは自分で自分を喜ばせてやればそれで良い。

「5月3日」というあれから丸18年が経った日、俺は東京という街でしつこくも何とか暮らし、

今や「アメリカ南部」のガイドブックを手に入れ思いを馳せる。

錆びついたヒップな栓抜きを手に入れて鍵に取り付け、

いつでもビール呑めるぜなどと、起き上がるだけでクラクラした18年前の寝たきりの俺にひけらかす。

すなわち俺は、ある人にとっては残念ながらまだ生きとる。


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’09.5.3(日)
高哲典企画
【ブレイクスルー・アコースティック・スペシャル/グッド・フィーリング】
アット 下北沢ラグーナ
夕焼七輪/仁音屋/さよなら食堂/アベユウジ/高哲典


1.アウトロー・バカヤロー
2.自作自演屋
3.ラウンド・ミッドナイト
4.思い出を繋ぎ合わせて今を生きる
5.ルート・スゥイートホームにて
6.愛すべき日々


夜は夜とて素晴らしい企画を粋な男達と。客席は埋まり、雰囲気も良く、店内BGMはRCサクセション。

おー、俺は確かに生きとるぞと感慨深く考える。

「5月3日」は俺の特別な日であり、他の男達にとっては「ただのライヴの一本」だったとしてもそれはそれで良い。

それにも関わらず男が呟く、

「生きてて良かったと思わせてやるぜ!」

何の問題もなく俺の出番がきた。

バットしかし、声も高らかに唄おうとした矢先、思わぬ出来事が起きた。

俺の言動、大言壮語、態度、格好、すなわち何かもが気に食わんかったであろう前の方のおっさんが急に俺に絡み始めた。

最初は俺の大好きな「心ある野次」かと捉えてみたが実際はそうではなく、

俺はまさか、こんな日のステージ上において抑えようのない怒りに震え上がってしまった。

精神を取り乱され、そして俺はどうやらまんまとそれに飲み込まれてしまった。

いつもの様に「やかましいわ」でかわせる雰囲気でもない事を察し、俺はそれを無視する事に決めた。

それに真っ向から立ち向かえばきっとこの企画自体が潰れてしまうが故、そんなもったいない事は避けたかった。

怒りに満ちた表情で最後の曲を終えてギターを置き、アンコールはないのかなどと考え、店内BGMが鳴り響く前に控え室に戻ろうとした時、静まり返った客席側からおっさんの声だけが溜息混じりに響いて聞こえてきた、

「いやー、こんな嫌いなタイプの奴は久し振りに見たわー!!」

???!!!!!?????!!!!!

もう一回、

「いやー、こんな嫌いなタイプの奴は久し振りに見たわー!!」

??????????????????

おー、誰もおらん控え室で眩暈がする程の怒りに震え上がる男このワタシ、

「ちょっと待ったらんかいジャスタモメンプリーズ!!!」

気が狂った様に飛びかかってやろうかと思ったが、ご多分に漏れず「交わる事のない人達」とまともな話など出来る訳もなく、俺は控え室でおっさんが直ちに帰る事だけを祈った。

だいたい好かれたいが為に人間やっとる訳でもなく、誰からも好かれる様な人間でもない事は俺自身が一番理解しとる。

「すいません、良かったら聴いて下さい。申し訳ないです、こんな唄しか唄えなくて・・・」

こう気が弱そうに呟けば好かれるのか、好いて「もらえる」のか。ひょっとして聴いて「あげる」とでも言われるのか。

「~してあげても良いよ」、こんな言葉程虫唾が走るモノはない。

そしてそんな仕組みなら俺はとっくに音楽も人間も辞めとる。

ロマンも魅力の一つもない事柄にこだわり続ける必要などどこにもない。

女の子が言ったぜ、

「あの場面ですいませんって謝る様な人じゃなくて良かったわ!」

君、話が早いな!気持ち悪い位に愛してええのか?

嫌ならとっとと出て行けと、外で帰り道で言いたいだけ言えと、実際に涙を流して聴いとる女の子も確かに存在する中、何故に外野席からそんな発言が出来るのか、そのデリカシーの欠片もない神経に対してのみ、俺は腹が立って腹が立って抑える事など出来ん。

嫌いなら嫌いでそれはもうどうしようもない、一つだけ確かな事はあのおっさんに俺の人間性と音楽など微塵も届かんかったという事だ。

憎まれっ子世にはばかる、敵は多ければ多い程良い。

俺は今後、「5月3日」がくる度にこの素晴らしい企画を思い出すと同時に、

「あのおっさんは元気か?」などと考える事だろう。

俺はしつこいぞ、あんな心無い言葉が俺の中から消える事は一生ないだろう。

バットしかし、姿勢を変えずに続ける限り、またこんな場面に出くわす事だけは間違いない。

オーケー、オールオーケー、次は無視などせず、突然でも飲み込まれる事なく、ウィットに富んだ余裕の言葉でかわしてやろう。

何たって今回、俺はまさか、動揺を隠せず飲み込まれてしまったのだ。これは断じて情けない。

「5月3日」、大事な一日にまったくもって良い経験をさせてもらった。

あのおっさんが今日までのこんな文章を読めば、心底馬鹿にしハナで笑うのは目に見えとる。

そしてそんな輩が世の中に何万人も存在するこの当たり前の事実、それを俺は目の当たりにした。

真夜中に一人になり、俺は気が遠くなる程、大切な人に逢いたいと思った。

何だかんだとヌカしたところで俺はまた深く傷ついてしまい、一人でおるのが怖いと思った。

ところがどっこいすっとこどっこい、その傷、有効活用。

この感情、すなわち「生きてて良かった」。

何食わぬ顔で、

’09.5.5(火)
【男の子の日だし、男らしい人ばっかで、男祭り】
アット 池袋トライ
w/十条フォークジャンボリー/松島英生/赤塚テレビ/Loach


こちらで全てを八倍返し。

























at 16:18│Comments(0)TrackBack(0) 

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