May 08, 2009

拝啓・今村竜也殿

5月3日【ブレイクスルー・アコースティック・スペシャル/グッド・フィーリング】 の日、例の場外席から心ない野次を飛ばしてきたおっさんのまさに真横でその場に居合わせた男、今村竜也氏。

ライヴ終演後、俺は怒りに満ち溢れた表情で男に問い詰めてみた、

「おいおい、あれは一体どういう事ですの?とっとと帰れば済む話ちゃいますの?」

その翌日、スタジオ帰りに俺の部屋の前を通りかかった男、怒り狂った俺の事を気にかけて電話をくれ、そしてその足で部屋の扉をノックした。

いや、「気にかけた」などひょっとしてとんでもない嘘かも知らん。胸中は、

「いやーしかし喉渇いたでー麦茶飲みたいわ。おっ!これアイツの部屋ちゃうんけ!よーよー麦茶飲ましてくれや!」

だったかも知らん。部屋に入るなり男が言ったぜ、

「昨日のブチギレたお前が心配でね、いかがお過ごしかと思って。昨日はさぞ悪い酒でも呑んだんじゃないかと思って。あのー、ところで麦茶とかある?」

おー!ボーン・トゥ・ビー・ワイルド極まるヒップな発言。

「気にかけた」など嘘かも知らん。いや、嘘でも良い、そんな事は大した事柄じゃない。

それが「嘘だった」にしても「わざわざ立ち寄ろうとしたその事実」、これはどう誤魔化しても断じて消える事がない。

そしてそれはきっと嘘でもない、俺はあまりにも嬉しかった。

バットしかし、麦茶なるハイカラ潤い飲料が俺の部屋にある訳もない。あるとすればコーヒー、水、稀にマミーだ。

アイスコーヒーを嗜みながら俺達はBGMもないままに様々な話を繰り広げた。

おっさんの話、イヤラシイ話、頭抱える話、香港&マカオの話、音楽の話、エトセトラ。

なすび野郎はなすび野郎と仲良くやるだろう。ひょっとこ野郎はひょっとこ野郎と手を繋ぐだろう。

そして俺はどうだ、何も諦めてない人達と高らかに笑うだろう。

それはある輩の目から見れば椎茸野郎と椎茸野郎の戯言に聞こえるんだろう。

敵は次から次へと現れるだろう。

バットしかしノーノー断固ノープロブレム、話の分かる男達も次から次へと現れるだろう。

笑い声はいつか外中にまで響き渡った。

ギターを弾き、ベースを弾き、唄ってセッション、アイスコーヒーでも存分に酔っ払える事を証明した夜。

今村竜也氏渾身のバンド「PLEASANT TAP」

こちらをバックに従えて、引き連れて、いや違う、お願いして、同じ目線で、何曲かのレコーディングを決行する。

ギターとベースで合わせた時点で既にイメージは明確だ。

それは早い方が良い、テーマはご多分に漏れずスナック感覚、こちらで決まりにしたい。

そしておいらそんな音源を詰め込みメンフィス一人旅、

ベルボーイまで捉まえてビッグマウスの「プリーズ・リッスン!!」、こちらを連呼してやる。

何たって俺達、何一つ諦めてないぜ。考えてみれば頭に山程圧し掛かる問題、全て欲じゃないか。

ところで明日の忌野清志郎ライヴに男を誘った。返事は、

「そんなモン認めん、俺は行かんぞ」

捉え方が違ってもそれで良い、理解出来れば問題など一つもない。

俺は出向く、兄貴は出向かず。どちらも正しくどちらも正しくないかも知らん。

さぁ、充分に理想的な関係は築かれた。

拝啓、無駄な怒りに溢れながらどうやら抗い続けるしかない人生に乾杯を。


P.S 明日のライヴへは昨日の文章を読んで早急に連絡をくれたサックス吹きボヘミアン、シムスケと出向く事にした。どちらにしても偉大なる「死」に数え切れん人達が衝撃を受けとる。

何ヶ月も会えてない男達が俺の行動、文章などを読み続けとるこの事実にも敬意を。

ほら、偉人が唄うぜ、

悲しい気分なんかぶっとばしちまいなよ
ドカドカうるさいR&Rバンドさ


全てを投げ出すなんてあまりにも馬鹿馬鹿しい、

俺がいつか死んだら呆れた調子で「こんなガラクタばっか残しやがってふざけんなよ」って笑ってくれ。





at 22:03│Comments(0)TrackBack(0)拝啓 

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