May 06, 2010
アウトサイダーアートは夢と現実の中
ミンガリング・マイク
1968年から77年にかけて、50枚以上のレコードを、35以上のレーベルからリリースしR&B界を席巻したソウルシンガー。
ブラック・エクスプロイテーション映画のサウンドトラックなど多岐にわたり、多彩ぶりを発揮した。
しかし、すべては、マイクの頭の中で。
素晴らし過ぎてもはや閉口、間髪入れず脱帽の類い。
「グッとくるのかこないのか」、こちらを信条とし続けて早20年選手このワタシ、
約一年前に発見し、先日質素な古本屋で遂に再会、大事な「5.3」の燃え盛る真っ昼間に一年越しにて手に入れるに至る。
表紙を見ただけで胸躍る「グッとくる」代表格、そしてページを開く度に敬礼したい心意気はとても隠す事など出来ない。
リリースされもしない自らのレコードを、ジャケットから内袋からライナーノーツから盤面から、
何から何まで手作りで大量に「勝手に」生産し続けたヴィニールジャンキー執念にして狂気の物語。
無論、中身もレコードではない、ただのダンボールだ。
「夢がかなう日が突然来ても、俺は準備ができているわけ」
まったくもってウィットを知り尽くした男の不敵極まる一人勝ち状態、
こんなモノを見たら俺などただの中途半端なモグリひょっとこ野郎だとどうやら受け入れざるをえない胸中、
本物のクレイジーには足許にも及ばない始末。
ところで、ポンコツ電気ストーブをようやく奥に片付ける事を決心したのも束の間、
俺が今、最も欲しているモノはあれだ、文明の利器、扇風機だ。
暖房装置の冬が往くと冷房装置の夏が来たー
ほんに春は来やしないー
回るレコードは1970年はっぴいえんど、毎年毎年この季節には必ず口ずさむ。
思い出さずにはいれない唄、そんな密着型を唄いたい。
「家賃を払うお金がない」、今はそんな唄が胸中にフィットするのかも知れない、
全てはまず、頭の中から。