July 03, 2010
ルート・スゥイート・ソウル ’10

遅刻だとか無断欠勤だとか、そんな類いは遠い過去の話、
働けば働いた分だけお金が振り込まれ続けるシンプル極まる仕組みに果てしない夢を。
いくらお金が貯まっても腕時計なんて一つあれば充分事足りるし、
新しいブーツを手に入れる気など微塵もない。
贅沢はそんなところにはないがニューヨークへ行きたい、お金を貯めて新しい場所へ。
新宿高層ビル42階に存在する神聖な美術館では、
豪華を気取る事よりも、贅沢を極める事よりも、一杯の安酒にありつく事を夢見たアルコール依存症画家、
モーリス・ユトリロのモダン・パリ絵画を鑑賞。
その後、イカす心意気で新宿西口に存在する奇跡のモノホン喫茶「ピース」にて、
アイスコーヒーを注文して煙草を三本吹かす事、これ位の贅沢なら俺だってしてやろう。
モダンソファに腰掛けて頭の中で詩を書き、いつかそれを唄う時、
俺はその度に新宿西口「ピース」の光景と胸中を思い出すだろう。
かれこれ3996本のシケモクを詰め込んできたスタンド灰皿は底に穴が開き遂に役目を終え、
モダン極めたアンティーク店にて発見の一点物スタンド灰皿を真っ当に稼いだお金で手に入れる。
必要な物はアイスコーヒーと煙草、映画と美術館と適度のレコード、
これらにウインナーが加われば贅沢は極めたにさも似たりだ。
いくらお金があったとしてもブランド物を着て気取れる勘違いタコ、
在庫過多のありふれた品々に手を出す様な逆ヒッピーになるなんて真っ平御免の最高峰、
お金にモノを言わせて粋がっている「つもり」の救いようのないクズ共に秩序を。
眼鏡をかける最大の利点は不要なモノを見なくて済むという事、こいつは使える。
ところでチャビー・チェッカーの愉快なリンボーミュージックを聴いていたら、
俺はまた何でも出来る様な気がしてきた、好きな事をやろう。

