July 13, 2010
徹底主義とハッタリ哲学の狭間 ’10

スピーカーの中に楽団はいるか、
頭の中に教養とチャーミングは持ち合わせているか。
専門用語が飛び交う渦の中、
説明書嫌いで名を馳せる男が説明書を根こそぎ読み漁りながら、
問題を一つずつ着々と片付けていくその様はさぞかし笑える場面かも知れない。
ハッタリテクニカルの喜劇役者このワタシ、
例えば「I-Phoneの無線設定希望」などという底無しの難題を焦燥のプロフェッショナル声にて解決、
「I-Phoneの無線設定希望」、
オーベイビー、それはもはや宇宙の話。
この俺が「I-Phoneの無線設定希望」を物知り声で行い、
お金を稼いでいるなんて語り継がれるべき笑い種、
何たってこちとら「I-Phone」とは何なのか、
「I-Phoneの無線設定」とは一体どういう効果なのか、
皆目見当もつかないあん畜生。
バットしかし、理屈を知る前に立ちはだかる難題を一つずつ誤魔化しながら確実に解決、
「I-Phoneの無線設定」をして稼いだお金で買うレコード、
「I-Phoneの無線設定」をして稼いだお金で嗜むホットウイスキー何ちゃらミルクカウ、
「I-Phoneの無線設定」をして稼いだお金で飛び乗る深夜高速バス、
お母ちゃん、何一つ心配は要らない、
俺は「I-Phoneの無線設定」をして稼いだお金をボーリングピンの貯金箱に詰め込んで笑っている。
オーケー、オールオーケー、
俺に説明書を持って来い×333。
長年愛用していたターンテーブルの針を交換した際の大茶番演劇が赤面なるフラッシュバック、
俺は吠え、叫び、飛び跳ね、暴れ、説明書を踏みつけながら、
一つの針を交換するのに何と4時間半を費やしていた。
オーケー、オールオーケー、
ハッタリテクニカルのイカサマ魔術師このワタシ、
この点、俺に詐欺罪を適用してくれて一向に構わない。
「アンタの言葉は文化の象徴だ」などと俺よりも俺を知っている男が笑っている、
「早く作家になれ」などとありとあらゆるヒップな輩達が罵っている、
「うまくいかない事があるからこそアンタは活きる」などと誰かがヌカす。
そしてまんざらでもない顔を引っ提げている真実の立役者このワタシ、
その点、詐欺罪は適用されない立ち位置は断固キープオン。
重要なのはバランス、教養とチャーミングの欠片もない人間と過ごす位なら、
俺はいつか100円で手に入れたリトル・ウォルターを回して一人で踊ろう。
’10.8.13(金)
岩手県田野畑音楽祭
「SONG OF HEAVEN vol.4」
岩手県下閉伊郡田野畑村/思惟の森コミュニティ公園
’10.9.3(金)
girasoul企画
girasoul/髙哲典
アット 下北沢カラードジャム
タクシードライバーと風俗女の胸中と根性に愛を。