July 24, 2010
レター ’10

よー、哀愁の踏んだり蹴ったりボーイズ、
相も変わらず「ググッて」いるかい?
ひょっとして「ヤフッて」いるのかい?
この時期、あまりにもありふれている言葉、
「暑い」、
あまりにもありふれ過ぎていて、こんな言葉を吐くのは金輪際止めようと思った矢先、
無意識の内に吐き出している言葉、
「暑い」、
無意識とは恐怖だ、俺は自己嫌悪、まるで修業が足りない。
誰とも目を合わさずに済む晴れ渡る午後の公園で僅かな日陰に座り込み、
ウィット満点のイカす視点で描くウディ・アレンの短編小説に胸を躍らせ、
それと同時に嫉妬心を抱いている。
「俺の部屋は一日中快適だ」とほざく輩より、
「俺の部屋には空調さえありはしない」と苦笑いで嘆く男にこそ嫉妬心を抱きたい。
川辺で、はたまた晴れ渡る公園で、
「暑いね」
「暑いねー」
扇子でもパタパタやりながら、
これだけの会話で充分事足りる様な奇跡的なパートナーとのんびりとまどろんでいたい。
旅に出たい旅に出たい、
ハッタリで稼いだお金をポッケに詰めて、鍵をジャラジャラジャラと鳴らして、
麦わら帽子を拝借して、ファの音しか出ない口笛でも吹いて。
ところで携帯電話に届くイカサマ英語何ちゃらメールの類いは永久に後を絶たない、
「Best store of Viagra!」
ヘイ、ヘイヘイ!モスト・プリーズ・クワイエット×8億ジャスト。
行きつけの靴修理屋にて、革を選んで永遠に外す事のないブレスレットをオーダーメイド、
もはやこの世にありふれたモノなど要らない、
この世に一つのモノだけが欲しい、言葉然り、歩き方然り。
2010年7月、そして2010年8月さえ間近の洒落にもならない今日この頃、
「水を一日、1.5リットルは飲みましょう」などとどっかの誇張宣伝広告が盛大に罵りやがる、
決して踊らされるな、そして一日が24時間だなんてトンだ錯覚だと念じる様に思い込め。
アイスコーヒーとチョコミントバー、
垂れ流しながら四季折々を一生繰り返す。