July 30, 2010

血まみれのカラスに誓いを



渋谷の歓楽街を歩いていた。

俺はヘロンヘロンで、紙切れを稼ぐ為にくたびれもうけている。

バットしかし、今が楽しくないといえばそれはウソになるだろう。

何組ものサラリーマン集団が居酒屋の前で騒ぎ立てている。

溜まりに溜まったモノホンのボンクラが女に抱きつき、猿顔で喚いている、

「うひょー、ひょっひょ!!」

傘を杖代わりにすると同時に、竹刀の様に振り回してその真横を通り過ぎる。

そんな時、耳元BGMは佐野元春、

20年近くも新鮮なままで聴いていられる音楽とは?

答えは佐野元春、どんなドンクサ猿顔星人の事も心穏やかに許せる境地まで俺を誘ってくれたりもする。

ボーリングピンにお金を詰め込む瞬間にいつも思う、

この紙切れの為に俺は果てしない時間を使っている。

去年の今頃は金髪の真っ只中、そして今は何だ、とにかく新鮮な気分を持続していたい。

バットしかし、今が楽しくないといえばそれはウソになるだろう。

先日、真っ昼間の下北沢を歩いていたら、すぐ後ろで何かが激しく落ちてきた音がした。

イカれた輩が上からモノを投げてきたのかと思い、眉間に皺でも寄せて振り返れば、

そこには何者かに食い散らされた血まみれのカラスが商店街のど真ん中で死んでいた。

世の中が怖くなり、俺は目を逸らして即座にその場から立ち去った。

よー、焦燥のセンチメンタルボーイズ、

一人ぼっちを嘆く程、一人ぼっちではないだろう。

神聖なる駒澤公園の区民プールに入り浸って堂々と日に焼けるってのはどうだ、

無駄な時間は過ごさない。


drecom_eroom5session at 00:42│Comments(0)TrackBack(0)散文 

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