November 04, 2010
ポッピン顔でポッピュラーを笑え ’10
以前、「じゃあね、お侍さん」って言葉を残して愛すべき部屋のドアを閉めた女がいた。
そこそこに胸躍る思い出をいつまでも隠し持っていられる俺ってひょっとして女大好き人間のファッキン代表格なのかも知れない。
昭和の博打打ちの如き井出達で、髪の毛は遂に迎えるインチキオールバック、
どうやら俺は禿げてない、まったくもっての儲け話、オマケにイカサマモヒカンも何ちゃら金髪も遥か過去の話、
誰とも目を合わさずに済む寂れた公園でのランチタイムってのが何よりも性に合う。
旅人が地図を片手にトランクを引き摺り彷徨っている裏道、
その光景を眺めながら次の旅をイヤラシイ程に激しく思い描き、
60年代の競馬場に集うおっさんの如きスタイルで仕事場へと戻る。
時々、サムタイム、仕事がたまらなく面白く感じられる瞬間がある。
あまりの忙しなさにモノホンのランナーズハイ兼パンチドランカー具合、
ヘラフラよろけながら逆爽やかのポッピン顔にて両手を掲げてピースマーク、
「俺に全部回しやがれ」などと大言壮語を吐き、その直後に椅子の奥深くまで沈み込み、
トロけた目をして「おい兄ちゃん、僕はもうオネムだ」などと泣き言を吐いたりもする。
以前、「こんな頑固な奴はいない」とヌカしたヒップ男の顔と同時に、
「弱音とか吐くの?」と聞いたハイカラ女の顔を思い出す。
残念ながら全部ひっくるめて俺は生きている、スタイリッシュとは永久に無縁の塩梅。
猿真似八番煎じ、平均点をこよなく愛する恐怖のポッピュラー集団、
スタイル位せめて自らで決めろ、誰にも迷惑かけん程度に。
一つだけ確かな事がある、
派閥など要らない、「ソウルロマン派」とかいうヤツ以外。
美術館へ行こう、超現実のスタイルで、ボトルコーヒーと手を繋いで。