December 19, 2010
hot coffee please,in NEW YORK CITY '10.12.13-12.18







19歳の俺に、22歳の俺に、26歳の俺に、28歳の俺にこの全ての体験を話したらヤツは心底羨みながらこう呟くだろう、
「まったくもってイカす」×1213、
団体やツアーで旅に出といて「これは修業だ」などと一丁前に洒落込める程に俺は頭イカれてもいない。
香港&マカオの旅や日本国内の旅とは明らかに達成度が異なる胸中、
日本語を封印し、全て一人で、地図だけを頼りに、国籍も人種も言葉も超えて、
ガタボロブーツがいくら足を締め付けても端から端までイヤラシイ程の速度で歩き続ける。
たった6日間で全てを塗り替え、8ランクどころか16ランクアップの成功者このワタシ、
この旅は紛れもなく今後に繋がるパーフェクトに限りなく近い旅だ。
一番耳にしたワードは「Merry X'mas!!」、
クリスマスなんてまるで好きじゃないし一切関係ないと思っていた、日本にいる限りは。
でも奴等は違う、意味を弁えた上で心底クリスマスを祝っている。猿真似天国日本のファッション感覚とはまるで訳が違う。
クリスマスがどうしようもなく愛おしくなった、少なくともニューヨークにいる限りは。
一番口にしたワードは「hot coffee please,no sugar black!!」、
国籍も人種も言葉も超えて通用する世界共通言語はもはや「hot coffee please」に他ならない有り様。
スターバックスなんてまるで好きじゃないし一切関係ないと思っていた、日本にいる限りは。
でも奴等は違う、心底コーヒーを欲している。猿真似天国日本のファッション感覚とはまるで次元が違う。
スターバックスがどうしようもなく愛おしくなった、少なくともニューヨークにいる限りは。
空港から地下鉄でマンハッタンに降り立ち、階段を上って一番最初に飛び込んできた光景はエンパイアステートビル、
エンパイアステートビルなんて二の次だと思っていたのに目に入れた瞬間、確かに歓喜で気が狂いそうになった。
チェルシーホテル902号室にチェックインし、ベルボーイにチップを渡して広々としたベッドにトランクを置いた時、
とても興奮抑え切れず口からスゥイートハートを根こそぎ吐き出しそうになった。
誰かの旅行記も得意気な自慢話も要らない、全ては見て体感してこそだ。
凍える雪の中、危険も知らず、細心の注意と最新の八割増し我が物顔を駆使して真夜中まで歩き続け、
ジャズクラブ、ライヴバーを6軒ハシゴし、根付いた文化の違いを目の当たりにする。
地下鉄構内のブルース弾き、トロンボーン吹き、電車内のチェロ弾き、
ジングルベルを唄いながら小銭が入った紙コップを鳴らしておどける浮浪者。
どの角度から見ても異邦人のボンクラに道や切符の買い方を尋ねてくる外国人、
日を重ねる内にイカサマながら英語が話せる様になってくる感覚、いくら失敗を繰り返しても今より悪くはならない事実、
世界の扉を確実に個人の足で切り拓いた感さえ漂う昨今の狂乱事情。
ニューヨークに出向く直前に連絡を入れたハイカラお姉ちゃんがほざいた、
「さすが、本当に実現させるんだね!」
所詮こちとら地球の一住人に過ぎない、どうしようもなくしょうもない事柄も小さ過ぎる揉め事も金輪際ノープロブレム事項、
まだまだ果てしなくドデカイ事をやらかしたいと企む昨今のブギウギ胸中、
徹底的な差で、圧倒的な個人戦で、口だけ阿呆のヌカす事など永久追放、旅は死ぬまで終わらない。
コツと感覚と教養は6日間で充分に得た、所詮こちとら地球の一住人に過ぎない、
次はハードケース担いでメンフィス&ニューオリンズ、俺はボヘミアン精神とロマンにだけ忠実なあん畜生、
理解出来ない輩には生涯到底理解出来ないやり方で切り拓く。