March 14, 2011

偽善者のバラード ’11


早朝、新宿に着く。

バスはキャンセルが相次ぎスカスカ、俺はとにかく戻ってきた。

部屋のレコードと本はバラバラ、そして転がる何台ものワーゲンミニカー、

それらを元の場所へ戻した。

史上最悪のニュースを見ながら煙草を吹かしていた。

パニック映画さながら、島国が簡単に海に飲み込まれる様を見ながらうどんを旨そうに啜っていた。

俺は何だ、救い様の無いクズかも知れない、

思いながら矛盾だらけのポマードを塗りたくり、眠る間もなく仕事へ出掛けた。

こんな状況の中で紙切れを稼ぐなんて行為が甚だ阿呆らしくなり、

その不甲斐無さ具合に、気を許したら涙が止まりそうになかった。

同情など出来ない、いくら絶望感と胸中を察してみても所詮は他人事でしかない、

俺が渦中の人間でない限り、全ての言葉は安過ぎてどうしようもない。 

史上最悪のニュースを見ながらホットコーヒーを淹れていた、

俺は何だ、救い様の無いクズかも知れない、

思いながら矛盾だらけの熱いシャワーで、呑気に一日を終わらせようとしていた。

人間のイヤらしさについて考えていた。 

お前が無事で良かったと安心しながら、

何万人もの人生が一瞬で消えた事実には目を塞ごうとした。

人間の欲とイヤらしさについて考えていた。

drecom_eroom5session at 00:28│Comments(2)TrackBack(0) 

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この記事へのコメント

2. Posted by 高哲典   March 15, 2011 01:34
to  ケッケちゃん


今現在、全ての言葉は茶番であまりにも安過ぎる。俺もお前も生きているのは単なる偶然、たまたまその場に居合わせてなかったってだけの話だ。

報道やら会見やら何やらに対して何かと揚げ足を取りたがる外野席の連中、こんな時だけ先頭に立った気分で「節電します!」だとか「募金しました!」だとか何だとかとついったーだか2ちゃんねるだか何だか知らんけど律儀に宣言を繰り返す意味不明の輩、そしてこの崩壊をチャンスとばかりに詐欺を企む生粋のキチガイ。

自然との戦争、地獄、大変なのは渦中の人間達だけで経験してない俺は単なる傍観者のあん畜生、世界は一瞬で変わるという事実にただただ怯えているだけに過ぎない。胸中を察する事さえ不可能で下手な発言も出来ない、所詮あるのは中途半端極まりない優しさだけだ。

それでも俺に出来る事がもしもあるなら上記の様なクズにだけはならないと誓う事だけだ。

行くなら本気でな、お前が死んだら少なくとも俺は困るぜ。
1. Posted by ヴァンケッケ   March 14, 2011 01:52
我らがドン・キホーテは明日の停電に備え人が殺到。レジの前の大行列は、もはやどこへ続くんだろうと。なんか地獄にでも続いてる気がして。並びたくない。でも買わなきゃならないものもあって。日用品のついでに懐中電灯や乾電池を手に並ぶこの人々の群れに、懐中電灯は手に入らなかった私も混ざって。あなたと同じ事を考えた。こいつらクズで、私もクズだと。なんか違うんだ。こういうことじゃないんだ。そのペラペラの紙切れは、本当はドン・キホーテに使いたいんじゃないんだよって何度も思った。
近いうち、とにかく行ってきます。

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