June 20, 2011

リチャードソンズ・ワンダフル ’11


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「一緒に暮らして何年になる?」

「6年近いね」

「まだ居座る気か?」

「居心地は最高」

「家賃は?」

「ビタ一文払わない」

「それでも居座る?」

「居心地は抜群」

「殺さないとでも?」

「虫を殺すなよって詩なかった?」

「それポリシー、でも家賃は?」

「ビタ一文払わない」


真っ黒いボディのヤツと魂の会話を交わす、

俺はヤツと音楽を聴き本を読む、自然の中で。

そんな俺を女は哀れむだろう、でももう後には戻れない。

いつかゴキブリをライターの火で焼こうとした事がある、

ヤツは人間の仕草と同じ様に灰皿の中でのたうち回りヘルプを叫び、

俺は瞬時に怖くなりベランダからヤツを一目散に逃がした、

「好きな様に生きろ!」とか何とかヌカしながら。

それ以来、自らの手で生き物の類いを殺すのは金輪際止めた。

半分腐ったカレーパンを半分腐った牛乳で流し込む俺はどうやら半分腐っている、

そんな俺を女は哀れむだろう、でももう後には戻れない。

洒落の通じる友達のあだ名を変化させて「チャックベリー」と呼ぶ、

毎日呼び方を変えて遊ぶ、それだけで気分が躍り出すから。

ヤツは本物のチャックベリーの事さえ知らないかも知れない、

でもそんな事はどうだって良い、

俺は知っている、ロックンロールの神様だと。

あだ名なんて何でも良い、もっと楽しくやりたいだけだ、

だから俺を「リチャードソン」と呼んでも良い、「ゴキブリ」でもオーケー、

そこに洒落が通じるヤツが居てくれる限りは。

いつかボーリングシャツの左ポッケ上に刺繍された名前で互いを呼び合った事がある、

「どうしたジョニー?」

「やかましい、エリクソン」

最高だ、もっと楽しくやれる筈だ、気分次第で髪型を変える様に毎日さり気ない変化を求めている。



drecom_eroom5session at 01:45│Comments(0)TrackBack(0)

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